セミナー情報

大規模修繕と円滑な管理組合運営


8月26日、大阪市立住まい情報センターで大阪市マンション管理支援機構シンポジウムが「大規模修繕と円滑な管理組合運営」をテーマに開催されました。会場は、管理組合役員を中心に200人を超え、盛況でした。支援機構を代表して大阪市住宅局から「シンポジウムを大規模修繕の参考にしていただけるものと期待しています」と挨拶した後、基調報告・パネルディスカッションを行いました。
 平成12年末で、わが国のマンションは386万戸、約1000万人が住んでいます。築後30年を超えるマンションは12万1000戸、5年後には50万戸、10年後には93万2000戸になり、築年数の古いマンションが急増すると予測されています。
 管理組合の運営状況は、国土交通省の標準管理規約に準拠した規約を持っている管理組合は21%に留まり、役員の任期が1年で、報酬を払っていない組合が7割を超え、管理のノウハウが引き継がれていない実態が明らかになっています。
 修繕積立金は、ほとんどの管理組合が「ある」と答え、その積立額も増加しつつありますが、その1戸当たり平均残金額は37万円程度で、まだ不足している状況です。修繕積立金の管理は、まだ預金口座が管理会社の名義になっているものがあり、通帳と印鑑を役員一人が保管している管理組合もあります。
 大規模修繕の内容は、屋上防水が築後10年くらい、鉄部塗装は3年後、給排水工事は15年後くらいに実施されています。工事費用は、100戸規模程度で6000万円くらいです。建物診断を実施したのは7割を超えています。
 工事資金の調達は、修繕積立金が8割で、修繕積立金だけで修繕費用をまかなえたのは44割。長期修繕計画を作成している管理組合は8割に達する一方、作成していない管理組合が14%ありました。
 修繕工事に当たっての障害は、「資金不足」が多く、修繕時期を遅らせる理由になっています。修繕工事の検討開始から工事開始までの期間は平均16.9か月かけており、5割以上の組合がコンサルタントに相談しています。次回の大規模修繕への教訓は「適切な長期修繕計画を立てて、区分所有者に大規模修繕の必要性を知らせておく」が8割を超えていました。
 また、今年8月にマンション管理適正化法が施行され、管理会社の登録制度と管理組合の相談に応じるマンション管理士の制度が設けられました。

 大規模修繕は、管理会社まかせにするのではなく、管理組合自身が勉強して主体的に取り組むことが何より重要です。私たちは修繕委員会を作り、工事方法などを専門業者の皆さんにアドバイスしてもらいながら、実際にテストをして、最終的な工事方法を決めていきました。修繕委員会は総会で2/3以上で選任され、提案権だけを持ち、決定権は理事会が持つという組織的な原則を守ることが必要です。また、居住者に対し徹底した情報公開を行い、運営していくことが重要です。

 これまで駐車場の増設や全戸フローリング化などさまざまな工事を実施してきました。広報紙を通じて修繕の内容を具体的に伝え、非常に細かいことに注意を払って進めてきました。フローリングの工事でも、騒音やホコリを出さないために、手作業でやってもらい、すべて同じ職人に工事をしてもらって公平を期しました。委託管理を自主管理に切り換えて、資金を捻出しましたが、修繕のノウハウを継承することがむずかしく、次の役員が育ちにくい状況のため、委託管理に戻ることも考えています。

 私が入居した当時は、管理組合としての実態がなく、有志の方と管理組合を作るところからスタートし、何とか大規模修繕を実施することができました。大規模修繕を成功させるためには、何よりも情報をすべて公開し、マンションの現状に対する認識を住民全員で共有することが大切だと思います。またマンション管理は自主管理が基本で、委託するのは日常業務とし、管理費のスリム化により修繕積立金へ少しでもまわし、将来に備えることが必要です。またマンション管理にとって最も重要なことは、いかにコミュニティを作るかということだと思います。

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