セミナー情報

「マンションらいふあっぷ基礎講座&相談会」報告

11月13日
マンション共用部分の維持管理に対する住宅金融公庫のサポート体制や、大規模修繕の具体的な進め方などをテーマに開催しました。 マンション共用部分の維持管理にかかる住宅金融公庫の支援について

(1)新築 ………売主(事業者)が管理規約や長期修繕計画のお膳立てをして、マンション居住者の方に引き継ぐのが一般的です。新築分譲マンションを売る場合に、「フラット35」や「公庫融資」というローンをご提供するわけですが、そのローンのご提供の条件として、事業者に管理規約の整備と、長期修繕計画の策定を義務化しております。
(2)資金運用 …管理組合の運営で問題になってくるのは、修繕積立金の運用です。当公庫で修繕積立金の運用をサポートするツール「マンションすまい・る債」を用意しています。これは、住宅金融公庫が発行する債券(利付10年)で、定期的に継続購入(最高10回)し運用していただく制度です。
(3)修繕 ………例えば、修繕積立金のストックが足りない。あるいは、全部取り崩してしまうと、急な支出を考えると不安だ。あるいは、数年後の予定工事もまとめてやってしまいたいが、そうするとお金が少し足りない。こうしたケースで、私どもの「共用部分リフォームローン」の検討をしていただければと思います。
(4)流通 ………中古住宅を購入する際に「フラット35」や「公庫融資」をご提供していますが、どんな中古住宅でもご融資しているわけではありません。管理規約の整備、長期修繕計画の定、それから良好な維持管理状況(著しいひび割れがないこと等)の要件にあてはまるものに限定的にご融資をさせていただいています。
(5)建替 ………最後は、どこかで建て替えなければなりません。その場合に、私どものサポートの一つが「建替資金の確保」です。マンション建替資金融資は、最長35年、固定金利、融資額8割までというものをご用意しております。その中で必ず問題になってくるのは、高齢者世帯の資金問題です。それに対して「高齢者向け返済特例制度」をご用意させてもらっています。

大規模修繕の進め方 〜事例からみるチェックポイント

(1)現状の把握のために、居住者へアンケート。※アンケートには修繕箇所の指摘と、要望の2種類が出てくるはず。修繕箇所は即調査対象となり、要望は、今後を考える上での重要な手がかりとなります。
(2)現状調査を依頼する。
(3)修繕設計をする(設計者を選んだ後)。※足場の費用は高くつくのが一般的。足場を組んでしなければならない作業はなるべく一つにまとめて発注するが合理的な方法です。
(4)見積もりに参加する業者を選ぶ。
(5)業者を決めて、現場説明をする。
(6)見積もりを徴収する(設計者とともに)。※見積もり項目の明細書をつけるという条件を出すこと。一覧表にして項目ごとに比較対照することができます。
(7)業者を決定する。※大事なのは、業者の信用度。工事途中で投げ出されたら大変です。知り合いの金融機関を通じて業者の信用調査をかけること。
(8)理事会や総会に諮り、決議します。
(9)契約をします。
(10)工事に着工する。
(11)工事の設計監理と施工管理。※必ず設計図と違うことがでてきます。その時にどうするかというのが非常に大事で、業者任せにしないで設計監理者がおれば、施工管理者と打ち合わせをして解決することが大切です。
(12)竣工引き渡し。
(13)マンションの履歴を残す、保存する。※次回長期修繕計画は10年前後先になります。人も考え方も状況も変わりますが、今回修繕の記録と要望を履歴で残せば次回の参考になります。

 大規模修繕は、以上のような手順で進められます。1番目から13番目まで、その労力と時間は大変なものです。2〜3年くらいかかる場合もあります。理事会で大規模修繕に取り組むと、任期の都合で、途中で人が変わり、なかなか進まないこともあります。だから2年、3年続けられる修繕委員会を設けることをおすすめします。


ミニ講座2 電灯幹線の安全性向上と電気容量アップの改修事例
停電や火災を防ぐには電気配線の改修が必要です
講師 柳瀬 洋(やなのせよう)
(株)関西電力 法人営業部 公共営業グループ
 現在お住まいのマンションが、建築後25年以上経過し、電気配線の改修を行っていない。また、住戸内の電気配線がタコ足配線状態で、たびたび停電する。さらに個々の住戸の停電がマンション全体に波及する。これらの原因は、マンション建設当時と比べて、現在使用の電気機器の種類と容量が格段に増加したことによる電気配線の回線数及び容量の不足、及び短絡事故時の安全装置が無いことが原因です。このような悩みでお困りの皆様に、改修費用の一部(幹線部分の改修費用)を関西電力の「貸付配線制度」を利用して、初期投資額を抑えて改修した事例の紹介です。 ● 対象建築物 : 築30年、住戸数約170戸 ● 改修内容 : 住戸内の電気容量を約2倍12回線の分電盤(漏電ブレーカー付き) ● 貸付配線制度 : 関西電力がお客さまに代わって電気配線(幹線部分)を施工し、その配線をお貸し、さらに貸付配線のメンテナンスをおこないます。そして、これらに要する経費を原則として10年間の分割でお支払いいただく制度 但し、制度適用には条件があります。最寄の営業所にご相談ください。  ※(注)講座1〜6&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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