セミナー情報

「マンションらいふあっぷ連続セミナー」報告

マンション設備の維持管理について
マンションライフを安全かつ快適に過ごすためには、設備の維持管理は欠かせません。管理組合の役員になられた方などを対象に、専門家が様々な角度からマンション設備を取り上げ、わかりやすく説明しました。 7月8日(日)
給排水設備配管の知識、給排水方式など、自分が住んでいるマンション設備について知ることの大切さ、そして、マンション管理のマニュアル化、自主点検などをテーマに開催しました。 講座1 マンション設備の維持管理

●築20〜30年を超えるマンションの急増
 築20年、30年を超えたマンションが増えています。お住まいのマンションがどういう設備を採用しているかを知るだけで、設備のことを気にしなくても大丈夫なのか、あるいは、しばらく先に何らかの手に打つべきか、そういう目安が立ちます。
●給排水設備配管の知識
(a)主な給水管と特徴
 給水配管で一番多いのが鉄管の内部にビニル管を挿入したVLPですが、20年から30年くらいで問題が出てきます。耐衝撃性ビニル管HIVPは、衝撃に強く、VLPの半分以下の値段ですが、強くて長持ちします。最近出た高性能ポリエチレン管は、今後VLPやHIVPから高性能ポリエチレン管に入れ替わるでしょう。架橋ポリエチレン管やポリブデン管は、柔軟性があって非常に強い管です。新築マンション専有部分ではほとんどこのどちらかが使われています。鉛管は、規制で10年くらい前から使えません。鋳鉄管は、一番強いと言われていますが、30年くらいで腐食します。
(b)主な排水管と特徴
 ビニル管VPは安っぽいイメージがありますが、強くて長持ちする管です。耐火2層管はVPのパイプのまわりにモルタルが巻いてあり、耐久性も耐火性もいい管です。SGPは、一番寿命の短い管で現在は殆ど使われません。鋳鉄管は、汚水管や屋外の排水に使われます。銅管は錆びずに、耐菌性があり、中身がヌルヌルになりにくい管です。
●給水設備
 高置水槽方式は、受水槽から揚水ポンプで屋上に上げて、いったん貯めて、自然流下で各戸に給水する方式です。一番シンプルな方式ですが、衛生面や上部の階は水圧が低いなどの問題点があります。それを改良したのがポンプ圧送方式です。高置水槽をなくして、ポンプで直接圧送して供給されます。ポンプシステムの進化で、ポンプ圧送方式が増えています。自治体により制約がありますが最近、直結増圧給水方式に変わってきています。ポンプ圧送方式との違いは受水槽がないことです。
 直結増圧給水方式のメリットは、水の安全性が高い、省エネ、メンテナンスがらく、上階の水圧の低さを解決できる、受水槽ポンプ跡地が有効利用できる、ポンプの耐用年数が向上する、などが挙げられます。詳しくは水道局に問い合わせてください。増圧給水方式への改修費用は、戸数やマンションの状況にもよりますが400万から900万円くらいです。
●排水方式
 排水方式の一般的な系統は、トイレだけ単独で集めて縦管で降り、トイレ以外の台所、お風呂、洗面所、洗濯を4つまとめて一つの管で縦で降りているもので、汚水と雑排水の分流方式と呼びます。もう一つが、集合管というシステムです。配管は一回り太いのが1本だけ。ここにトイレの水も、お風呂、台所、洗面、洗濯、すべての水を1本に入れてストンと落とします。いま、超高層の場合はほとんどこのシステムです。
●給水管、排水管の更新と更生
 配管の内部を掃除して、コーティングすることを管更生といい、配管を取り替えることを更新といいます。
 給水管改修の場合、専有部分、共用部分、まとめて工事をするというのが、正しいスタンスです。まず配管の取り替えができるかどうか検討します。どうしても無理な場合は、共用部分は取り替え、専有部分の内部はライニングでいく方法が妥当かなと思います。
 排水管の場合、最近はライニングが主流です。各社しのぎを削って、いろいろな工法で実績をつくり、信頼性が上がってきています。一番のメリットは、1系統1日でできるということ。それに材質的な安全性を確かめる必要もなく手軽にできるので、排水のライニングがここ4、5年くらい脚光を浴びています。

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ミニ講座1 管理組合活動報告「自主点検から中・大規模修繕へ」 自主点検でデータを集積。その上で修繕をすればいい 講師 平松 英伸(ひらまつ ひでのぶ)
グレーシィ天神橋 管理組合 監事
私らの管理組合には、維持管理取扱説明書があり、維持管理の方法をマニュアル化すれば管理組合主体の維持管理はそう難しいものではありません。
 例えば、マンションの点検には日常点検、定期(自主含)点検、臨時点検があり、自主点検は管理組合主体で、時期は総会の約3ケ月前に行い、今どのような状態にあるかを総会に報告します。また点検目的は補修、修繕、改修と長寿化対策です。判断のもとは点検結果や情報収集で、管理組合が主体で、その補佐として管理会社、コンサルタントが居り、修繕工事内容と時期を計画することです。
  自主点検もせず、いきなり中・大規模修繕を計画するのは不可解です。  ※(注)講座1〜3&ミニ講座1〜2の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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