セミナー情報

マンションらいふあっぷ基礎講座


マンションの財務会計に関連して、管理組合会計の実務などをテーマとした講座を開催しました。
 管理組合には、収益事業をされているところはほとんどないと思いますが、そういう意識はなくても一部で収益事業に該当するものがあります。この場合は必ず申告しなければいけません。例えば、会議室や集会所、駐車場等の貸付け、飲料水等の自動販売機の収入、バザーやレクリエーション開催の収入・・・これらが収益事業に該当すれば申告する義務があります。
 収益事業に該当するかどうかの判断基準は、
1.組合員、マンションの住人のみを対象としているか
2.無料もしくは、実費弁償、つまり利益・剰余金が発生しないか
3.バザー、コンサートなどの催し物は年1〜2回程度か
 上記1〜3に該当する場合は申告する必要はないと考えられます。ただし、例えばコンサートでかなりの収益が出るような場合は、事前に収益事業に該当しないという届出を出して、申告するかどうかの判断を仰ぐことになります。下記に、具体的な事例をいくつか上げておきましょう。
1)分譲マンションの屋上に携帯電話などのアンテナを立てるスペースを提供して、年間収入がある場合。これは収益事業の不動産 貸付業に当たり、申告する必要があります。
2)廃品回収に対して地方自治体から入る補助金は収益事業に該当しないので、非課税です。
3)駐車場をマンションの住民以外の人に貸付けた場合、住民より高い駐車場料金を取っていれば、外の人に貸付けている分だけでなく駐車場の収入全体が収益事業ということになります。
4)マンションの外部の方に会議室などの部屋を貸付けた場合は、席貸業になり納税義務が発生します。
5)管理組合会計で剰余金が出た場合に、国債を買ったり、一時払い養老保険に加入するケース。これはもともと原資が会費収入ですので、非課税です。元々のお金が非課税であれば、その利子収入についても非課税です。
 収益事業というのは、法律で三十三事業が定められています。先ほど話した収益事業に該当するかどうかを検討し、また、各税務署の担当課にご相談されてもよいと思います。
 次に、「決算書作成のポイント」ですが、ここで一番大切なのは、未収も含めて収入がきちんと計上されているかどうか、そしてその残高が本当にあるかどうかということが一番のポイントです。それから大規模修繕などは何千万円というお金が動きますので、どんな業者を、どんなふうに選定したかということをきちんと説明できる形で選ぶということが大切です。それがトラブルの元になることがよくありますから、注意してください。
ミニ講座3 マンション建替事業における高齢者向け融資について 高齢者向けの毎月の返済額が安い融資です
講師 林 宏幸(はやし ひろゆき)
住宅金融公庫大阪支店まちづくり融資課長副調査役

 昨年12月に「マンション建替え円滑化法」が施行され、マンション建替えにも、再開発で使われている「権利変換」という手法が取れるようになりました。
 マンション建替えに関して、「合意形成」と「資金調達」が2つの大きな問題です。マンションの建替え事業のあらゆる局面で必要な費用を融資対象とする公庫の「都市居住再生融資」があり、その中に「高齢者向け返済特例制度」があります。
 この制度は、建て替えるマンションに従来から住んでおられた60歳以上の方に、最大1,000万円まで融資でき、毎月の返済は元金の利息だけの支払いで、とても安くなります。
 元金はお亡くなりになられた時に、相続人が一括返済するか、担保提供された建物・土地の処分により返済いただきます。必要に応じて活用していただければと思います。
※(注)講座1〜5&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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