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平成22年度「大規模修繕工事見学会」報告

「大規模修繕工事見学会」報告
約10年ごとの大規模修繕工事で長く快適に住まえるマンションに
7月31日、大阪市住之江区の新北島コーポ管理組合のご協力により、大規模修繕工事見学会を開催しました。新北島コーポは、地下鉄「住之江公園」駅から徒歩8分、4棟から成る総戸数435戸の分譲マンション。竣工から34年が経過し、今回で3回目の大規模修繕工事となります。 現場のようす

●丈夫で長持ちするマンションに

 新北島コーポでは入居開始から30数年が経過し、これまで定期的に大規模修繕が行われています。それでも経年により外壁やコンクリート躯体、バルコニーなどの劣化が進行。3回目の大規模修繕工事は、これらを補修し、丈夫で長持ちするマンションへのオーバーホールが目的です。
 現場見学にさきだち、新北島コーポ管理組合の服部副理事長が、「コンサルタントの先生からアドバイスを受けながら抜本的な改修を進めています」と挨拶。続いて施工会社から、工事の趣旨や流れ、安全管理、補修工法などが説明されました。
 また、今回の工事では、計画段階で分からなかった部分的な鉄筋の腐食が、施工中に発見され、急遽、特殊工法を用いた補修を追加するというハプニングも。見学会でも特殊工法や、鉄筋コンクリートの劣化のメカニズムについての解説に時間が割かれました。

●実践的な現場見学に参加者も納得

 工事の見積り方法や耐震検査などへの質疑応答の終了後は、いよいよ3班に分かれての現場見学です。建物に入ると、壁の随所に緑や黄色のマークが。「ヒビ、浮きなど、補修部分の種類を色分けしている」との説明に、「これは分かりやすい」と感心の声が上がります。
 また、コンクリートの小さなヒビ割れと大きなヒビ割れとで、それぞれ異なる方法で補修している現場を見たり、「モルタルの浮き」を叩いて音を聞き、浮きが発生している部分への注入作業をすぐ傍で見学するという実践的な体験は、参加者がそれぞれのマンションで大規模補修工事を実施する際の良い参考になった様子。

 見学後の質疑応答では、工事費用や居住者の属性など具体的な質問があり、工事費用は1世帯当たり約60万円であること、また300人前後の高齢者が居住しており、高齢化社会を象徴するような年齢構成になっていることなどが紹介されました。
 今回の参加者には、同じような課題をもつ管理組合の皆さんも多く、関心の高さと前向きな姿勢が印象的な見学会となりました。

<見学マンションと工事の概要>

新北島コーポ(大阪市住之江区新北島)
1、2号棟:鉄骨鉄筋コンクリート造・11階建
3、4号棟:鉄筋コンクリート造・7階建
管理事務所棟:鉄筋コンクリート造・2階建
総戸数:435戸
築35年(1975年竣工)
工事内容(1)躯体修繕工事
(2)シーリング新設打替工事
(3)外壁等の塗装替工事
(4)鉄部等の塗装替工事
(5)バルコニーなどの防水工事
(6)その他改修工事
工 期平成22年2月20日〜平成22年9月20日予定 施 工 (株)カシワバラコーポレーション