
8月26日、大阪市立住まい情報センターで大阪市マンション管理支援機構シンポジウムが「大規模修繕と円滑な管理組合運営」をテーマに開催されました。会場は、管理組合役員を中心に200人を超え、盛況でした。支援機構を代表して大阪市住宅局から「シンポジウムを大規模修繕の参考にしていただけるものと期待しています」と挨拶した後、基調報告・パネルディスカッションを行いました。

管理組合の運営状況は、国土交通省の標準管理規約に準拠した規約を持っている管理組合は21%に留まり、役員の任期が1年で、報酬を払っていない組合が7割を超え、管理のノウハウが引き継がれていない実態が明らかになっています。
修繕積立金は、ほとんどの管理組合が「ある」と答え、その積立額も増加しつつありますが、その1戸当たり平均残金額は37万円程度で、まだ不足している状況です。修繕積立金の管理は、まだ預金口座が管理会社の名義になっているものがあり、通帳と印鑑を役員一人が保管している管理組合もあります。
大規模修繕の内容は、屋上防水が築後10年くらい、鉄部塗装は3年後、給排水工事は15年後くらいに実施されています。工事費用は、100戸規模程度で6000万円くらいです。建物診断を実施したのは7割を超えています。
工事資金の調達は、修繕積立金が8割で、修繕積立金だけで修繕費用をまかなえたのは44割。長期修繕計画を作成している管理組合は8割に達する一方、作成していない管理組合が14%ありました。
修繕工事に当たっての障害は、「資金不足」が多く、修繕時期を遅らせる理由になっています。修繕工事の検討開始から工事開始までの期間は平均16.9か月かけており、5割以上の組合がコンサルタントに相談しています。次回の大規模修繕への教訓は「適切な長期修繕計画を立てて、区分所有者に大規模修繕の必要性を知らせておく」が8割を超えていました。
また、今年8月にマンション管理適正化法が施行され、管理会社の登録制度と管理組合の相談に応じるマンション管理士の制度が設けられました。
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