専門家の力を上手に利用して、
住民間のコミュニティ形成
必要だと分かっていても、難しいのがマンション内でのコミュニケーション形成です。 タイムズ・ピース・スクエア管理組合は、その大切な課題に入居した段階から取り組 み、夏祭りなど多数のイベントを通じて見事に成功しています。
● 1000戸の大規模マンションが出現
地下鉄長堀鶴見緑地線・今里筋線の蒲生四丁目駅から徒歩5分、京阪本線野江駅から徒歩7分のところにあるタイムズ・ピース・スクエアは、甲子園球場の約2倍の広大な敷地に建つ3棟・総戸数1000戸の大規模マンションです。
2年前の2007年にA棟の367戸、1年前にB棟の427戸、今年3月にC棟の206戸が完成。敷地内には、体育館のあるスポーツアリーナ、コミュニティハウス、保育園、たんぼ、花壇、キッチンパーティルーム、ゲストルーム、900台分の自走式駐車場、サイクルポートなどが揃っており、かなりの充実ぶり。ちなみに入居者の中心は、小学生以下のお子さんがおられる30歳代のファミリー層です
2年前の2007年にA棟の367戸、1年前にB棟の427戸、今年3月にC棟の206戸が完成。敷地内には、体育館のあるスポーツアリーナ、コミュニティハウス、保育園、たんぼ、花壇、キッチンパーティルーム、ゲストルーム、900台分の自走式駐車場、サイクルポートなどが揃っており、かなりの充実ぶり。ちなみに入居者の中心は、小学生以下のお子さんがおられる30歳代のファミリー層です
● 4つの倶楽部と9つのサークル活動
このマンションのユニークな点は、管理組合の下部組織として「TPSクラブ」というコミュニティ活動を目的とした組織が入居時からあることで、こうした例は極めて稀です。TPSクラブの中には、キッズ&シニア倶楽部、グリーン美化倶楽部、たんぼ倶楽部、イベント倶楽部の4つがあり、それぞれ活発な活動を行っています。
TPSクラブは全戸加入で、1住戸について月500円を負担してもらい、クラブの運営費用に当てています。さらに外部の専門業者の方が、街コーディネーターとして常駐。クラブの運営面のサポートや、コミュニティ形成のきっかけづくりを行っています。この他にも、バレーボール、太極拳、空手、キッズダンスなど9つのサークル活動がすでに誕生しています。
コミュニティ活動をしたいけど、どうしていいか分からない管理組合が多い中で、イベント運営の専門家を最初から組み込み、うまく活用しているケースと言えるかもしれません。
TPSクラブは全戸加入で、1住戸について月500円を負担してもらい、クラブの運営費用に当てています。さらに外部の専門業者の方が、街コーディネーターとして常駐。クラブの運営面のサポートや、コミュニティ形成のきっかけづくりを行っています。この他にも、バレーボール、太極拳、空手、キッズダンスなど9つのサークル活動がすでに誕生しています。
コミュニティ活動をしたいけど、どうしていいか分からない管理組合が多い中で、イベント運営の専門家を最初から組み込み、うまく活用しているケースと言えるかもしれません。
● 田植えや、地域を巻き込んだ夏祭り
多彩なイベントの中で、2つピックアップしてみましょう。
一つは、たんぼクラブです。マンションの敷地内にたんぼがあるのは、日本でもたぶんここだけ。土づくりから始め、6月7日に行われた田植えには、多くの方が参加し ました。収穫の後は、1000個のおにぎりを作る予定です。「たんぼがあると和みますね」と近所の人も嬉しそうです。稲の生長を通じて、子どもたちは多くのことを学ぶ こともできます。
もう一つは、イベントクラブが中心になって行う夏祭りです。住民ばかりでなく、近隣地域のみなさんも祭りに参加・協力。今年は3000人近くの人で盛り上がりました。「夏祭りを通じて地域の人ともコミュニケーションでき、地域の活性化にも役立つことができした」と入居時からTPSクラブ委員長を続けている亀井達哉さんは満足そうです。夏祭りのボランティアを募集したところ、昨年は30名ほどでしたが、今年は100名以上集まりました。「徐々にですが、確実にコミュニティが広がりつつあることを実感しています」。
一つは、たんぼクラブです。マンションの敷地内にたんぼがあるのは、日本でもたぶんここだけ。土づくりから始め、6月7日に行われた田植えには、多くの方が参加し ました。収穫の後は、1000個のおにぎりを作る予定です。「たんぼがあると和みますね」と近所の人も嬉しそうです。稲の生長を通じて、子どもたちは多くのことを学ぶ こともできます。
もう一つは、イベントクラブが中心になって行う夏祭りです。住民ばかりでなく、近隣地域のみなさんも祭りに参加・協力。今年は3000人近くの人で盛り上がりました。「夏祭りを通じて地域の人ともコミュニケーションでき、地域の活性化にも役立つことができした」と入居時からTPSクラブ委員長を続けている亀井達哉さんは満足そうです。夏祭りのボランティアを募集したところ、昨年は30名ほどでしたが、今年は100名以上集まりました。「徐々にですが、確実にコミュニティが広がりつつあることを実感しています」。
● 揃いのTシャツで、一体感が生まれます
「私がTPSクラブの委員長を引き受けたのは、クラブを通じて人と人をつなぐことができれば、という思いがあったからです。活動を初めて3年目に入り、住民同士が仲良く立ち話をしている姿を見かけるようになりました。子どもはすぐに仲良くなれる、お母さんも子どもを介してつながりができる。でも、お父さんのつながりはなかなかできませんが、イベントを通してつながりができます。イベントのボランティアで揃いのTシャツを着ることだけでも、一体感が生まれますからね。住民同士が知り合いになると、知らない人がいれば分かりますので、防犯上でもメリットがあると思います」と亀井さん。
団地管理組合理事長の加藤彰彦さんも、「若い人はイベントに無関心だと思われがちですが、声をかけると案外参加してくれますね。うちのマンションでは、シニア層は多くありませんが、今後は高齢の方のまきこみ方を考えていくつもりです」とコミュニティ形成にさらに力を入れていく考えです。
4つの倶楽部と主な活動
団地管理組合理事長の加藤彰彦さんも、「若い人はイベントに無関心だと思われがちですが、声をかけると案外参加してくれますね。うちのマンションでは、シニア層は多くありませんが、今後は高齢の方のまきこみ方を考えていくつもりです」とコミュニティ形成にさらに力を入れていく考えです。
倶楽部 | 主な活動 |
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キッズ&シニア倶楽部 | 紙芝居と昔遊びを実施。お手玉、めんこ、あやとりなどを 年配の方から、教えてもらい子どもとの交流の機会をつくる。 |
グリーン美化倶楽部 | ガーデニング愛好家の人の集まり。居住者専用花壇の 植え替えの内容も自分たちで決めていく。 |
たんぼ倶楽部 | 専門家のアドバイスで、田植えから、草取り、稲刈、稲干、脱穀まで農業体験。 |
イベント倶楽部 | 年2回の大きなイベント(夏祭り、クリスマス)の 企画・運営。実行委員会を立ち上げてイベントを実施。 |
建築年 | 2007~2009年 (築年数0~2年) |
構造・規模 | RC造・15階建、19階建 |
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棟数・戸数 | 3棟・1000戸 | 戸当り専有面積 | 70~100m2/戸 |
駐車場台数 | 900台 | 駐輪場台数 | 2000台 |
付属施設 | 集会室、管理員室、 体育館、ゲストルーム、 キッチンルーム、 シアタールーム |
付属設備 | オートロック、 監視カメラ、 インターネット |
役員任期 | 1年 | 役員数 | 12人 |
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選出方法 | 輪番制 | 理事会 | 1回/月 |
総会 | 1回/年 | 各種委員会の設置 | 自転車問題委員会 |