不動産協会賞 受賞作のご紹介

『不動産協会賞』は、当協会の社会貢献活動の一環として、日本経済や国民生活に関する著作物の中から、多くの方々に読んでいただくことにより、当協会が直面する幅広い課題についてご理解をいただくのに資する著作物を表彰するものです。

第8回『不動産協会賞』受賞作品(著者 五十音順)

◆『町を住みこなす 超高齢社会の居場所づくり』
著 者:大月 敏雄 出版社:岩波書店
内 容:町そのものが多様性を持つことが重要である。超高齢社会において、これまで開発されてきたニュータウンや郊外の住宅地では住民の高齢化が加速している。今後、住宅に求められるのはライフステージに合わせた変遷である。住宅、ひいては町全体が多様化するニーズに対応できることがまちの復興に繋がっていく。日本の住宅供給や家族の変遷といった歴史的な考察もあり、今後のまちづくりを考える上で参考になる一冊。

◆『まちの保育園を知っていますか』
著 者:松本 理寿輝 出版社:小学館
内 容:まちぐるみで子どもたちと地域が一丸となって取り組む保育園づくり。地域の魅力を活かした保育園は、それ自体も資源となり、まちづくりにつながっていく。東京の小竹向原、六本木、吉祥寺の認可保育所の取り組みに迫る。園では、子どもたちの可能性を信じ、子どもを取り巻く周囲の人との対話、地域コミュニティとの関わりに重きを置いており、保育園の枠組みを超えて、子どもたちがまちづくりの担い手となっている。これからの保育園のあり方を考える一冊。

◆『人口減少時代の土地問題 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ』
著 者:吉原 祥子 出版社:中公新書
内 容:持ち主の居場所や生死が判明しない土地の「所有者不明化」問題の実態に迫る作品。今後、日本の人口が減少していく中で、全国へ拡大していく可能性が高い課題について、空き家問題や相続・登記制度の問題の本質から解決の糸口までをわかりやすく描く内容は、今後の日本の土地制度のあり方について考える契機となる作品である。

特別賞
◆『みどりの町をつくろう 災害をのりこえて 未来をめざす』
著 者:アラン・ドラモンド 出版社:福音館書店
内 容:アメリカの小さな町で起こった巨大竜巻による大災害から、町が復興していくまでの実話を元に描かれた絵本。人々が町の未来について本気で考えながら、自然を最大限にいかした町づくりを行い復興するまでの姿は、子供向けの作品としてだけではなく、自然災害が多い日本におけるまちづくりや地球環境問題を考えるうえでも参考になる作品である。

不動産協会賞受賞作のご紹介

『不動産協会賞』は、当協会の社会貢献活動の一環として、日本経済や国民生活に関する著作物の中から、多くの方々に読んでいただくことにより、当協会が直面する幅広い課題についてご理解をいただくのに資する著作物を表彰するものです。


第6回『不動産協会賞』受賞作品(著者 五十音順)
◆『東京都市計画の遺産』

著 者:越澤 明

出版社:筑摩書房

内 容:首都大地震、防災への備え、神宮外苑と三つの東京オリンピックに関する考察、五輪へ向けた国際都市づくりなど示唆に富み、今後の都市のあり方を考えるにあたり、参考に値する内容である。また、東京における色々なまちづくりの歴史を豊富な資料や綿密な調査により、丁寧に描いており、東京都市計画論に関する資料価値としても高い作品である。 

◆『仕事と家族』

著 者:筒井 淳也

出版社:中央公論新社

内 容:女性が活躍するために仕事と家族がどうあるべきかという問題に真摯に向き合い、人口減少・少子化・高齢化・未婚化・女性の労働等をデータや諸外国との比較を通して、日本が抱える問題を明解に説いている。まちづくりを通してその様な諸課題に貢献していくことを目指す、不動産業界にとっても貴重な視点を提供してくれる一冊である。 

◆『新・観光立国論』

著 者:デービッド・アトキンソン

出版社:東洋経済新報社

内 容:『日本を救うのは「短期移民(外国人観光客)」である』「観光立国」となれるポテンシャルを持ちながら活かせていない日本は「もったいない」』と言う著者の提言は、長年外国人アナリストとして培われた客観的な分析力と、文化財保護を社業とする伝統企業の代表者としての独自な視点から提示されたものであり、我が国の持続的な成長のため、魅力あるまちづくりを目指す上で役に立つ示唆に富む。


一般社団法人 不動産協会 
http://www.fdk.or.jp/