専用使用権とは?

マンションの敷地や建物には「専有」「専用」「共有」「共用」の区別がありますが、今回はその中の「専用使用権」についてお話します。

Q
専用使用権とはどのようなことでしょうか?
A
共有敷地・共用部分の一部を特定の区分所有者が独占的に使用できる権利が、「専用使用権」です。
 たとえば、
1.共用部分とされているバルコニーやルーフバルコニーを そこに接続する住戸の居住者が独占的に利用するケース
2.共有敷地の駐車場や一階住戸の庭などを利用するケースなどに発生します。
1や2についてはあくまでも共有部分であるため、その利用については制限がつくことになり、有料となるケースが多いようです。マンションの維持管理をスムーズに行うために、専用使用権を認めた箇所については、管理規約で明記しておくことが望ましいでしょう。

<解説>
●専用使用権そのものに問題があるわけではありませんが、共有敷地の駐車場にこの権利を設定して分譲しているマンションでは、さまざまなトラブルが生じています。そこで建設省(現国土交通省)は昭和54年、「分譲業者が共有敷地等に専用使用権を設定してその使用料を得る等の例は、現在少なくなっているが、取引の形態としては好ましくないので、原則として、このような方法は避けること。」という通達を出しました。
●平成9年に改正された標準管理規約でも、バルコニーなどについては専用使用権を明記する(規約14条1項)一方で、駐車場についてはこの表現自体を取りやめています。
バルコニー等の専用使用権について標準管理規約では、次の様に明記されています。
第14条
区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭及び屋上テラス(以下この条、第21条第1項及び別表第4において「バルコニー等」という)について、同表に掲げるとおり、専用使用権を有することを承諾する。
2
一階に面する庭について専用使用権を有している者は、別に定めるところにより、管理組合に専用使用料を納入しなければならない。
3
区分所有者から専有部分の貸与を受けた者は、その区分所有者が専用使用権を有しているバルコニー等を使用することができる。
別表第4


《コメント》
1
バルコニー等については、専有部分と一体として取扱うのが妥当であるため、専用使用権について定めたものである。
2
工作物設置の禁止、外観変更の禁止等は、使用細則で物件ごとに言及するものとする。
3
バルコニー及び屋上テラスがすべての住戸に付属しているのではない場合には、別途専用使用料の徴収について規定することもできる。

理事会の運営

理事会をスムーズに運営するためのポイントに、管理組合の書類の扱いや記録の取り方があります。今回はこの問題をクローズアップしました。

Q
管理組合の書類や記録は何をどう残して管理すればいいか?
A
管理組合の書類のなかには、後日の証拠や記録のために保存が必要なものがあります。役員が毎年交代している管理組合も、少なくありません。新しい役員や区分所有者が、管理組合の状況を正確に知ることができるよう、日頃から整理し、保管しておかなければなりません。基本的な要点は以下のようなことです。
1. 保管する書類の基準をつくる
2.永久保存が必要な書類かどうかを検討する
3.保管場所をどこにするか
4.議決記録・金銭収支記録は最重要書類

<解説>
1.保管する書類の基準をつくる
 保存が必要な書類とそうでない書類を分類するための基準をつくります。また、保存する書類については、内容によって何年間保存するかを判断できるような基準もつくります。
2.永久保存が必要な書類かどうかを検討する
 保存書類の中でも、大規模修繕工事などの建物の維持保全のための工事記録は、とても大切です。細かいものもできる限り保存しておくと、次回の修繕計画のときに役立ちます。
 理事会、各種委員会、説明会、総会などの記録も永久保存が望ましいでしょう。将来訴訟になった場合、証拠書類となるような記録文書は特に注意が必要です。
3.保管場所をどこにするか
 文書保管のためのロッカーなどを用意し、管理員室などの共用部分に保存しましょう。理事長などの個人の住戸
内に保管するのはあまり好ましくありません。保管スペースがない場合は、管理会社と相談してみましょう。
4.議決記録・金銭収支記録は最重要書類
 理事の任期交替などの場合、何をどう引き継ぐかはそれぞれの管理組合の事情によって異なりますが、議決に関する文書、お金に関する文書は、管理組合にとっての最 重要書類であり、きちんと時間をかけてしっかりと引き継ぐようにしましょう。また工事保証書は、保管するだけでなく保証期間についても必ず引き継ぎの時に確認すべきです。

Q
理事会の議事録も総会の議事録と同じように残しておくべきか?
A
まず管理規約を調べてみてください。一般的には、標準管理規約第51条に準じて、理事会議事録の作成を義務づけているケースが多いはずです。そして、「議長(理事長)、書記、他の一名で記名押印し、組合員を限定して閲覧することができる」と定められているのが通常です。
総会議事録と違って、理事会議事録は法的に作成を義務づけられているものではありませんが、仮に管理規約に記載がなくても、大事な問題を話し合う理事会の内容は記録し、残しておくのが常識と言えるでしょう。

<解説>
●保管場所については、「建物内の見やすい場所に掲示しなければならない」と管理規約で規定しているマンションが多いようです。
●保存期間については、内容によって、たとえば区分所有 者を無期限に拘束することの根拠になる議事録なら永久保存扱いしなければいけないでしょうし、相当期間保存した後で廃棄してよいものもあるでしょう。
●組合員が理事会の議事録を見せて欲しいというのは当然 の権利。区分所有法で規定していないので保存していなくてもいいようなものですが、「議事録は残していない」となれば、理事会が本当に開かれているのか、真面目な 話し合いが行われているかなど、組合員が理事会への不信を募らせ、組合運営がぎくしゃくする可能性もあります。

<実例>
●しっかりとした管理組合では、「理事会だより」などを発行し、理事会で話し合われたことを組合員に報告しています。こうすることで理事会の意志が組合員に伝わりやすくなり、合意形成がしやすくなります。

総会の運営について〈上〉

総会運営のポイントをご紹介します。

Q
総会の招集はどのようにすればいいですか?
A
 管理組合の総会は、少なくても毎年1回開く管理者(一般的には理事長)が区分所有者全員に呼びかけて開催しますが、これは少なくとも集会日の1週間前に会議の主な事項を明示して通知しなければなりません。しかし昨今のように共働き家庭が増えたり、居住していない区分所有者がいる状況では、もっと早めに通知したほうが得策です。
 通知内容の主な事項としては、総会の日時・場所・議案の内容を明記します。この議案については、議案書の作成が必要ですが、同時に区分所有者全員から出欠の返事(欠席の場合は委任状)をもらい、返事が集まらないときは事前に督促をします。
 議案書の作成が間に合わない場合は、まず議題だけを前もって通知し、区分所有法(法35条)が定める1週間前までに議案書を提出してもいいでしょう。ただ、居住していない区分所有者らには、委任状を郵送してもらうことが多いので、開催の2週間前には議案書、委任状(代理人選任通知書)、議決権行使書、出欠確認書なども添えて通知しておくことです。
<ワンポイントアドバイス>
 総会を欠席する場合は、代理人を選び、その人に議決権を委任することになりますが、最初から委任状の代理人の欄に理事長や議長と記載されているケースが少なくありません。できればそのような書式は避け、代理人の資格を管理規約で定め、自由に選べるようにした方がいいでしょう。資格の例としては「家族ら組合員と同居する者」「他の組合員か、またはその同居人」「賃借人ら組合員の住戸を借り受けた者」などが考えられます。

Q
その“議決権”というのは、どういうものですか?
A
規約に別の定めがないかぎり、専有部分の床面積の割合による持ち分を「議決権」としています(法38条・14条)。区分所有法では、総会の決議はすべて区分所有者の数と議決権の両方の基準で行い、両方の基準で可決した場合のみ有効であるとしています(法39条1項)。それは、各戸の専有面積にかなりのばらつきがあったり、一人で複数住戸を所有していたり、逆に数人で一つの住戸を共有していたりで、区分所有者の数とそれぞれの共有持ち分の割合が一致していない場合、両方の基準で決議しないと公平性が保てないという考えに基づいているからです。

Q
ところで、総会の出席者が少ない場合はどのようにしたらいいですか?
A
 即効的な得策はありませんが、日常的に管理組合の業務や維持保全の現状について広報活動し、管理組合員としての意識を高めることです。また、自治会のような組織で居住者同士の親睦ができるような楽しい行事を管理組合活動と併せて行うといいでしょう。
 居住者間に親密なコミュニケーションがあると、会にも出席しやすくなるはずです。
(次回は総会議事録の作成や総会の設立要件および議事の決定方法などを取り上げます)

総会の運営について〈下〉

総会の議事の決定方法や議事録について紹介します。

Q
入居してずいぶん経つのに、まだ1回も総会が開かれないのですが・・・。
A
 区分所有法では、毎年1回以上管理組合の総会を招集しなければならない(区分所有法34条2項)〈以下「法」という〉とされており、1年以上も総会が開かれないとなれば違法になります。参考までに、標準管理規約第40条では「理事会は、通常総会を毎年1回、新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければならない」となっています。それは、前年度の会計報告、業務報告を行い、新年度の予算案および業務計画案を決議しなければならないからです。
理事会に招集してもらうように呼びかけるか、区分所有者および議決権の各1/5以上の同意を集めれば、会議の目的を示して定例の総会以外に臨時総会の招集を請求することもできます(標準管理規約42条)。

Q
その招集は役員でなくてもできますか?
A
 原則として、区分所有者および議決権の各1/5以上の賛成があれば、管理者(一般的に理事長)に総会の招集を請求できます(法34条3項)。その請求から2週間以内に、管理者が4週間以内の開催予定日を指定して総会招集の通知を行わない場合、総会の招集を請求した区分所有者が総会を招集できます(法34条4項)。

Q
総会の成立要件および議事の決定方法は?
A
区分所有法では総会の成立要件については特に定められていませんが、標準管理規約45条では総議決権の半数を超える組合員の出席が総会成立の条件とされており、それに準じた内容が管理規約に盛り込まれているマンションが多いと思われます。なお、ここでいう総議決権の半数とは、書面や代理人による議決権の行使も出席とみなします。議事の決定方法は、基本的に区分所有者および議決権の各1/2以上の賛成で決定する「普通決議事項」と、区分所有者および議決権の各3/4以上の賛成が必要な「特別決議事項=下記参照=」があります。また、区分所有者全員の書面による合意は、総会の決議とみなされます(法45条)。

<特別決議事項とは>
● 区分所有者および議決権の各3/4以上の賛成による特別決議を必要とする重要事項
  • 共用部分の変更(改良を目的とし、かつ著しく多額な費用を要しないものを除く)
  • 区分所有者の共有に属する敷地または付属施設の変更
  • 規約の設定・変更・廃止
  • 管理組合の法人化とその解散
  • 義務違反者(建物の保存に有害な行為、区分所有者の共同の利益に反する行為をした者)に対する専有部分の使用禁止請求
  • 義務違反者に対する区分所有権と敷地利用権の競売請求
  • 義務違反者の占有者に対する使用差し止めまたは契約解除および引き渡し請求
  • 建物価格の1/2を超える部分が滅失した場合(大規模滅失)の共用部分の復旧工事
  • 団地内の区分所有建物について団地の規約を定めることについの各棟の承認
上記以外でも、必要があれば管理規約に定めることができます。
● 区分所有者および議決権の各3/4以上の賛成による特別決議を必要とする重要事項
  • 建て替え

Q
総会議事録はどのように作成したらいいのでしょう?
A
総会の議事については、議長が議事録を作成しなければなりません(法42条1項)。議事録には、議事の経過の要領(開会、議題、議案、討議内容、評決方法および閉会など)と、その結果(評決の結果)を記載します。そして、議長と総会に出席した組合員2名が、その記載内容に間違いや抜けがないかを確認し、署名押印を行います(法42条2項・規約48条2項)。もし議事録を作成しなかったり、記載すべき事項を記載していなかったり、また虚偽の記載を行っていた場合は、理事長や議長、理事などが10万円以下の罰金に処せられます(法69条3号)。ちなみに議長は、区分所有法41条で「集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長になる」と定めています。

”滞納”管理費・修繕積立金の督促・回収方法は?

Q
管理費や修繕積立金を滞納している方への督促手順を教えてください。
A
まずは管理委託契約にしたがって、管理会社が口頭やハガキなどによる督促を行います。それでも滞納金を支払わない場合は、管理組合役員が滞納者に滞納理由や支払い意思の確認を行います。支払う意思はあるが支払えない場合は、分割払いなどを協議する。支払い意思がない場合は、一般的に以下の手順で督促・回収を行うことになります。

1.管理組合の名前で内容証明郵便を発送する
 これは「管理費等を支払いなさい」という催告を意味するもの。文書の作成は、管理会社に依頼してもいいでしょう。切手代は、1,000円強ぐらい。理事長の名前はあえて出す必要はありません。

2.代理人の弁護士名で内容証明郵便を発送する
 1でダメなら、弁護士に依頼することになります。この段階で回収が可能になるケースはかなり多いようです。弁護士に依頼した場合の内容証明郵便1通の発送手数料は、報酬基準では5万円が基本です。(実際は、請求する額に応じて増減されます。)ただし滞納者が支払いに応じず、弁護士との間で交渉が始まると、追加費用が発生します。この費用については、あらかじめ管理組合として、よく話し合っておくことが大切です。

3.簡易裁判所に支払い督促の申し立てをする
 申し立ては、滞納者の重処置を管轄する簡易裁判所で行います。このメリットは、裁判所に納める印紙代が低額(3,000円くらい)であることと、書類も弁護士に依頼しなくても、窓口の指示に従えば簡単に作成することができることです。一方デメリットは、債務者からも簡単に異義が出せること。異義が出されれば、その簡易裁判所に訴訟を提起しなければ、それ以上事態は進展しません。

4.簡易裁判所で少額訴訟を起こす
 60万円以下の金額であれば、簡易裁判所で即日判決の手続きが取れるこの方法の方が3より有効とも言えます。諸状は、簡易裁判所の窓口にある定型用紙に書き込むだけで簡単に作成できます。その後、審理の期日に理事長と、証人となる管理会社の担当者か会計担当の理事が出頭すると、原則として判決が即日言い渡されます。ただし、滞納者が最初の期日において弁論をするまでに、通常の訴訟に移ることを求めた場合は、通常の訴訟に移ることになります。

5.通常の訴訟を起こす
 少額訴訟が適用されないときは、通常の訴訟の手続きに入ります。これに関しては、弁護士に依頼するほうがよいでしょう。
●請求訴訟を起こすには、管理組合の総会で相手方を特定した議案を事前にはかって、区分所有者および議決権の各1/2以上の賛成による決議をとっておきましょう。特に管理規約に理事会による訴訟提起の手続きを規定していない場合は、この手順を踏まえていないと後々のトラブルにもなりかねません。
●同じマンションに住む者同士でもあり、滞納の督促はしづらいものですが、回収を先送りし、既成事実化させないことが何よりも大切です。滞納額がかさんでくると回収がますますむずかしくなるし、もともとの支払い時期から5年が経つと、滞納管理費は時効となるのが一般的だからです。(民法167条)

NO.23 北区・ローレルハイツ北天満管理組合

管理組合の熱意と自治会との連携で
快適・安全なマンションライフを実現

 「ローレルハイツ北天満」は地下鉄扇町駅及び天神橋筋六丁目駅・JR天満駅から徒歩5 分のところに建つ、今年3月で築33 年を迎える総戸数1,342 戸の大型分譲マンションです。
 今回は大規模マンションならではの様々な困難を乗越えて快適で活気ある居住環境を実現されている同管理組合を訪れ、管理運営の様々な工夫やノウハウをお聞きしました。

● 充実した歴史を物語る、清潔なたたずまい

 賑やかな天神橋筋界隈の中でもひときわ活気にあふれた商店街を抜けると、目の前に「ローレルハイツ北天満」のランドマークであるノウゼンカズラをあしらった正面のアーチがお出迎え。アーチをくぐり抜け、さっそくマンション内の一室で管理組合の井上憲夫理事長と奥村憲嘉自治会長にお話を伺いました。
 マンションに入って最初に気がつくのは、エントランスや階段部分などの共用部分がきれいに清掃されていることです。そのためか、築年数の割に古さを感じさせず、建物全体が清潔で落ち着いたたたずまいを保っているのです。理事長によれば、「そうでしょう。清掃がきちんと行き届いているのが、うちの自慢です。
 今の管理会社はマンション管理の経歴は十分でなかったのですが、管理組合の要望を聞いて業務を行うことを条件に、組合で育てていこうということで決めました」とのこと。日常の徹底的な清掃業務もその条件の一つだったそうで、階段やエレベーターホールの隅々にまで丁寧にワックスがかけられ、ガラスもきれいに磨かれているのは、そういうわけだったのかと納得。このマンションを見ると、マンションの資産価値には" 美観の維持" という要素が大きな役割を果たしていることが実感できます。

● 理事には、本気で取り組んでくれる人を!

 最近はどのマンションでも積極的に組合に関わろうという人が少なく、理事のなり手不足に頭を痛めているのが実状です。そんな中で、ローレルハイツ北天満では、よくある輪番制などではなく、現在も立候補・推薦制で理事を選出しています。その理由や選出方法について伺うと、「理事には、仕方なくでなく、熱心に取り組んでくれる人になってほしいですから、普段から、総会や委員会などでよく質問や発言をされる人やお正月の餅つき大会などの行事で積極的に動いてくれる人に目配りをしておいて、あの人ならやってくれそうだと思ったら、役員選出のための選挙管理委員会からそういう方にお願いするわけです。特に要望をよく出される方には、中に入って意見を通してもらうよう説得したりします。
今までは、こうしたやり方で大抵うまくいっていましたね。大規模マンションだけに、意見がまとまりにくいという難点もありますが、専門的な知識をもつ職業に携わる優秀な人材も多いですから」と理事長。それでも住民の高齢化と共に、理事のなり手も減少しつつあるようで、今後はそのあたりの対策も必要になってくるのではと危惧されています。

● 自治会と連携してコミュニティ活動を展開

 ローレルハイツ北天満には、集まる管理費等も多いという大規模マンションならではのメリットを活かし、フットサルが楽しめるサッカー場、ロータリードラムを3 台備えた集塵機室、3 ヵ所の集会所といった他ではあまりお目にかかれない立派な施設があります。集会所を有効利用したカラオケ、茶・華道、囲碁・将棋、ストレッチ、パソコンなど趣味・特技を活かしたサークル活動も盛んです。また、自治会とも協力して、天神祭りへ参加したり、ハイキング、カーニバル、日帰りバスツアー、もちつき大会、子供クリスマス会など多彩なイベントを開催しています。「各担当の部会や委員会のメンバーは準備が大変ですが、当日は多くの住民にボランティアとして協力してもらうなど無理なくみんなが楽しめるように色々工夫しています」と自治会長。ローレルハイツ北天満の場合、こうしたコミュニティ活動に自治会が積極的に関わっているのが大きな特長です。
 管理組合は共有財産の維持のため、自治会は主に居住者相互の親睦のためと、目的は違いますが、主に管理組合はハード面、自治会はソフト面を担当しつつ連携して活気あるコミュニティづくりをめざす相互協力のあり方は、他の管理組合の皆さんにも大いに参考になるのではないでしょうか。

● ローレルハイツ北天満を心のふるさとに!

築30 年目に当たる一昨年には2 回目の大規模修繕を実施し、引き続き昨年秋には腐蝕の進んだ台所流し排水竪管を新しい耐火性硬質ポリ塩化ビニル管に取り替えるなど、修繕計画にも抜かりはありません。また、住民の40%が65歳以上という現状に配慮して、各棟出入口にスロープ、階段・エレベーターに手すりを設置。その他、一人暮らしの高齢者や高齢者夫婦を対象に毎日定時にインターホンで通話することで安否確認を行う「ふれあいネットワーク」や、65 歳以上の方を対象に食事会やウォーキングなどを実施する「いきゆうクラブ」の活動もすべて住民の有志によるボランティアによって運営されています。さらに災害対策として専用の備蓄倉庫に全1,342 戸3 日分(1 家族平均3 名換算)の飲料水と米・乾パンなどの食料のほか、様々な防災用品を備蓄。年2 回行う防災訓練には毎回100 名ほどが参加し、訓練終了後は、賞味期限間近のアルファ米での炊き出し訓練と試食をかねて懇親会を開催するなど、訓練にも楽しさを加えるようにしています。最近では、親子二代にわたって住む居住者も増え、地域最大のイベントである夏の天神祭りには、幼少時をここで過ごし今は遠くで生活している若い人たちが里帰りして家族や昔の仲間と一緒にお祭りを楽しむといったうれしい話もよく聞かれるようになり、長い歴史を持つマンションならではの良さが見直されています。マンション管理への関心はもとより、自分たちのマンションをより良いものにしていきたいというモチベーションの高い居住者の方々にとって、「ローレルハイツ北天満」はこれからも大切な" 心のふるさと" となっていくでしょう。
マンション概要 所在地:大阪市北区池田町1番
建築年 1979年
(築33年)
構造・規模 SRC造・14階建
(1号棟・2号棟)
棟数・戸数 2棟・1342戸
戸当り専有面積 78m2/戸
駐車場台数 219台(来客用17台)
駐輪場台数 1320台(来客用30台)
役員体制
役員任期 1年
役員数  13人
選出方法 立候補・推薦制
理事会 1回/月
総会 1回/年

NO.22 城東区・タイムズ・ピース・スクエア管理組合

専門家の力を上手に利用して、
住民間のコミュニティ形成

必要だと分かっていても、難しいのがマンション内でのコミュニケーション形成です。 タイムズ・ピース・スクエア管理組合は、その大切な課題に入居した段階から取り組 み、夏祭りなど多数のイベントを通じて見事に成功しています。

● 1000戸の大規模マンションが出現

地下鉄長堀鶴見緑地線・今里筋線の蒲生四丁目駅から徒歩5分、京阪本線野江駅から徒歩7分のところにあるタイムズ・ピース・スクエアは、甲子園球場の約2倍の広大な敷地に建つ3棟・総戸数1000戸の大規模マンションです。
2年前の2007年にA棟の367戸、1年前にB棟の427戸、今年3月にC棟の206戸が完成。敷地内には、体育館のあるスポーツアリーナ、コミュニティハウス、保育園、たんぼ、花壇、キッチンパーティルーム、ゲストルーム、900台分の自走式駐車場、サイクルポートなどが揃っており、かなりの充実ぶり。ちなみに入居者の中心は、小学生以下のお子さんがおられる30歳代のファミリー層です

● 4つの倶楽部と9つのサークル活動

▲紙芝居に子どもたちも嬉しそう このマンションのユニークな点は、管理組合の下部組織として「TPSクラブ」というコミュニティ活動を目的とした組織が入居時からあることで、こうした例は極めて稀です。TPSクラブの中には、キッズ&シニア倶楽部、グリーン美化倶楽部、たんぼ倶楽部、イベント倶楽部の4つがあり、それぞれ活発な活動を行っています。
TPSクラブは全戸加入で、1住戸について月500円を負担してもらい、クラブの運営費用に当てています。さらに外部の専門業者の方が、街コーディネーターとして常駐。クラブの運営面のサポートや、コミュニティ形成のきっかけづくりを行っています。この他にも、バレーボール、太極拳、空手、キッズダンスなど9つのサークル活動がすでに誕生しています。

コミュニティ活動をしたいけど、どうしていいか分からない管理組合が多い中で、イベント運営の専門家を最初から組み込み、うまく活用しているケースと言えるかもしれません。

● 田植えや、地域を巻き込んだ夏祭り

多彩なイベントの中で、2つピックアップしてみましょう。
一つは、たんぼクラブです。マンションの敷地内にたんぼがあるのは、日本でもたぶんここだけ。土づくりから始め、6月7日に行われた田植えには、多くの方が参加し ました。収穫の後は、1000個のおにぎりを作る予定です。「たんぼがあると和みますね」と近所の人も嬉しそうです。稲の生長を通じて、子どもたちは多くのことを学ぶ こともできます。



もう一つは、イベントクラブが中心になって行う夏祭りです。住民ばかりでなく、近隣地域のみなさんも祭りに参加・協力。今年は3000人近くの人で盛り上がりました。「夏祭りを通じて地域の人ともコミュニケーションでき、地域の活性化にも役立つことができした」と入居時からTPSクラブ委員長を続けている亀井達哉さんは満足そうです。夏祭りのボランティアを募集したところ、昨年は30名ほどでしたが、今年は100名以上集まりました。「徐々にですが、確実にコミュニティが広がりつつあることを実感しています」。

● 揃いのTシャツで、一体感が生まれます

▲紙芝居に子どもたちも嬉しそう 「私がTPSクラブの委員長を引き受けたのは、クラブを通じて人と人をつなぐことができれば、という思いがあったからです。活動を初めて3年目に入り、住民同士が仲良く立ち話をしている姿を見かけるようになりました。子どもはすぐに仲良くなれる、お母さんも子どもを介してつながりができる。でも、お父さんのつながりはなかなかできませんが、イベントを通してつながりができます。イベントのボランティアで揃いのTシャツを着ることだけでも、一体感が生まれますからね。住民同士が知り合いになると、知らない人がいれば分かりますので、防犯上でもメリットがあると思います」と亀井さん。

団地管理組合理事長の加藤彰彦さんも、「若い人はイベントに無関心だと思われがちですが、声をかけると案外参加してくれますね。うちのマンションでは、シニア層は多くありませんが、今後は高齢の方のまきこみ方を考えていくつもりです」とコミュニティ形成にさらに力を入れていく考えです。

4つの倶楽部と主な活動
倶楽部 主な活動
キッズ&シニア倶楽部 紙芝居と昔遊びを実施。お手玉、めんこ、あやとりなどを 年配の方から、教えてもらい子どもとの交流の機会をつくる。
グリーン美化倶楽部 ガーデニング愛好家の人の集まり。居住者専用花壇の 植え替えの内容も自分たちで決めていく。
たんぼ倶楽部 専門家のアドバイスで、田植えから、草取り、稲刈、稲干、脱穀まで農業体験。
イベント倶楽部 年2回の大きなイベント(夏祭り、クリスマス)の 企画・運営。実行委員会を立ち上げてイベントを実施。
マンション概要所在地:大阪市城東区今福西
建築年 2007~2009年
(築年数0~2年)
構造・規模 RC造・15階建、19階建
棟数・戸数 3棟・1000戸 戸当り専有面積 70~100m2/戸
駐車場台数 900台 駐輪場台数 2000台
付属施設 集会室、管理員室、
体育館、ゲストルーム、
キッチンルーム、
シアタールーム
付属設備 オートロック、
監視カメラ、
インターネット
役員体制
役員任期 1年 役員数 12人
選出方法 輪番制 理事会 1回/月
総会 1回/年 各種委員会の設置 自転車問題委員会

NO.21 平野区・長吉コーポ管理組合

多彩なコミュニケーション活動を通じて
老朽化と住民の高齢化にも対応

地下鉄谷町線・長吉駅から徒歩7分。住宅地にある長吉コーポは、1980年に建てられたマンション。2度目の大規模修繕工事を終えたばかりの管理組合は、イベント開催などを通して住民同士のコミュニケーションを深めています。

● 毎年盛り上がる納涼祭

長吉コーポは、5階建て(一部4階建て)の2棟・121戸。
2棟の間を進むと駐車場があり、その奥にあるプレイロットにはベンチが置かれ、桜が咲き始めていました。集会室と管理人室がすぐ横にあり、このプレイロットと集会室が、長吉コーポ管理組合活動と住民同士のコミュニケーションの場だとわかります。
 昨年は大規模修繕工事のため中止になりましたが、毎年6月に草取り、8月に納涼祭を開催しています。とくに納涼祭は、色の付いた電球をぶら下げ、くじ引きやビンゴゲームを楽しんだり、子ども向けにはヨーヨー釣りなどが大人気だとか。「家族ぐるみで、住民の70%くらいが参加しますね」と吉岡理事長。

● お互いの顔を見て安全を確認しよう!

 築29年目の昨年、2回目の大規模修繕工事を実施。 外壁塗装の他、廊下、階段、ベランダに塩ビシートを敷きました。築年数が進むと、建物の老朽化の他に、住民の高年齢化の問題も起きてきます。長吉コーポでも、帯主の60%は60歳以上。さらに、一人暮らしの高齢者も増えています。 階段の手すりは15年ほど前に設置。「回覧板も、ドアポストに挟んでおしまいではなく、必ずインターホンを押して、お互いの顔を見て安全を確認し合いましょうと、広報誌でも呼びかけています」(吉岡理事長)

● コミュニケーションを深めるために

実は、同管理組合の強みは、ほとんどの住民が顔なじみであること、そしてイベント出席率が高いこと。大規模修繕工事でサツキやツツジが傷んだため、100本の苗を用意して、補植作業の手伝いを呼びかけたところ、若い人も含めて20人ほど集まり、2日かかると思っていたら、わずか1時間で終わってしまい、人海戦術の威力を実感したそうです。また、世代間コミュニケーションを深める意味でも有意義だったそうで、今後このコミュニケーションを更に深めていきたいと考えているそうです。
 「今後は、高齢者向けに、茶話会やパソコン教室の開催を考えています。パソコン教室では、お孫さんの写真を取りこんだり、アルバムをつくったりできればいいかなと‥」。この他にも、集会室の有効利用をもっと考えていきたいと、吉岡理事長は様々なイベントを計画中です。
マンション概要所在地:大阪市平野区長吉出戸
建築年 1980年
(築年数12年)
構造・規模 RC造・5階建(一部4階建)
棟数・戸数 2棟・121戸 戸当り専有面積 67.92~95.98m2/戸
駐車場台数 47台 駐輪場台数 220台
付属施設 集会室、管理員室 付属設備 プレイロット
役員体制
役員任期 2年 役員数 14人
選出方法 輪番制 理事会 1回/月
総会 1回/年 各種委員会の設置 無(昨年度は、大改修検討委員会)

NO.20 阿倍野区・アルス帝塚山管理組合

徹底したガラス張りの運営により
大規模修繕工事をスムーズに進める

閑静な住宅街にあるアルス帝塚山。前身は昭和42年に入居が始まった大阪市住宅供給公社の分譲マンションですが、平成8年に建替えを行い、住戸戸数は68戸から90戸に増えました。そして平成20年3月から大規模修繕工事を開始(同年6月工事完了予定)。建替え経験のある アルス帝塚山管理組合のスムーズな運営ぶりをご紹介します。

● 水漏れ事故が、工事への決断を早める

 平成20年3月から大規模修繕工事を開始したアルス帝塚山管理組合ですが、工事に至るまでの手順は以下の通りです。3年前に修繕準備委員会を立ち上げ、住民アンケート等を実施。そして2年前に正式に修繕委員会を立ち上げてコンサルタントを選定。昨年5月の総会でコンサルタントを承認してから本格的に活動開始。設計仕様書をつくり、施工業者を選び、大規模修繕工事に着工しました。
「13年ぐらい持つのではないか」という意見もあった中で、10年目に工事を行うことに踏み切ったのは、屋上防水工事の10年保証が切れる直前に水漏れ事故が発生したのがきっかけでした。「水漏れの原因を追及するだけでも半年くらいかかりました。今後、保証が切れてから屋上等から水漏れがあると大きな出費になります。水漏れの件があって、早急に大規模修繕を実施すべし!との意見が多数を占めました」と白澤理事長は経緯を説明します。また、建替え前は大規模修繕をほとんど行わなかったことが、結果的に建替えを早める結果になったという、当時の反省も理由の1つだそうです。

● 公開プレゼンテーションを実施

 工事を漏れなくスムーズに進め、同時に施工費用を下することを決定。「住まい情報センターで入手した近畿圏のコンサルタントの情報をもとに、何社かに電話をして来ていただき、お話を伺った上で選ばせていただきました。おかげでとても助かりました」。
 そして肝心の施工業者は、業者との癒着等の疑いを少しでも持たれることがないように、推薦などではなく、公募で選びました。応募してきた10社から施工実績や規模等の公募基準をクリアしている5社に絞って見積書を出してもらい、その内3社に集会室で公開のプレゼンテーションをしてもらいました。現在の施工業者を選んだ決め手は、見積金額の安さと熱意でした。「1社1時間の持ち時間で説明してもらいましたが、スライドも使った詳しい説明で、決定権のある部長クラスの人も来られました。また、交通量調査を含めた事前調査もされるなど、その熱心さに心動かされました」。げるためにも必要だとの考えからコンサルタントを導入

● 改修をしながらグレードアップ

 工事内容は、共用部分の外壁、廊下、階段、バルコニー等の防水工事、塗装工事、改修工事、そして東側入口ドアを自動ドアに取り替える工事などです。改修をしながらグレードアップも図っています。工事の進捗状況は、施工業者が掲示板で知らせるほか、「洗濯物を干せない日」とか「バルコニーの片づけのお願い」など、居住者への案内は、掲示板と同時に案内チラシの戸別配布も行っています。「工事がスタートして今のところ大きな問題は起こっていません。おかげでスムーズにいっているように思います」。
 修繕委員会からタイル貼りマンションの方へのアドバイスを頂きました。「タイルの剥離状況をすべて確認するのは足場を組んでからでないと分かりません。でもタイルを焼くのに最短でも2 ヵ月くらいかかります。だから見込みで多めに発注しておくことをお勧めします。余ったタイルはストックしておけばいいので、無駄にはなりませんから」。

● 昔も今も、ガラス張りの運営を!

 修繕委員会の人たちが一番気をつけてきたのは、ガラス張りの運営です。施工業者の公開プレゼンもそのために他なりません。「みんなの大切なお金でやるわけですから。できるだけオープンにして、みんなに情報公開し、みんなの意見を聞きながら進めました」。
 今回の修繕委員会のメンバーは、建替え後に入居された方たちばかりなので、大規模修繕の委員として活動するのは初めてです。建替え時に委員会のメンバーだった津田さんは、「私たちも建替えのときに一番大事にしたのが、ガラス張りの運営でした。全てオープンにする方針が引き継がれていることを知って嬉しかったですね。それがここの管理組合の良さかもしれませんね」と話してくれました。
マンション概要所在地:大阪市阿倍野区帝塚山1-14-26
建築年 1996年
(築年数12年)
構造・規模 RC造・5階建
棟数・戸数 1棟・90戸 戸当り専有面積 56.28〜98.28m2/戸
駐車場台数 54台 駐輪場台数 123台
付属施設 集会室、管理員室 付属設備 オートロック、監視カメラ
役員体制
役員任期 2年 役員数 10人(半数改選)
選出方法 輪番制 理事会 1回/月
総会 1回/年 各種委員会の設置 有(修繕委員会)

NO.19 阿倍野区・あべのグラントゥール管理組合

快適性と安全性を徹底追及。
今後はコミュニケーションづくりに注力!

天王寺駅・阿倍野駅が徒歩圏内にある、あべのグラントゥールは、地上40階建てのタワーマンションです。管理組合の理事の方々に、快適性の維持、安全面の強化、コミュニケーションづくりの取り組みなどについて伺いました。

● マンションに、コンシェルジェ!?

 あべのグラントゥールを訪れると、40階の高さはもちろん、共用スペースの充実ぶりにも驚かされます。1階ロビーはホテル並の豪華さ。さらに付属施設として、一番利用の多いゲストルームをはじめ、会議室、キッズルーム、スタディルーム、AVルームなどがあり、付属設備には宅配ロッカーも完備しています。また、マンションでは珍しく、コンシェルジェと呼ばれる女性がいます。彼女は共用施設の利用受付、タクシーの手配、コピー、ファックスなど様々なサービスを行っています。「中には、無駄づかいだ、と言われる人もいましたが、今ではほとんどの人が満足しています。それに彼女は、住居人の顔を覚えていますから、犯罪抑止効果もあります」と理事長の三橋さんは説明します。
 

● 防犯カメラ増設で、安全面をさらに強化!

 タワーマンションで気になるのが安全面です。1階に防災センターを設置し、24時間365日監視員が常駐し、モニター監視、緊急連絡の対応などに当たります。さらに夜間午後10時から翌朝7時まではガードマンが棟内を巡回します。「入居時には防犯カメラが15、16台ほど設置されていましたが、丹念に見ると映っていない箇所がたくさんある。そこで防犯カメラを29台に増やしました。おかげで乱雑だったゴミ収集スペースが見違えるようにキレイになるなど、予想外の効果もありました」と理事の岩本さんは笑う。

● コミュニケーションづくりが今後の課題

 管理会社の選定には8〜9社からプレゼンテーションを受けた上で決めるなど、設立当初から自主的な運営と公平性を期してきた管理組合の今後の課題は、コミュニケーションづくりです。現在、エレベーターホールに掲示板を設けていますが、今後さらに広報活動に力を入れるため、広報担当理事とホームページ作成委員会の設置などを計画しています。また、今年1月には町会も発足。「管理組合の理事会に町会役員も出席しています。仕事は違っても目的は一緒。協力しあいながら運営していくつもりです」と話す町会役員の永崎さんは、今後実施する町会でのイベントを計画中です。

マンション概要 所在地:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-7-20
建築年 2004年
(築年数2.5年)
構造・規模 RC造・40階建
棟数・戸数 1棟・401戸 戸当り専有面積 62.18〜134.68m2/戸
駐車場台数 247台 駐輪場台数 602台
付属施設 集会室、管理員室など 付属設備 オートロック、監視カメラ、
インターネットなど
役員体制
役員任期 2年 役員数 12人
選出方法 輪番制・立候補制・その他 理事会 1回/月
総会 1回/年 各種委員会の設置 有(ペットクラブ)

NO.18 北区・グレーシィ天神橋管理組合

意識改革とルール遵守を促すため、
広報活動を徹底。住みやすさもアップ!

地下鉄天神橋筋六丁目駅から北へ徒歩5分のところにあるグレーシィ天神橋。 マンション内の共用スペースにはごみ一つなく、エレベーター内には落書きもありません。 実はここに至るまで地道な努力の積み重ねがありました。

● 毎月、広報紙を全戸に配布して啓蒙

 グレーシィ天神橋管理組合では、毎月発行する広報紙を掲示板に張り出すと同時に、縮小版を各戸に配布します。最新版(2007年1月号)は、「18年度の目標」のほか、「昨年度の理事会・委員会等の実績」「注意事項」などの項目が並んでいます。また、ゴミ分別、組合活動、理事会などのスケジュールなどが一目でわかるカレンダーもあります。心がけているのは、「組合活動の年間目標と情報開示をわかりやすく知らせること」と上條理事長は話しています。

● ホテル住まいとは違いますよ!

 同管理組合には、広報活動に力を入れる理由があります。「もともと等価交換のマンションで地権者所有の部屋が多く、その部屋を賃貸に出されているため、賃貸戸数比率が高いこともあり、マンション管理への関心が薄いという問題を抱えていました」。その結果、ペット飼育、騒音、ゴミ捨て、喫煙、共用部分に私物を置くなど、様々なルール違反が見過ごされてきました。
 そこで2年前に手がけたのが、住民の意識改革であり、ルールの徹底化でした。まず、管理規約を要約化し、住民として最低限度守るべきことをまとめた『居住者心得(新・旧所有者、賃貸者)』を作成し、全戸に配布。「管理規約を読んでいる人はほとんどいません。でも6枚くらいなら、読めるでしょう」。表紙の2番目には「マンション生活はホテルと違い、管理・運営は組合員が主体で行います」と書かれています。「ホテル住まい感覚の人が多かったということです」と平松監事。この『居住者心得』は、毎年全戸に配布される。「とにかく自分たちで管理・運営するという気持ちを持ってもらいたい」さらに、新たに入居する人は、ルールを守ることができる人だけにするため、不動産仲介業者に『新規購入又は賃借のご案内』(『居住者心得』より入居希望者に守ってほしいルールを抜粋)を渡すなど、ルールの徹底化を図っています。

● ルールを作って、迅速かつ柔軟に対応

 こうした努力の成果は?「いやあ、随分と住みやすくなりました。廊下にもゴミ一つ落ちていないでしょ」(上條理事長)。マンション内を案内されると、どこにもゴミはありません。さらに、壁も年1回の洗浄清掃を実施して以来、見違えるようにきれいになりました(写真参照)。「法律で縛るよりも、居住者の意識改革を促すルールを作る方が迅速かつ柔軟に対応できます。新しい問題が発生すれば、その点を補足すればいいのです。また、マニュアル化を図ることで、誰でもできるようにすることが大切。これからも地道な戦いを続けていきますよ」と決意を新たにされていました。

マンション概要 所在地:大阪市北区天神橋7-12-14
建築年 平成2年
(築年数17年)
構造・規模 RC・SRC造・14階建
(一部7階建)
棟数・戸数 1棟・80戸
(その他、施設部16戸)
戸当り専有面積 35〜100m2/戸
(平均60m2)
駐車場台数 32台 駐輪場台数 100台
付属施設 集会室、管理員室 付属設備 オートロック、監視カメラ
賃貸戸数 44戸(50〜60%)
役員体制
役員任期 2年 役員数 12人
選出方法 輪番制・立候補制 理事会 1回/月
総会 2回/年 各種委員会の設置 有(専門委員会)

NO.17 阿倍野区・あべのシャルム管理組合

様々な問題に迅速に対処。
細則を作成して徹底を図る。

地下鉄あべの駅から徒歩2分、JR・地下鉄天王寺駅からも徒歩10分という交通至便な立地にあるあべのシャルムの管理組合では、マンション内で起こる様々な問題に迅速に対処。一時駐車使用、入居者リスト、防犯カメラに関する細則を作成するほどの徹底ぶりには、驚かされるばかりです。

● 2つの管理会社に委託。さらに細分化の可能性も

 あべのシャルム管理組合の特徴の一つが、入居段階から事務と設備を分けて2社に委託管理をしている点です。石本理事長によれば「分譲者の推薦によるものでしたが、こういう例は少ないはず。私が気にしていたのは、2社になっていることで余分な経費がかかっているのではないかと感じられたことでした」。そこで、1社にする案も検討され、さまざまな形で情報収集したそうです。
  「管理組合費は、管理組合の理事長名義の口座にいったん入金され、そこから管理会社に払われるのが理想的です。ところがこのお金の流れを受け入れてくれる管理会社は、大手ですらありませんでした。だから結果的に現在は、当初のままに落ち着いています。むしろ、将来的には、設備の管理会社をさらに分けて個々に契約する方が、元請けを通さないから意思の疎通も図られ、経費的にも安くなる効果が見込まれるので、考えていきたいと思っています」。

● 一時駐車場使用細則

 次に同管理組合が、様々な問題に迅速かつ積極的に取り組んでいる具体的な事例を紹介しましょう。どのマンションも、来客の一時駐車に頭を悩ましておられます。幸い、あべのシャルムには、一時駐車用のスペースを確保できています。「以前は口頭申込みで利用していましたが、無断使用する人が出てきて問題が発生したため、一時駐車使用細則を決めました」(石本理事長)。細則には、対象車両、申込者の資格、申込書の提出・受付・選定、承認証の交付・取扱、一時駐車の方法、禁止事項、損害賠償及び原状回復などについて細かく規定されています。「おかげでトラブルはなくなりました。承認書はフロントガラス内に、外から分かるように掲示してもらいます。日祝日や正月など、管理人さんがいないときは、役員がやっていますよ」と笑う。

● 入居者リスト取扱い細則

 さらに入居者リストの細則を作ろうと石本理事長が考えたきっかけは2つありました。一つは、一人住まいの入居者の方が死亡され、身内の連絡先を探すのに右往左往したこと、そして昨年4月に個人情報保護法が成立したからです。リストの種類は、平時の連絡用と、事故・事件の発生など緊急時の連絡用の2種類。緊急用リストには、あべのシャルム以外に居住する縁故者の氏名・住所・連絡先も記入。指定の2重封筒に入れて、押印し、開封できないようにして、施錠できる収納保管。いざというときは、管理組合役員など2人以上の立ち合いで開封し、閲覧するように定められています。

● 防犯カメラ取扱い細則

 次の防犯カメラの場合、入居時に防犯カメラは1階エントランスに3台あっただけでした。「3台は少ない。それに周辺のマンションで車上荒らしが頻発していましたので、これでは駄目だ」と決意した石本理事長は、さらに20台を設置。プライバシー等の問題もあるため、収録画面の取扱などに付いての細則を決めました。「カメラを設置することで、防犯はもちろんマナー向上にも結びつきました。これには、管理組合役員一同、苦笑しています」。

● 同じエリアの理事長同士で情報交換

 ところで、同じ地域に建つ分譲マンションおよび商業ビルの管理組合の理事長で組織する「金塚再開発地区理事長会」がありますが、石本理事長も会員の一人として、年に4回、集まって情報交換を行っています。「建った年代も規模もそれぞれ違うため、いろいろと参考になります。例えば、うちは大規模修繕はまだですが、すでに済ませたマンションもあります。具体的な情報を聞くことができるのはありがたいですね」。他の地域にもおすすめしたい方法です。

マンション概要 所在地:大阪市阿倍野区旭町
建築年 平成11年(築年数7年) 構造・規模 SRC造・14階建
棟数・戸数 1棟・146戸
(その他、4戸)
戸当り専有面積 70.34〜96.44m2/戸
駐車場台数 94台 駐輪場台数 308台
付属施設 集会室、管理員室、プレイロット 付属設備 オートロック、監視カメラ、
インターネット、宅配ロッカー
役員体制
役員任期 2年(再任可) 役員数 10人
選出方法 立候補制
(来期より順番制も並立)
理事会 1回/月
総会 1回/年
(臨時総会1回/年 程度)
各種委員会の設置

NO.16 天王寺区・ルモン・夕陽丘学園坂管理組合

防犯モデルマンションに認定。
住民の安全と資産価値向上を図る。

地下鉄谷町線・四天王寺前夕陽ヶ丘駅近くの文教地区にあるルモン・夕陽丘学園坂は、平成17年8月に大阪府防犯協会連合会に、防犯モデルマンションの申請を行い、認定されました。防犯に取り組むマンションが多い中、防犯モデルマンションへの関心も高まっています。管理組合・池田副理事長に申請方法や審査のポイントなどについて伺いました。

● 防犯に強いマンション作りを臨時総会で合意

(写真) 「ここは竣工時から比較的多くの防犯カメラが設置されていましたが、防犯面について防犯設備士の方に相談したのがきっかけで、防犯カメラの死角や侵入手口となり得る箇所の存在など、防犯上のいくつかの問題が出てきました。そこで理事会で検討を重ね、防犯に強いマンション作りを進めていく上で採用したのが、防犯モデルマンション基準でした」と語るルモン・夕陽丘学園坂管理組合の池田副理事長。
(写真) 臨時総会で居住者全員の理解を得たうえで、管理会社の協力も得て、防犯強化マンションづくりに着手した。防犯カメラの効率的な配置、エレベーター内モニターの設置、照明回路の改善、忍び返しやセンサーライトの設置、デジタルレコーダーの増設などを段階的に実施。かかった総費用は100万円程度。そして昨年8月に申請して1カ月の短期間で防犯モデルマンションに認定されるほど基準を大きく上回るほどの防犯対策に成功した。

● まず申請すること。指摘後に工事をしても大丈夫!

(写真) 防犯モデルマンソションに関しては、「存在を聞いた事があるが、申請方法がわからない」という人が多いのが現状である。「私から提案としては、審査基準を全部揃えて申請するのもいいが、そうではなくて、中途半端でもいいから申請を上げることです。1級建築士と防犯設備士の2名の審査員が現地に来られて、ここはこうしてください、と指摘されます。それを聞いてから工事を発注する方がスムーズで効率が良いですよ」。

(写真) そして池田副理事長は、「大切なのは、既存のマンションを防犯モデルマンションにしていく過程の中で、防犯意識を高めていくこと。いくら設備が整っても、住民の防犯意識が低くては、効果は半減しますからね」と締めくくる。
(写真)
審査基準
(1)外部から侵入しにくい構造
(2)共用部分の見通しを確保した構造
(3)エレベーター内に防犯カメラ、非常通報装置
(4)駐車場等の明るさ確保などの防犯設備
(5)ピッキング等困難な鍵と補助錠の設置
※詳細は(社)大阪府防犯協会連合会のHP(http://www.daibouren.or.jp/)を参照
認定までの流れ
申請までの流れ
(写真)
申請後の流れ
(写真)
マンション概要 所在地:大阪市天王寺区生玉寺町
建築年 平成15年(築年数2年) 構造・規模 SRC造・15階建
棟数・戸数 1棟・56戸 戸当り専有面積 77〜101m2/戸
駐車場台数 36台 駐輪場台数 112台
付属施設 集会室、管理員室 付属設備 オートロック、監視カメラ、
インターネット、宅配ボックス
役員体制
役員任期 2年 役員数 7人
選出方法 輪番制・立候補制併用 理事会 1回/月
総会 2回/年
(臨時総会1回/年 程度)
各種委員会の設置
(アンケート委員会、
エントランス改善委員会、
植栽委員会、編集委員会、
防犯委員会)

NO.15 北区・扇町コーポ管理組合

違反自転車ゼロのピロティ。
美観維持に積極的に取り組む。

JR天満橋駅から南へ徒歩5分の市街地にある扇町コーポを訪れて、誰しも驚くのが、広いピロティに1台の自転車も見あ たらないことです。すっきりと気持ちが良いものですね。実はこれ、管理組合の理事の方々の努力の結晶ともいうべきもの。 成功談の中に他のマンションでも採用できる知恵とノウハウがぎっしりと詰まっています。

● 郵便受けの改修で痛感した管理組合運営の透明性確保の重要性

(写真) マンションの資産価値を下げないためには、美観の維持も大きな要素です。扇町コーポ管理組合がこの美観維持に積極的に取り組んだのが3〜4年前のこと。当時のメンバーが理事長の鳥山大樹さんと理事の方たちでした。手がけたのは、郵便受け、自転車、エレベーターの3つ。まず郵便受けの場合、割れたプレートやピンクチラシ防止用の貼紙などが景観を悪化。さらに郵便物の盗難があったこともあり、郵便受けの交換改修工事を実施。壁面から出ていたタイプから壁面と同じ面になるようにし、盗難防止と宅配便にも対応できるタイプに変えました。「しかし総会にかけずに進めて問題になりました。結局、臨時総会で事後承諾をいただきましたが、進め方の順序と透明性の確保の重要性を痛感しました」と鳥山さん。

● 駐輪機をスライド式に変え、有料制を導入

(写真) 次に手がけたのが駐輪問題でした。「きれいなピロティに無差別に自転車が置かれている。これは何とかしたいと思って自転車のプロジェクトチームを作りました」。ちょうど2段式の駐輪機が老朽化してきたのと、子どもや高齢者には使いにくかったので、この際、駐輪設備を変えようと、今の軽くて操作性の良いスライド式を採用。台数は、160台から144台に減りましたが、全体の戸数が81戸なので、1戸あたり2台弱の自転車が登録可能です。さらに鳥山さんたちは、この自転車を有料制にしました。料金は、年間で自転車が1200円〜3000円、バイク(400cc未満)で1万5000円〜3万円。この有料制の導入は、台数制限を図るのに効果があり、同時に、修繕積立金にも貢献しているそうです。

● ポスターや警告札を作り、マナー向上に取り組む

(写真) 同時に取り組んだのがマナー面です。登録自転車には認定シールを貼り、駐輪場以外には置かないルールを徹底。「扇町コーポ・駐輪マナー向上GUIDE」を作って各戸に配布した他、プロのデザイナーである鳥山さん自身が作成したポスターを駐輪場に貼り出しました。さらにユニークなのが、警告札を作成。違反自転車にくくり付けて注意を促しました。警告札の内容は、「シールを貼っていない自転車は撤去します」「あなたは違反駐車をしています」「無断駐輪です。1週間後に撤去処分します」……etc。「最初が肝心なので、スタートさせた日から1回で勝負しようと、朝からピロティに張りついて、違反自転車があればすぐに駐輪場に入れました。そのおかげで、ピロティから自転車の姿が見事に消えました」。

● 住民参加の公開プレゼンテーションを実施

(写真) そして3つ目はエレベーターでした。「エレベーターは快適環境の入口であり、社交場だと位置づけて、プロジェクトを発足させ、他のマンションのエレベーターを見に行ったり、業者の方に来てもらい、見積もりをとりました」。各社の提案内容が違い、見積額も40万円〜240万円の大きな開きがありました。そこで透明性を図るために、居住者の方にも集まってもらい、公開プレゼンテーションを実施。「堅牢性」「値段」「メンテ」などに分けて採点。こうした住民参加のもとに、傷の付かないセラミックタイル仕様の内装に決定。さらに防犯のためにエレベーター内にカメラを設置しました。
  「理事の方が友達の不動産業者の方に、改良した3つの中で資産価値維持に貢献しているのは何か?と聞いたそうです。すると“自転車の整理だ”との返事。きちんと管理されているマンションだと高く評価されるそうです。その意味では、みんなでアイデアを出し合い、実行したことが報われた気がして嬉しかったですね」。
マンション概要 所在地:大阪市北区与力町
建築年 昭和62年(築年数18年) 構造・規模 SRC造15階建
棟数・戸数 1棟・81戸(その他、0戸) 戸当り専有面積 67.62〜88.46平方m/戸
駐車場台数 34台 駐輪場台数 144台
付属施設 集会室、管理員室 付属設備 監視カメラ
役員体制
役員任期 2年 役員数 14人
選出方法 輪番制 理事会 1回/月
総会 1回/年 各種委員会の設置 無(大きな案件時に設置)

NO.14 西区・グランドメゾン長堀管理組合

安全快適な環境づくりと同時に
活動状況をわかりやすく伝える

地下鉄西長堀駅から徒歩3分の場所にあるグランドメゾン長堀は、都心にありながらも比較的静かな環境に恵まれています。4棟・389戸で築27年。管理組合は大規模修繕を2回終えた後も、修繕関係、インターネット関係、経費削減などにもきめ細かく対応。つねに安全で快適な環境づくりに積極的に取り組んでいます。

● 見やすくわかりやすい広報誌をめざす

(写真) グランドメゾン長堀管理組合の日頃の活動状況は、広報誌をみればよくわかります。発行部数は470部。不定期ですが年に3〜4回、全戸と別居の区分所有者にも配付しています。頁数は4〜10頁まで様々。その広報誌を拝見すると、文章も簡潔で文字も大きく、イラストもはいっていて、読みやすくなっています。とくに特徴的なのが、表紙に目次まで入っている点です。「配っても、文章が長くなるとほとんど読んでもらえませんので、せめて項目だけでも見ていただけたらと、昨年から目次をつけました」と中島一行理事長は、その狙いを語ります。

● インターネット環境もわかりやすく紹介

 マンション全体のインターネット設備整備の状況も、広報誌の目次を探せばすぐに見つかります。それによれば、現在、マンション管理人室にあるMDF室まで光ケーブルを入線していて、2社のネット接続業者から選ぶことができることが図解入りで詳しく紹介されています。また、地上波デジタル放送対策についても紹介しています。「テレビやインターネットの状況を皆さんに理解してもらえる文章を作るのは難しいものです。一昨年12月に地上波デジタルが開始になったときに、設備をやり直しました。その頃から広報していますが、いまだに、チャンネルはどうなっているの?といった質問を受けます。繰り返して広報することが大切だと思っています。」と中島理事長。さらにインターネットに関しては、将来、各住戸と管理組合とをオンライン化することを検討中だとか。「選挙も電子投票が導入される時代ですから、管理組合の広報も、そのつどインターネットで配信できればと考えています」。

● 8台のエレベーターを入れ替える

(写真) 2000年8月〜2001年6月に行った大規模修繕以来、修繕関係で最も大きな事業は、昨年行ったエレベーター8台の入れ替えです。「普通は30年〜35年で入れ替えるのが普通です。まだ機能的には使えましたが、住民からデザインや福祉仕様への要望などがありましたので、昨年の総会ではかって決議し、10月から3カ月間かけて8台全部入れ替えました」。主な改良点は、地震感知機、地震時管制運転機能、耐震補強工事など地震に強い設備にしたこと、事故が起こる前に察知できる遠隔監視システムを導入したこと、防犯窓を取り付けたこと、かご内に2方向手摺、車いす専用操作盤、車いす専用乗場ボタンなどを設置して福祉仕様にしたことなどが挙げられます。さらにモーター容量が小さくなり、電気代も軽減できました。そして注目すべきは、メーカーとの直接契約により、内容をより充実させながらメンテナンス費用を年間かなり削減することができたことです。

● 各業者との直接契約により経費節減

(写真) 先ほどのエレベーターに限らず、管理組合では一昨年から管理会社一括発注の見直しにかかりました。「業者さんを全部呼んで、配水管の清掃、揚水ポンプの点検、植栽関係など項目ごとにそれぞれ交渉をして、管理組合と業者とが直接契約しました。これで一昨年は年間数百万の減契約を実現。臨時総会で管理費の減額を行いました。一つひとつ交渉しながら値決めをしていくのは大変な作業ですが、一度契約すれば、あとは何かの条件変更がない限り、同条件・同金額でいけますから、そんなに面倒なことはありません」。
 今後の大きな取り組みとしては、次回の大規模修繕があります。「その頃に通常の塗装替えのほかに排水管、その他の設備、とくに通信とか電気回りを含めてやりますので、通常の大規模改修よりも倍の予算が必要ではないかと思っています」と予測。そのため、総会で長期修繕委員会のメンバーを募集して、具体的な検討に入る予定です。「そういう意味で、来年度は、次回の大規模修繕のスタートにしたいと考えています」。
マンション概要 所在地:大阪市西区北堀江
建築年 昭和53年(築年数27年) 構造・規模 SRC造14階建(一部11階)
棟数・戸数 4棟・389戸(その他、店舗7戸) 戸当り専有面積 48.00〜154.00平方m/戸
駐車場台数 102台 駐輪場台数 700台(内単車45台)
付属施設 集会室、管理員控室、
管理事務室、防災センター
付属設備 監視カメラ
役員体制
役員任期 1年(1年を限度に再任可) 役員数 12人
選出方法 任意・勧誘で総会で承認 理事会 2回/月
総会 1回/年
(臨時総会1 回/年 程度)
各種委員会の設置 有(長期修繕委員会)

NO.13 港区・ベイシティ大阪管理組合

子どもの遊び場確保やペット問題に
知恵を出しあい、安全で快適な環境を!

地下鉄朝潮橋駅から徒歩約10分、三十間堀川沿いに建つベイシティ大阪は、1992年から1994年にかけて建てられたデザイナーズマンションのはしりであり、モダンな外観がひときわ目を引きます。また公開空地をたっぷり採り入れ、自然環境にも配慮されています。築後10年経った段階で、防犯や景観などさまざまな問題に取り組むと同時に、公開空地である故の悩みにも直面されています。熱心な理事さんの多いベイシティ大阪管理組合の積極的な活動ぶりをご紹介しましょう。

●管理組合の積極的な取り組みの必要性を実感

(写真)「当時のデザイナーズマンションのはしりでした。普通の構築物と違って、あちこちに出っ張りがありますが、それが逆に維持費が高くつくことになっています」と笑うベイシティ大阪管理組合の稲津理事長。新しい間は、きれいで問題も起きないが、ちょうど10年ぐらいたった頃から、防犯や景観の問題など、管理組合が積極的にいろいろ乗り出していかないと、いろいろな意味でマンションの資産価値を維持できないと感じてきたそうです。

●住民の立場で活動する「事務局」を設置

具体的な取り組みを紹介する前に、同組合ならではのユニークな制度を一つ紹介しておきましょう。それが1999年から設置した事務局制度です。現在は2代目の澤井さんが担当しています。澤井さん自身、ベイシティ大阪に居住する住む主婦であり、月・水・金の3日間、管理組合事務所に常駐しています。
「私は留守番係だと言っていますが、主に、住民の苦情を聞いたり、業者さんと話し合いをしたり、資料の整理などをやっています」と澤井さん。事務局を設置の理由は、理事は1、2年で変わるため、過去からの継続事項が分からないことが多いこと、ほとんどの理事が仕事のため、日中にマンションにいないが、工事関係の業者は日中に出入りすること。そこで事務局を通して段取りをしてもらおうというわけです。「管理員さんは管理会社の立場ですが、澤井さんは住民の一人ですので、住民の立場で話をきいてもらえるのも大きなポイントです」と稲津理事長が説明を加えます。

●順調に進む大規模修繕計画

阪神・淡路大震災の影響もあり、これまで少しずつ修理をしていたが、やはり大規模修繕が必要と考えて計画を進めているのが大規模修繕計画です。管理組合では、まず住民アンケートを行い、2005年初旬にアンケートの集計を終え、うまくいけば秋口ぐらいに工事に着手していきたいそうです。外壁の塗り直しや屋上やベランダの防水などになると思われるが、最終的には、アンケート結果で修繕内容を詰めていく予定です。
「住まい情報センターで教えていただいたように、まず理事会で担当を決め、民間の設計事務所をコンペて選定しました。その後に、大規模修繕委員会のメンバーを募集。メンバーが決まった後は、そちらにバトンタッチしました。メンバーは10名。自薦・他薦です。建築関係のプロの方も2名入っています。次は、施工会社を選定する段階です」と順調に進んでいる様子です。

●カラーモニター&録画機能付きの防犯カメラを設置

「実は、大規模修繕は、お金とスタッフがあればそれほど心配していませんが、心配なのは、むしろソフト面です」と稲津理事長。まず、安全面ですが、同マンションは、オートロックシステムです。しかし必ずしも万全とはいえません。そこで防犯カメラの利用です。実は入居時から防犯カメラがついていましたが、モノクロで録画機能もなかったため、管理組合では、大阪市の補助を受けて、カラーモニターで録画機能付きの防犯カメラを、駐車場、各入口、エレベーターなど、全30か所に設置しました。管理事務所兼24時間体制の警備事務所で、つねにモニターで監視できるようにしています。さらに中高生が夜にマンション周辺を徘徊することが多いので、休日の前の日などは人員を増員して、夜間の警備を強化しています。

●頭を悩ます子どもの遊び場のルールづくり

(写真)いま稲津理事長が一番、思案している事案は、子どもたちの遊び場をいかに共存させていくかということ。「子どもが遊べないような、子どもの笑い声が聞こえないようなマンションには、決してしたくありませんからね」。
同マンションには、かなり広いスペースの公開空地が、敷地内に数カ所にあります。公開空地なので、もちろん周辺住民が利用することも可能です。それだけにルール作りで難しい面があるようです。例えば、小中学生たちは、これほど広いスペースだと、キャッチボールをしたくなります。でも、幼児には、敷地内でのボール投げは危険です。これをどう調整するかが難しいのです。
(写真)「うちのマンションには、管理組合の他に、全住民が参加している独立組織のベイシティ町会があります。また地区には連合の子供会があります。そこで、子供会、町会、管理組合が一緒になって、せっかくの広い空地をどういうふうに子どもに提供しようかということを話し合うつもりです」(稲津理事長)。地域の人たちと一緒に、公開空地の利用の仕方を探ろうとされております。

●ペット問題は、限定付きで認めることを決議

もう一つはペット問題です。高齢者のいる家庭は、どうしてもペットを飼われるケースが多く、ペットをもっている人と、もっていない人の間の意見調整が難しいようです。同マンションでは、もともとペット飼育は禁止でしたが、規則があっても、陰で隠れて飼う人が増えてきたという実態がありました。
「それなら、ある程度、許容規則を作ろう。そのかわり、その規則は守ってくださいね」というふうにペット問題に対する考え方を方向転換しました。そして2003年6月の総会で限定付きで認めることに決ました。まずペットクラブを組織し、ペットを飼いたい人は、ペットクラブに申請し、承認されたうえで、さらに理事会で承認されて初めて飼えるようにしています。
「抱ける大きさで、約10kgまで。犬、猫関係なく頭数は1匹までです。10年前ですと無理だったでしょうけど、最近のペットブームもあって抵抗感が薄れてきました。最初は抵抗感の少ない小型犬で1匹までとしましたが、将来、もっとマナーがよくなり、みんなの理解が得られれば、2匹になるかも知れないし、大型犬でもOKになるかも知れません」(澤井さん)。
ルールは他にもあります。外出するときは必ずリードと黄色いスカーフを付けること。フンの後始末ができる袋をもつことなどです。
「飼い主はペットクラブにペットの写真付きで申請していただいていますが、それを全部ホームページに掲載するつもりです。ペット仲間のコミュニティを作ることもできますし、掲載することで、ルール違反もできないのではないか考えています」(稲津理事長)。

●ホームページでコミュニケーションの充実を!

稲津理事長の言うように、いま同マンションでは、広報担当理事を中心にホームページを立ち上げる準備段階です。「マンションに光回線を導入し、すでに3分の1の世帯が契約をしています。ADSLを含めれば半分以上はパソコンを使っておられます。理事の中でも、何でホームページがいるのか、という話しも出ましたが、コミュニケーションの充実を図かっていく意味でも必要だということで、今期中、2005年3月までに完成させたいと思っています」。
いちおう管理組合のホームページですが、規約の改正や大規模修繕などの情報の他に、町会情報やペットクラブの情報もいれるなどして、全体が網羅する計画です。「マンション全体のホームページにしていくつもり。さらに、地域の商店街とも連携して、地域コミュニケーションがとれればと思っています」と抱負を語られます。
「うちのマンションは、住まい情報センターを活用する回数が多くて、セミナーにはほとんど出ています。大規模修繕、防犯カメラ、ホームページの他、管理費滞納、管理規約改正など、すべてここで情報を仕入れて活用させてもらっています」。稲津理事長の話からも、とても熱心な理事の多い管理組合であることがよくわかりました。
マンション概要 所在地:大阪市港区池島
建築年 1992年(イースト、ウエスト)
1994年(センター)
(築年数10、12年)
構造・規模 SRC造・8,15,21階建
棟数・戸数 3棟・435戸 駐車場台数 315台
駐輪場台数 1100台 付属施設 集会室、管理員室
付属設備 オートロック
監視カメラ
役員体制
役員任期 2年 役員数 16人
選出方法 輪番制・立候補制 理事会 2回/月
管理組合・町会交流会 1回/月 総会 1回/年
各種委員会の設置 有(修繕委員会)

NO.11 西区・日商岩井阿波座マンション管理組合

より安全で快適な環境をめざし
積極果敢に諸問題の快適に挑む!

 地下鉄阿波座駅から徒歩5分の便利な立地にある日商岩井阿波座マンションは、築26年。管理組合は、老朽化対策として長期修繕積立金を準備すると同時に、経費削減にも努力して、管理費等の値上や臨時徴収なしで行っているほか、より安全で快適なマンションライフのために改修工事などにも積極的に取り組んでいます。

● 受水槽を撤去して集会室を誕生させる

(写真)ここ数年間、管理組合では、より安全で快適なマンションライフのために、積極的に改修工事に取り組んできました。例えば、防犯上の観点から、玄関部分とエレベーター内に、防犯カメラを設置した他、安全面を配慮して、玄関のアプローチ部分を全面スロープにしました。それも高齢者にも優しいように、100分の1のゆるい勾配となっています。「基準的には8分の1の勾配でいいのですが、実際は高齢者にはきついし、車イスだとなかなか上がれません」と理事長の藤田三郎さんは説明する。同時に、スロープの材料に耐摩擦性と浸水性に優れたインターロッキングを使用しています。「最近、転倒事故がすごく多いでしょ。それだけにスロープの床の材質には、気を遣いました」。
(写真)さらに13年7月には、受水槽を撤去して、増圧直結給水方式に切り替えました。受水槽は定期的な清掃が必要であり、維持管理費が当然のようにかかります。受水槽の撤去により、この維持管理費が節約できた他、増圧給水設備を他の場所に設置にすることで、受水槽を撤去した約20坪の受水槽室を集会室として改修しました。管理組合では、この集会室の使用細則を定め、近隣へも有料で開放しています。利用内容としては、葬儀・臨時宿泊・料理教室などですが、管理会社のサービスで、包丁磨き教室を実施したこともあるとか。「集会室ができたことで、住民同士のコミュニケーションが図れるようになりました。これからも大いに活用したいですね」。

● 必要金額と積立金残高をシミュレーション

これまで紹介したように、築26年のマンションを快適に暮らし続けるには修繕が欠かせません。その原資となる修繕積立金ですが、管理組合では従来から不足が生じないように体制を整えてきました。「ほら見てくださいよ」と藤田理事長から見せたもらった資料には、2001年度から2018年度までの(修繕)必要金額と(修繕)積立金残高が、棒グラフと折れ線グラフで示されています。「このシミュレーションは、私が作ったものですが、これを見れば、積立金残高が必要金額をつねに上回っています。今後、アクシデントが起きない限り、修繕費の値上げや臨時金を徴収することなく、現在の修繕計画を進められるというわけです」。
修繕積立金の確保と同時に、管理組合ではデフレの時代に合わせて、無駄なものを省き、経費削減にも努めてきました。費用の中でもとくに大きなものが管理会社への支払いですが、平成12年に管理会社を変更したことで、年間200万円の削減になったといいます。

● 修繕履歴もすべてファイリング

 また、多くの管理組合にとって大変なのが資料の整理です。もともと資料を保存する場所がなかった管理組合では、これではいけないと、管理人室の奥にあった物置を改修。裸電気を蛍光灯に変え、資料を保存するためのロッカーを置きました。ここに、管理規約はもちろん、先ほど紹介したチラシや、修繕履歴等もすべて保管されています。
 そして今進めようとしているのが、マンションの竣工図面の電子化です。20数年も経つと、さすがに変色して図面が劣化してきます。また、修繕のたびに業者に図面を貸し出すと、破れたり、行方不明になって返ってこなかったするから大変。「CD等に電子化すると、劣化しないだけでなく、スペースも取らずに整理やすく、活用もしやすいはずです。今後も、電子化した方がいいものは、電子化していきたいと考えています」。
 この他にも、管理組合が、現在取り組んでいる問題は、自転車の不正駐輪、ペット禁止の違反、組合役員の引き受けの拒否、管理費滞納など、数多くあります。「例えばペットの問題でも、マンションでのペット飼育が、なぜいけないのかをきちんと理解していただきたいのです。ウイルスやダニなどの衛生上の問題、糞尿による臭気の問題、あるいはペットの毛による排水管づまりなど、さまざまな問題が生じますし、それが原因でマンションの価値を下げることにもなります。今後も、チラシやステッカーを使って、住民の方々に根気よく啓蒙していくつもりです」と藤田理事長は、積極的に取り組んでおられます。
グラフ
マンション概要 所在地:大阪市西区
建築年 昭和53年(1978年) 構造・規模 SRC造、地上14階建
棟数・戸数 1棟・79戸 戸当たり専有面積 46.66~102.00平方メートル/戸
駐車場台数 13台 駐輪場台数 93台
付属施設 集会室・管理員室 付属設備 監視カメラ・インターネット
役員体制
役員任期 1年(重任可) 役員数 7人
選出方法 輪番制・立候補制・抽選・推薦等 理事会 1回/3ヶ月
総会 1回/年

NO.10 都島区・ロイヤルアーク都島管理組合

マンション内インターネットの活用で
交流の輪が楽しく広がる

マンション内でインターネット設備を導入しているマンションが徐々に増えてきているなかで、ロイヤルアーク都島管理組合は、その便利さや楽しさを活かして利用しています。パソコンを使えない人には活用できるための教室を開くなど、フォロー態勢もバッチリ。いったいどんな運営をしているのか、大変興味をもって伺いました。

● “おしゃべり広場”の活性化へパソコン教室開催

(写真) 今回、取材に応じていただいたのは、インターネット活用者の中心ともいえる黒川静博さん。コンピュータ関係のお仕事をされていることもあって、インターネット設備はマンション選びのポイントの1つでした。(当マンションには、分譲時からマンション内に光ファイバーが配線され、独自のホームページがありました)
 各戸に専用の端末機(LAN型インターネットターミナル)を設置。それをテレビにつなぐだけで、入居者の誰もが簡単にホームページを見られるシステムになっているのですが、専用の端末機やパソコン操作ができないと交信ができず、楽しさも半減。実際、画面は見ることができるけれど、書き込みができないという人が多いことも、後のアンケートで分かりました。
 「入居(平成14年6月)して、すぐにホームページで知り合った4世帯のメンバーが中心になって、おしゃべり広場をもっと盛り上げていこう、みんなで見られるようにしよう」と、黒川さんたちは早速、その年の10月にパソコン教室を開催。ホームページの制作・運営会社とその協力会社のバックアップで12台のパソコンがコミュニティホール(集会室)に持ち込まれ、2日間で合計30人、夫婦で参加した人もいました。

● “井戸端会議”に約20人が参加

 “ぶらっとナビ”という名のホームページ(下記参照)では、おしゃべり広場からの口コミやお買得情報、管理組合からのお知らせなどさまざまな情報が見られますが、何といっても楽しいのが、井戸端会議のできるおしゃべり広場。例えば「クリスマスパーティー開きます!」「いかくん(黒川さんのペンネーム)に教えてもらったサイトでオムツのモニター当たりました」「タイガース優勝パレードで撮影したMyベストショット、ぷらっとナビにお送りください」等など、今では161戸のうち20人くらいが参加しているようです。(今までに書き込みをしてくれた人は55名)
(写真) 日ごろは会社勤めで近所同士で会う機会が少ない人も、帰宅して息抜きにパソコンを開いたら誰かが話しかけてきているといった具合。これがきっかけになり、昨年(平成15年)夏に開催した入居一周年記念パーティーには約50人ほどが、またクリスマスパーティーには約60人が参加されました。気の合った人同士でお花見やタコ焼きパーティーなども行われ、交流の輪がどんどん広がってきています。

● 月額1000円の利用料以上のメリットが・・・

 ここでは、通常の管理組合と管理会社に、ホームページの運営会社が加わり、日常の管理運営を行っています。ホームページ運営会社は、管理組合と業務委託契約を結び、ホームページの制作や更新、問合わせへの対応などWEBサイトの運営やサービスを行っています。したがって、インターネットを使用しない人も月額1000円の利用料が必要。けれど管理会社や管理組合からのお知らせが速報され、管理規約もすぐに画面で見られ、また電話料金がグンと割安になるIP電話への接続ができるなど多くのメリットも。しかし何よりの魅力は、老若男女を問わず、マンション内の交流の輪が、無理なく、楽しく広がっていることでしょう。 (図)
マンション概要 所在地:大阪市都島区中通3丁目
建築年 平成14年 構造・規模 SRC造・地下1階地上15階建
棟数・戸数 1棟・161戸 戸当たり専有面積 69.34〜93.79平方メートル/戸
駐車場台数 129台 駐輪場台数 バイク35台、自転車339台
付属施設 集会室・管理事務所 付属設備 オートロック・監視カメラ・インターネット
役員体制
役員任期 1年 役員数 10人
選出方法 輪番制 理事会 1回/月
総会 1回/年

不在組合員に対して一定の金銭的負担を求めることが認められた事例/最高裁判所第3小法廷 平成22年1月26日判決

最高裁判所第3小法廷
平成22年1月26日判決
平成20年(受)第666号
平成20年(受)第54号、第55号
平成19年(受)第1717号

●事件の概要
 本件は、マンションの管理組合Xが、マンションの区分所有者であるが部屋を賃貸するなどして居住していないYらに対し、月額2500円の「住民活動協力金」の支払いを求めた事案です。
 Xは、管理組合運営の負担が居住組合員に集中していることが不公平であるとして、総会で不在組合員に対して協力金を支払わせる規約改正を決議しました。しかし、不在組合員のうちYら5人が規約は不公正であるとして支払いを拒んだため訴訟になりました。
 計3件の訴訟が提起されましたが、第1,2審判決では判断が分かれ、第2審大阪高等裁判所では、1件について「月1000円の限度で有効」、2件について「協力金を求める規約改正は無効」と判断しました。
●問題点
 区分所有法は、規約変更の際には、一部の所有者に特別の影響を及ぼす場合にはその所有者の承諾が必要であるとしていますが(区分所有法31条1項後段)、今回の金銭負担が「特別の影響」に当たるかどうかが争点でした。
●判決内容
判決は、まず、「不在組合員は、Xの選挙規程上、その役員になることができず、役員になる義務を免れているだけでなく、実際にも、Xの活動について日常的な労務の提供をするなどの貢献をしない一方で、居住組合員だけが、Xの役員に就任し、各種団体の活動に参加するなどの貢献をして、不在組合員を含む組合員全員のために本件マンションの保守管理に努め、良好な住環境の維持を図っており、不在組合員は、その利益のみを享受している状況にあったということができる。」として不公平状態にあったことを認定し、不在組合員に対して「規約変更により一定の金銭的負担を求め(て)」「不公平を是正しようとした」ことに必要性と合理性があることを認めました。
 そして、上記必要性と合理性と比較されるべき不在組合員の不利益については、支払いを求められる月額2500円という金額は管理費と修繕積立金の合計額である月額1万7500円の約15%に過ぎないとし、また、180戸の不在組合員のうち反対して支払いを拒んでいるのは12戸を所有する5名の組合員に過ぎないことも考慮すれば、本件規約変更は、「不在組合員において受任すべき限度を超えるとまではいうことができ(ない)」との利益考量を示し、結論として、区分所有法31条1項後段の「特別の影響を及ぼすべきとき」に該当しないと判示しました。
【判決の意味】
 本判決は、上記のとおり、不在組合員に対して一定の金銭的負担を求めることを是認しましたが、どこまで一般的に敷衍できるかは慎重に検討する必要があります。
 すなわち、本事案では、本件マンションの規模が大きいこと、総戸数868戸のうち180戸が組合員不在状態となっていたこと、不在組合員に課した負担額が比較的少額であったこと、不在組合員のほとんどが争わなかったことなどの事情があり、判決はそれらを総合的に判断して結論を出したものであって、今後、不在組合員に対して金銭的負担を求める規約変更がすべて有効と判断されるとは限らないことに注意が必要です。
◆ 管理組合の今後の対応 ◆

 築年数の古いマンションでは、所有者の高齢化と不在組合員の比率の上昇が進み、役員のなり手不足が深刻な問題となっています。
 本判決は、役員のなり手不足に困っている管理組合にとっては朗報と言えるかも知れません。今後、同様の課金制度を実施する管理組合が増えてくることも予想されます。
 ただし、「判決の意味」の欄で述べたように、本判決は不在組合員に対して金銭的負担を求める規約変更を一般的に有効だと判断したものではありませんので、規約変更を行うに際しては、管理組合で十分に話し合って、できるだけ多くの組合員(不在組合員も含めて)の理解が得られるような制度とするべきでしょう。