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平成21年度「大規模修繕工事見学会」報告

「管理組合交流会&相談会」報告
6月27日、大阪市マンション管理支援機構として第6回目の大規模修繕工事見学会をオークプリオタワー管理組合のご協力により開催しました。オークプリオタワーは、JR・地下鉄弁天町駅近くに建ち、SRC造地下2階・地上50階建・総戸数353戸の超高層マンションです。築16年を経過し、今回が初めての大規模修繕工事です。
5つのテーマについて活発に意見交換。他のマンションの実情から解決のヒントを

●9年前から積立金の改定に着手

地上50階建てのオークプリオタワーは、関西における超高層マンションの草分け的存在。
築16年を迎えての本格的な大規模修繕工事ということで見学会への関心も高く、定員よりも多くの参加者の方々が集まりました。
まずオークプリオタワー管理組合の高道理事長から、「超高層マンションの大規模修繕工事は、先行事例がなくて大変でした。私どもの経験が少しでもお役に立てばと思い、引き受けました」と挨拶が あり、稲嶺監事からは経緯の説明がありました。 「約9年間の助走期間がありましたが、最初に着手したのは、長期修繕計画の策定と修繕積立金の改定です」。最初1m2当たり50円だった積立金を100円、130円、150円と段階的に改訂しながら積立金を準備したことや、コンサルタントや施工業者の選定方法などについて説明がありました

●関西で初の「昇降式移動足場」を採用

続いて施工会社から、工事の手順や品質管理、近隣安全対策などについて説明。
住民のプライバシー確保と作業員の安全確保のための工夫として、ベランダのパーテーションの下部を開閉式にする工夫などが紹介されました。また、マンションの外壁工事の足場は、20階建てまで なら枠組足場が一般的ですが、ここは50階建て、高さ150m以上の超高層マンション。そこで風の影響を受けやすい吊り下げゴンドラ足場よりも安全で、多くの作業員が作業できる「昇降式移動足場」が関西のマンションで初めて採用されました。

●超高層マンションの工事現場を見学

3班に分かれての現場見学では、さっそく昇降式移動足場を下から見上げるなど興味津々。
外壁タイルの修繕工事の様子などを見た後で、マンション内に入り、外壁等の塗装工事、シーリング改修工事の様子などをつぶさに見学。また、昇降式移動足場のデッキも間近で見ました。デッキ幅は32mもあり、かなりの迫力です。
現場見学終了後は、質疑応答。修繕積立金の基準、業者選定方法、建物診断の方法、次回の大規模修繕工事の計画などについての質疑応答の後、無事に終了しました。参加者の中には、超高層マンションに住んでおられる理事の方もおられ、「とても参考になりました」と満足そうな様子でした。

<見学マンションと工事の概要>

オークプリオタワー(大阪市港区弁天)
SRC造・地下2階・50階建・総戸数353戸/築16年
工事内容(1)躯体及びタイル修繕工事
(2)シーリング改修工事
(3)外壁等塗替工事
(4)鉄部等塗替工事
(5)防水改修工事
(6)床改修工事
(7)その他改良・改善工事
工 期平成21年2月2日〜平成21年12月20日予定 施 工 (株)長谷工コミュニティ