セミナー情報

平成19年度「大規模修繕工事見学会」報告

大規模修繕工事見学会
基準を明確にして施工業者を選定し、 居住者が監督する責任施工方式を採用
11月17日、大阪市マンション管理支援機構として第4回目の大規模修繕工事見学会を京橋グリーンハイツ管理組合のご協力により開催しました。京橋グリーンハイツは、京阪・JR「京橋」駅から徒歩10分の場所に建ち、SRC造15階建・4棟・総戸数1016戸の大規模マンションです。築24年を経過し、今回が2回目の大規模修繕工事です。

<見学マンションと工事の概要>

京橋グリーンハイツ
(大阪市都島区都島南通2-1)
SRC造15階建・4棟・総戸数1016戸/築24年
工事内容(1)仮設工事 (2)下地補修 (3)壁・天井面塗装 (4)鉄部塗装 (5)廊下・バルコニー床等改修 (6)階段床シート貼り (7)シーリング (8)屋上シングル葺き部分補修・保護塗装(全面) (9)樋・パーティション等部分補修 (10)その他(室名札・ガラリ・照明器具取替・はと対策)
工 期平成19年2月〜平成20年3月予定
施工 

● 責任施工方式により、足かけ3年にわたる長期工事

(写真) 総戸数1016戸を誇る京橋グリーンハイツ管理組合。まず理事長の市川さんから、今回の工事見学会申し入れに対し理事会が歓迎の気持ちを込めて決議したこと、そして2回目の大規模修繕工事が、昨年秋の業者選定等の準備から始まって、来年3月に終了する足かけ3年の長期工事であること。工事方式は、設計監理会社を採用せずに、居住者が工事を自ら監督する施工業者の責任施工方式を採ったことなどに触れた上で、大規模修繕委員会設立までの経緯の説明がありました。

● 施工業者選定時のアドバイスに興味津々

 大規模修繕委員会実行委員長・恩地さんからは、用意していただいた説明資料に基づいて委員会設立以降の説明をして頂きました。

(写真) 通常の大規模修繕工事の他に、足場がある時にしかできない改善・改良工事を行ったこと、現状のままでは資金不足が生じるため、アンケート実施のうえで修繕積立金を値上げしたこと、外装の建物診断を行ったこと、他にも、施工業者選定には、統一見積書を作成したことや、金額が安いところではなくて、工事の実績やクレームのないところの他にISOをベースにした施工管理ができるところなどを重視したそうです。「工事仕様書に、検査・品質保証の項目を入れると、施工業者さんも気をつけられると思いますよ」とアドバイス。参加者の皆さんも興味津々の様子でした。

● 質疑応答で活発に意見交換。そして現場見学へ

 続いて施工会社の方が、スライドを用いて、品質管理検査方法、防犯対策、居住者とのコミュニケーションなどを含めて、工事施工上の工夫や特徴などを説明しました。

(写真) 質疑応答では、工事仕様書作成にかかった期間と人数、バルコニーの室外機以外の物の取扱、専門委員の報酬の有無、義務を果たさない居住者への対応方法、ゴンドラ使用の長所短所、建物診断の費用など、多くの質問がありました。
 続いて行われた現場見学は4班に分かれて、施工会社と実行委員の方々の引率により実施。参加者の皆さんは、施工状況を興味深そうな様子で見て回られていました。
 ご協力いただいた京橋グリーンハイツ管理組合の方々、および関係者の方々に心よりお礼を申し上げます。