様々な問題に迅速に対処。
細則を作成して徹底を図る。
● 2つの管理会社に委託。さらに細分化の可能性も
あべのシャルム管理組合の特徴の一つが、入居段階から事務と設備を分けて2社に委託管理をしている点です。石本理事長によれば「分譲者の推薦によるものでしたが、こういう例は少ないはず。私が気にしていたのは、2社になっていることで余分な経費がかかっているのではないかと感じられたことでした」。そこで、1社にする案も検討され、さまざまな形で情報収集したそうです。
「管理組合費は、管理組合の理事長名義の口座にいったん入金され、そこから管理会社に払われるのが理想的です。ところがこのお金の流れを受け入れてくれる管理会社は、大手ですらありませんでした。だから結果的に現在は、当初のままに落ち着いています。むしろ、将来的には、設備の管理会社をさらに分けて個々に契約する方が、元請けを通さないから意思の疎通も図られ、経費的にも安くなる効果が見込まれるので、考えていきたいと思っています」。
● 一時駐車場使用細則
● 入居者リスト取扱い細則
さらに入居者リストの細則を作ろうと石本理事長が考えたきっかけは2つありました。一つは、一人住まいの入居者の方が死亡され、身内の連絡先を探すのに右往左往したこと、そして昨年4月に個人情報保護法が成立したからです。リストの種類は、平時の連絡用と、事故・事件の発生など緊急時の連絡用の2種類。緊急用リストには、あべのシャルム以外に居住する縁故者の氏名・住所・連絡先も記入。指定の2重封筒に入れて、押印し、開封できないようにして、施錠できる収納保管。いざというときは、管理組合役員など2人以上の立ち合いで開封し、閲覧するように定められています。
● 防犯カメラ取扱い細則
次の防犯カメラの場合、入居時に防犯カメラは1階エントランスに3台あっただけでした。「3台は少ない。それに周辺のマンションで車上荒らしが頻発していましたので、これでは駄目だ」と決意した石本理事長は、さらに20台を設置。プライバシー等の問題もあるため、収録画面の取扱などに付いての細則を決めました。「カメラを設置することで、防犯はもちろんマナー向上にも結びつきました。これには、管理組合役員一同、苦笑しています」。
● 同じエリアの理事長同士で情報交換
ところで、同じ地域に建つ分譲マンションおよび商業ビルの管理組合の理事長で組織する「金塚再開発地区理事長会」がありますが、石本理事長も会員の一人として、年に4回、集まって情報交換を行っています。「建った年代も規模もそれぞれ違うため、いろいろと参考になります。例えば、うちは大規模修繕はまだですが、すでに済ませたマンションもあります。具体的な情報を聞くことができるのはありがたいですね」。他の地域にもおすすめしたい方法です。
建築年 | 平成11年(築年数7年) | 構造・規模 | SRC造・14階建 |
---|---|---|---|
棟数・戸数 | 1棟・146戸 (その他、4戸) |
戸当り専有面積 | 70.34〜96.44m2/戸 |
駐車場台数 | 94台 | 駐輪場台数 | 308台 |
付属施設 | 集会室、管理員室、プレイロット | 付属設備 | オートロック、監視カメラ、 インターネット、宅配ロッカー |
役員任期 | 2年(再任可) | 役員数 | 10人 |
---|---|---|---|
選出方法 | 立候補制 (来期より順番制も並立) |
理事会 | 1回/月 |
総会 | 1回/年 (臨時総会1回/年 程度) |
各種委員会の設置 | 無 |