平成19年度「管理組合交流会&相談会」報告

「管理組合交流会&相談会」報告
何かと悩みの多い管理組合の運営。そこで管理組合の皆さんが、日頃どのような活動をされているのか 情報を交換し、今後の活動の参考にしてもらえるよう交流会を開催しました。 すぐに打ち解けて、活発に意見交換。解決への貴重なヒントを見つけていただきました。
 今回の交流会では、事前にテーマを何種類か用意して いましたが、管理組合運営と大規模修繕に関する悩み を持つ方が多かったため、管理組合運営はマンション規 模の大小によって、大規模修繕は築年数によって分けま した。途中、コメンテーター(弁護士・建築士)のアドバイス も受けて前半は、支援機構の常任委員による進行のもと、 後半はグループ毎に自由に話し合っていただきました。  管理組合同士、共通の悩み事が多いこともあり、お 互いにすぐに打ち解けて活発に意見交換をされてい ました。その熱心さは驚くほどで、多くの方が休憩も 取らずに話をされていました。また、ベテランの管理組 合の話を参考にされて、「自分の管理組合に持ち帰っ て、実際にやってみます」と喜ばれた方など様々でした。 以下、話し合われた内容の一例を紹介します。

テーマA「管理組合運営(小規模マンションの場合)」

  1. 管理会社の変更
  2. 管理組合の活性化に対する悩み
  3. システムを活用した管理費の支払い
  4. 管理会社への対応に対する苦慮
  5. 役員のなり手不足への対応

まとめ

1.では、あるマンションで管理会社に不満があり、他社で見積を取ったら管理費が激減になったという事例があった。5.では、役員のなり手がなく、役員を断った人から協力金として徴収し管理費に入れている、という事例があった。

テーマB「管理組合運営(大規模マンションの場合)」

  1. 理事の選任について
  2. 議事録の出し方
  3. 管理費の値下げについて(指定業者の見直し)
  4. 管理会社の委託契約の決め方

まとめ

住民の交流会を行っているが、役員のなり手がない。輪番制を検討し、ブロックに分けて部屋番号順を検討している。役員に関するルールの話し合いをしていきたい。

テーマC「大規模修繕工事(高経年マンションの場合)」

  1. 給排水管の取替え・方法について
  2. エレベータの取替えにかかる金額
  3. 耐震・劣化診断
  4. 総会・工事説明会など入居者の関心の薄さ
  5. 補修履歴について

まとめ

建物・設備の経歴を残すようにしていくことが大切と分かった。設備の更新の進め方として、基本設計を建築士に依頼し、見積、工事と進めていくという話もあった。

テーマD「大規模修繕工事(築浅マンションの場合)」

  1. 修繕積立金の見直し
  2. 修繕内容の疑問
  3. 施工業者の選び方
  4. 駐車場使用量の使途
  5. 機械式駐車場のメンテナンス

まとめ

コンサルタントをどうするか、あるいは耐震診断や業者選定のヒアリングの仕方などの疑問に対し、「実績を調べる」とか「現地を見に行く」などのアドバイスがあった。

テーマE「住まい方・その他」

  1. 騒音問題について
  2. ペット飼育マナー
  3. 近隣からの要求
  4. 自転車置き場が少ない。
    管理費の滞納。
    大規模修繕
  5. 会計を見直したい
  6. 建物の無料診断
  7. 役員・総会とも出席者が少ない。管理会社変更の方法。工事見積書が不透明
  8. 管理会社をうまく使えていない

まとめ

ペットの問題では、飼育禁止と可の二つに分かれているが、いずれも無断で買っていたり、夜中の泣き声などの問題があった。

コメンテーターまとめ

【弁護士】 マンションの価値を高めるために、 弁護士一人ひとりが自覚を持つこと

 マンションには、実に数多くの問題があります。中には 自治を守らない人もいますが、マンションの価値を高め るために、ひとつ屋根の下にいる人たち一人ひとりが自 覚を持って力を合わせてほしいと思います。

【建築士】 まず自分たちのマンションの 建築士状態を知ってください

 例えば、自分のマンションの屋上に上がったことがあり ますか?屋上のドレンにごみがあれば、管理組合は管理 会社に清掃を指示しなければいけません。しかし屋上 に上がらなければ、それはできません。まずマンション の状態を知ること。そこから対応を考えてください。

<個別相談会>

専門家から貴重なアドバイスを受けました
 当日は専門家による個別相談会も実施、弁護士・建築士・マンション管理専門相談に12組(法律相談6組、管理一般相談3組、技術相談3組)の管理組合が問題解決のアドバイスを受けました。
 相談内容は、管理費の未納、町会費の取扱い、有効議決権数、瑕疵、ペット問題、複合用途の管理組合運営、給水管修繕についてなど様々でした。

参加者アンケートより※主なものをご紹介させていただきます。

他のマンションの実情がよくわかり、自分のマンションと比較することができた…34名

直面する問題の対応策について、よいアドバイスが受けられた…6名

どこのマンションも役員のなり手がなくて困っている様子。集合住宅に住むということの意識を持ってもらうよう働きかける必要性を感じました。

各管理組合それぞれに問題をかかえていることが理解でき、それぞれ理事役員がご苦労しているのですね。

初めての参加であったが、他のマンションの方の話が聞けて良かった。皆さん共通の内容があり、話し合いができたことが大変参考になった。

同じ悩みを持った人が多いので、驚くとともに共通点が見られ、ホッとした部分もあった。

平成19年度「基礎講座&相談会」報告

11月25日
マンションで起こるトラブルの事例と対処法、役に立つ共用部分リフォーム融資とマンションすまい・る債、そして滞納管理費等への対策をテーマに開催しました。 トラブルの事例と対処法について

●日常生活の3大トラブルに対する対応法
 (社)高層住宅管理業協会では毎年アンケートをとっています。17年度のアンケートでは、ペットの問題、騒音の問題、不法駐車・不法駐輪の3つが日常生活で一番多いトラブルとなっています。
 トラブルの対応方法ですが、まず、管理組合の理事会などで対応ルートを把握して、体制づくりをしておくこと。それと逃げ腰にならずに、積極的に対応していく姿勢が必要です。そして迅速な対応と結果の報告も大事です。そしてトラブルの処理内容は柔軟性が必要です。当事者間でよく話し合って解決方法を探すこと。次に、理事会と管理会社に密に連絡をとっていると解決しやすいものです。さらに管理規約、使用細則、管理委託契約、区分所有法、マンション管理適正化法など、関連法規を理解しておくことが大切です。
●漏水トラブルの対処の仕方
 ハード面のトラブルで一番多いのが漏水の問題です。水栓関係の機器類には基本的に止水栓がありますから、給水の場合、給水口で不具合が起こっても、ここでしっかり止めておけば、水は流れません。部屋の中全体で配管がどこかで破れて水が出ている場合は、止水栓を止めても意味がありません。その場合は玄関にあるメーターボックスの中に水道メーターがあります。その横に必ずバルブがあります。そのバルブを止めてください。お部屋のほうに水は給水されません。そうすると、二次被害が非常に少なくて済みます。
 漏水の場合は保険があります。損害保険に入って二次被害に対しても保険で対処できるようにしておくことも必要です。漏水の見つけ方は、水栓を全部止めて、メーターを見てください。小さいパイロットランプがあります。これが動いている、あるいは1リットル指針が動いている場合は、微量に水が流れているということです。

共用部分リフォーム融資とマンションすまい・る債

 共有部分のリフォーム工事を行う時に、修繕積立金で不足する部分を補うのが、共用部分リフォーム融資です。管理組合様の名義でのお申し込みで、保証人は(財)マンション管理センターとなります。また、無担保で、融資額は、工事費の8割又は1戸あたり150万円まで、最長10年間の完全な固定金利です。さらに耐震改修工事を行う場合には、金利が0.2%優遇されます。
 一方、マンションすまい・る債は、修繕積立金の計画的な積立をサポートして、安全確実に管理・運用していただくため、私どもが国の認可を受けて発行する管理組合様向けの債券です。当機構の資産から優先的に弁済されることが法律で定められており、その中で保全が図られています。毎年年1回、定期的に利息を受け取ることができます。中途解約は、購入から1年経過すれば可能で、利息は確定額で解約手数料はありません。また、債券は機構が無料で保管いたしますので、盗難・紛失の心配もいりません。ぜひ皆さまにご活用いただければと思います。

滞納管理費等への対策

●滞納の予防策
 まず一番の予防策として、忙しくて振り込めないとか、支払い忘れたとかの理由による滞納を防ぐには、口座引き落としにしておくことです。もう一つ予防策が、遅延損害金について定めておくことです。支払いが遅れた場合には遅延利息というのが付き、民法では5%付けられますが、管理規約でもっと高い率を定めても問題ありません。
 また、滞納が発生したときにすぐに対応できるようにするためには、滞納状況がリアルタイムに把握できるようにしておくことと、対応方法をマニュアル化しておくことが、大事なことだろうと思います。
●滞納が発生した場合
 次に滞納が発生した場合ですが、対応は段階的に強い方法にしていくのが普通です。早めに滞納者に連絡をして、電話で請求をする。その際に、どういった理由で遅れているのかを聞くことです。口頭で請求をしても支払いを得られないような場合、文書での請求が考えられます。まずは、新聞受けや郵便受けにポンと入れておく、次に郵便で送る。郵便も配達記録、内容証明郵便と段階を踏んでいくことが普通です。一度訪問してみるのもいいでしょう。お宅に行く場合には、極力複数で行くことをお勧めします。話し合いをした結果は、文章にしておくこと。具体的に滞納分について月々いくらの形で支払いますということで、念書をもらうことが必要です。
 それでも誠意ある対応がない場合、法的措置を考えます。支払い督促、少額訴訟、通常訴訟、民事調停の手続きをとるのかはケースバイケースかと思います。法的措置をとった後、裁判所で結論が出ているにもかかわらず、支払いをしない方には強制執行手続きをすることになります。預金を差し押さえたり、区分所有権を差し押さえて競売にかけることを考えることになります。

 ※(注)講座1〜6の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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平成19年度「大規模修繕工事見学会」報告

大規模修繕工事見学会
基準を明確にして施工業者を選定し、 居住者が監督する責任施工方式を採用
11月17日、大阪市マンション管理支援機構として第4回目の大規模修繕工事見学会を京橋グリーンハイツ管理組合のご協力により開催しました。京橋グリーンハイツは、京阪・JR「京橋」駅から徒歩10分の場所に建ち、SRC造15階建・4棟・総戸数1016戸の大規模マンションです。築24年を経過し、今回が2回目の大規模修繕工事です。

<見学マンションと工事の概要>

京橋グリーンハイツ
(大阪市都島区都島南通2-1)
SRC造15階建・4棟・総戸数1016戸/築24年
工事内容(1)仮設工事 (2)下地補修 (3)壁・天井面塗装 (4)鉄部塗装 (5)廊下・バルコニー床等改修 (6)階段床シート貼り (7)シーリング (8)屋上シングル葺き部分補修・保護塗装(全面) (9)樋・パーティション等部分補修 (10)その他(室名札・ガラリ・照明器具取替・はと対策)
工 期平成19年2月〜平成20年3月予定
施工 

● 責任施工方式により、足かけ3年にわたる長期工事

(写真) 総戸数1016戸を誇る京橋グリーンハイツ管理組合。まず理事長の市川さんから、今回の工事見学会申し入れに対し理事会が歓迎の気持ちを込めて決議したこと、そして2回目の大規模修繕工事が、昨年秋の業者選定等の準備から始まって、来年3月に終了する足かけ3年の長期工事であること。工事方式は、設計監理会社を採用せずに、居住者が工事を自ら監督する施工業者の責任施工方式を採ったことなどに触れた上で、大規模修繕委員会設立までの経緯の説明がありました。

● 施工業者選定時のアドバイスに興味津々

 大規模修繕委員会実行委員長・恩地さんからは、用意していただいた説明資料に基づいて委員会設立以降の説明をして頂きました。

(写真) 通常の大規模修繕工事の他に、足場がある時にしかできない改善・改良工事を行ったこと、現状のままでは資金不足が生じるため、アンケート実施のうえで修繕積立金を値上げしたこと、外装の建物診断を行ったこと、他にも、施工業者選定には、統一見積書を作成したことや、金額が安いところではなくて、工事の実績やクレームのないところの他にISOをベースにした施工管理ができるところなどを重視したそうです。「工事仕様書に、検査・品質保証の項目を入れると、施工業者さんも気をつけられると思いますよ」とアドバイス。参加者の皆さんも興味津々の様子でした。

● 質疑応答で活発に意見交換。そして現場見学へ

 続いて施工会社の方が、スライドを用いて、品質管理検査方法、防犯対策、居住者とのコミュニケーションなどを含めて、工事施工上の工夫や特徴などを説明しました。

(写真) 質疑応答では、工事仕様書作成にかかった期間と人数、バルコニーの室外機以外の物の取扱、専門委員の報酬の有無、義務を果たさない居住者への対応方法、ゴンドラ使用の長所短所、建物診断の費用など、多くの質問がありました。
 続いて行われた現場見学は4班に分かれて、施工会社と実行委員の方々の引率により実施。参加者の皆さんは、施工状況を興味深そうな様子で見て回られていました。
 ご協力いただいた京橋グリーンハイツ管理組合の方々、および関係者の方々に心よりお礼を申し上げます。

平成19年度「基礎講座&相談会」報告

らいふあっぷ基礎講座&相談会
円滑な管理組合運営と適切な維持管理による快適なマンションライフをめざし 会場の様子
マンションライフにおいて発生する様々なトラブルに適切に対応できる 能力を身につけることはとても大切です。
建築や法律などの専門家がそれぞれの立場から分かりやすく説明しました。 11月11日
大きく転換した国のマンション施策の現状と動向、規約を補完する役目を果たす細則の 作成時のポイント、そして耐震強度を含めた大規模修繕の進め方をテーマに開催しました 国のマンション施策の現状と動向

●マンション人口は約1割
 分譲マンション戸数は平成18年末で505万戸。人口で約1300万人。国民の1割程度がお住まいになっています。そのうち、築30年を超えたマンションが50万戸を超え、5年後に100万戸以上になります。平成18年、住生活基本法が制定され、これまでの数を供給するという政策から、いいものを長く使おうという政策に大きく舵を切りました。マンション行政についても当然、同じことが当てはまります。
●マンションに関する法令等を整備
 マンション管理適正化法ができ、それに基づいて、「マンション管理適正化指針」も定められています。建替えについては、平成14年にマンション建替え円滑化法が制定されました。区分所有法は平成14年に一部改正され、それらを踏まえて、マンション標準管理規約を国土交通省で改正を行いました。ここ数年で、非常にマンションに関する法令等が整備されてきました。
●マンションみらいネットと各種マニュアル
 今やっている施策の一つが、マンションみらいネットです。マンションの管理水準の向上を図り、情報が一部公開されることによって、きちんと管理されているマンションは、市場できちんとした評価を受けるということを目指して作られています。
 続いて耐震ですが、マンションの耐震改修を促進するために、今年度から一部補助率を上げました。そして、建替えのための実務マニュアル、建替えに向けた合意形成のためのマニュアル、改修でマンションの寿命を延ばすためのマニュアル、マンション耐震化マニュアルなど、各種マニュアルを国で整備をしております。国土交通省のホームぺージに載せていますので、ぜひご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/index.html

細則作成時のポイントについて
 マンション管理規約の細則は、規約を補完するために定めるルールです。細則の法的根拠は、区分所有法39条1項に「集会の議事はこの法律または規約に別段の定めがない限り、区分所有者および議決権の過半数で決する」とあります。この条文に基づいて細則を作ります。
 細則を作成・改正等する上では、2つのポイントがあります。1つは語句を統一して頂きたい。語句の統一とは何かと言うと、私どもの事務所に来られて、「これがうちの規約集です」とご相談を受けるのですが、ちょっと斜め読みをさせて頂きますと、規則、規定、要項、要領など名称をバラバラな形で取り決めておられる。標準管理規約では、様々な細則を定めることで、規約の内容を補充することを想定していますので、ルール作りを行う場合は、何々の細則ということで、語句を統一された方がいいと思います。2点目は、細則参考例(11月11日配布資料)を利用して、自分のマンションに合った形に加工してお使いくださいということです。 大規模修繕の進め方
●修繕・改修のチェックポイント
 修繕工事は、塗装や防水など、いわゆる外壁の仕上げ材の改修で、10年ごとに行うのが一般化してきています。エントランスホールなどは改修効果が高く、全体的に老朽化してきたマンションでも、例えば、吹き付けタイルで、床は長尺シートを貼っているだけのエントランスホールでも、床壁を石貼りにし、照明をグレードアップすれば豪華に見えますし、安心感と満足感が生まれます。
 共用廊下、バルコニーなどの共用部分の改修には、たくさんの工事項目があり、大規模修繕工事の時にまとめて共用部分を工事することが合理的です。大規模修繕工事でなくても、単独で工事をすれば改修効果が高くなるものがありますから、常に何らかの形で、工事の適正時期を考えておいていただいたらいいと思います。
●耐震強度のチェックポイント
 阪神大震災の時、新耐震基準建物の4分の3以上は大丈夫でした。そして旧耐震基準は3分の1が大丈夫で、3分の2は何らかの問題があったというデータがあります。耐震の考え方は、まさしくこれなんですね。新耐震だから100%大丈夫で、旧耐震だから100%駄目ではなくて、旧耐震でもポイントを押さえた補強をすれば比較的強くなります。
 建物のバランスが悪いと、弱い部分の壁、柱が壊れて、そこからつぶれます。耐震診断をするのが大前提ですが、1階にピロティがあったり、柱のバランスが悪いマンションは、耐震診断の結果、相当悪いという結果が出たとしても、1階ピロティの補強や、住戸の壁に影響が出ない範囲で壁を増やせばいいと思います。このように、部分的に改修をして、バランス良くするような改修方法が今後増えてくるのではないかと思います。「大阪市住宅・建築物耐震改修等補助事業制度」などの公的補助を受けることも検討して下さい。  ※(注)講座1〜6の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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「マンション管理フェスタ2007」講演報告

「マンション管理フェスタ2007」講演報告

会場の様子さる9月2日に開催された「マンション管理フェスタ2007」の全体の模様は前号(22号)でご紹介しましたが、誌面の都合で掲載できなかった講演「マンション管理とコミュニティ活動」の内容を後編としてご紹介します。
当日は、マンション学をテーマに研究されている藤本佳子教授がミニ講演を行われた後、大阪市内の3つのマンションの管理組合(エバーグリーン淀川地上館、勝山東ガーデンハイツ、ベイシティ大阪)のコミュニティ活動の事例紹介を行いました。

講演「マンション管理とコミュニティ活動」 マンション管理とコミュニティ活動
トラブルの9割は、居住者の生活マナーの問題  マンションのトラブルは、居住者間の生活マナーを巡る問題が9割を占めており、居住者の相互関係の問題が多いのが特徴です。トラブルの多さはマンションライフの満足感と関係しています。東京の築25年以上のマンションの居住者に対してコミュニティ形成の必要性の調査をしています。「コミュニケーションがうまく取れているか」という質問に対して、4割しか「取れている」と回答していません。では「住民相互の交流は必要か」といえば、7割以上の人が「必要だ」と回答しています。つまり住民相互の交流は必要だけれども、うまく取れていないというのが現状です。 一戸建てとの違いは「共同」ということ  一戸建てとマンションとは一体何が違うかといえば、次の4つが違います。マンションでは、上下左右の家が重なり合って「共同生活」をしています。そして廊下、階段、エレベーター、駐車場などを「共同利用」しています。また、マンションを複数の人で区分けして区分所有法の下で住戸を所有し、複数で「共同所有」をしています。そして、管理組合における合意形成によって「共同管理」しています。だからマンションを購入するというのは、「共同生活」で、「共同利用」で、「共同所有」で、「共同管理」することなのです。
 コミュニティの形成に成功しているマンションでは、生活上のトラブルの発生の割合が減っています。また、大きな紛争が減少しています。これは日本だけでなく、海外での調査でも同じことがいえます。 建物の価値だけではなく、居住価値が重要に!  管理組合の目的に、区分所有者の共同の利益の増進があります。それは建物の価値だけではなく、居住価値が重要になってきています。建物の価値の維持、増進から、居住価値の維持、増進へ。ハードだけではなくハードとソフトと両面揃ってこそ住み心地が良い住環境ができます。そのためには住む人々の継続したコミュニティ活動が必要です。つまり、日々の生活を楽しみながら居住者間のコミュニティの形成を図る。住んで良かった、長く住み続けたい、というような快適な住環境を作る必要がある。住む人々の知恵と活動で居住の価値を高めていく。これこそ住み心地の良い住環境作りということになります。
「共に生きる、助けあう」という気持ちを大切に!
大規模マンションの運営に代議員制度を導入 藤本●これから特徴ある3つのマンションからコミュニティ形成の事例報告をして頂きます。エバーグリーン淀川は1500戸近い大阪でも有数の大規模マンションです。その管理組合をどのように運営されているのですか?
高田●まず何が大事かということを平成13年に1464世帯にアンケートを取ったところ、執行部のマンションマネージメントが大事だと気が付きました。そこで代議員を80名作りまして、毎年の決算や予算運営、工事計画など早くやらなければならないことを代議員総会で決めることに致しました。大規模マンションは、各棟各階から代表が出て、その中で維持をするのがベストだと思います。
藤本●代議員を80名選出し、その中から互選で理事を13人選ばれています。だから大規模だけれども動きが早い。そして特別決議が必要な時は必ず全員総会を開催している。どこまでを代議員総会で、どこからが全員総会でということをきちんと規約で決めています。まず管理体制作りから始められていることが特徴だと思います。 自主管理の体験を、委託管理に生かす 藤本●次に勝山東ガーデンハイツは、管理会社の方から値上げを言われて突如として自主管理へ移行せざるを得なかったようです。また最近は委託管理へ戻っています。その辺りをお聞かせ下さい。
葛籠●実は、昭和56年7月に入居以来、平成4年の定時総会まで修繕積立金は810円でした。それでは大規模修繕ができませんので、平成6年の年度替わりに一時金を平均50万円ずつ徴収させて頂くことにしました。ちょうどその頃、管理会社から値上げの打診があった。修繕積立金の値上げと一時金の徴収をしなければいけないのに、管理費まで値上げはできないと、理事長と管理会社の担当者の間で話しあいがもたれた結果、管理会社から「お宅の委託はけっこうです」と突如断りに来られたのです。だから計画もしていなければ、何がなんだかさっぱり分からなくて。その後、大変苦労しながらも、結果的には、9年間ほど自主管理をして、その間に第1回大規模修繕工事も行いました。そして平成14年12月に、委託管理に戻りました。今は丸投げ状態ではなくて、通帳も印かんも管理組合で管理をしています。様々な契約も管理会社経由ではなくて、個々に直接契約をしております。
藤本●自主管理からまた委託管理へ戻った時には自主管理の経験が生きている様子がわかります。続いて、ユニークな運営体制を持つ、ベイシティ大阪です。 独自に事務局を設置。常駐の女性が活躍! 櫻木●役員構成は理事が2年任期、16名を確保しています。毎年半数ずつ交替することで、ある程度の継続性は保てます。しかし長期計画に基づいて物事を進めたり、腰を据えて取り組む時に、理事長が毎年変わるので、思い切った策が打てなかったり、理事長に負担をかけてしまうのではと躊躇することがありました。そこで10年ほど前から管理組合に事務局という事務所を設置し、事務職員1名を管理組合で雇う形で常駐しています。区分所有者から募り、現在は2代目の主婦の方ががんばっておられまして、今年で6年目を迎えています。事務局の主な役割は、日中勤めでいない理事長や理事の留守番役というのが一つです。日常の事務や書類の整理、継続して行う書類の保管と管理、住民からの苦情や要望、意見の窓口として初期対応にあたります。さらに出入り業者との打ち合わせや調整などもやっております。 あいさつ運動など多彩な活動を実施 会場の様子 藤本●コミュニティ形成に成功した例をご紹介ください。
高田●住民による自主的な防犯パトロール、消防訓練、年末の警戒パトロール、ペット飼育者による清掃パトロールなどをやっております。毎年定期的にやっているのは、挨拶のデモンストレーション。これは小学校、中学校の子供さんに対して、管理組合の理事、代議員の有志が出て30分間挨拶をやっています。また、サークルがいろいろとあり活発に活動されています。それから講習会ですね。講師が来て「人が少ないな」と言わることは一度もなく、皆が積極的に参加しています。
藤本●共用自転車の貸し出し制度も作られていますね。
高田●無料の共用自転車を30台作りました。自転車が古くなったら破棄され、共用自転車を使ってもらっています。良い事をしたと思っています。
会場の様子 藤本●葛籠さんのところでは、大規模修繕の時に「マンション元気村」という修繕ニュースを出されましたが、それはどんな役割を果たしましたか。
葛籠●工事工程などは業者の方が掲示板に貼ってお知らせしてくれるので、その他の情報をお知らせしました。おかげで大規模修繕もスムーズにいったように思います。
藤本●大きな活字とイラストや写真が多用されて、読むのではなくて見るという感じですね。情報公開することで、住民の情報共有に有効に働いているように思えます。
会場の様子 櫻木●私どもではコミュニティ形成のために昨年ホームページを開設しました。理事会の議事、ペットクラブの活動や、子供会の活動などを写真を取り入れながらお知らせなどに使っています。また意見ももらえるシステムになっていますが、活用の状況を1年間見ますとまだ不十分です。
論理的な運営と、ルールを守る品格が必要 藤本●最後に、コミュニティ活動をスムーズにするには何が重要かを一言ずつお願いします。
高田●マンションの運営は、情緒的ではなく論理的に筋道を立てて運営すること。それと楽しく快適な生活をするためには住民はルールを必ず守る、やるべきことは必ず皆で一緒にやるといった品格が必要です。そして一生懸命コミュニティ活動をやられる方々に対して、管理組合は一緒に応援をします。それが大事ではないかと思っています。
葛籠●理事会から発行している広報誌に、「運営は清掃から。管理は挨拶から」という標語を毎回つけています。それが大本じゃないかなと思っております。
櫻木●私2年間理事をやった経験上、住民と理事会、執行部がかけ離れたものになりがちで、一生懸命やっている人と関心のない方がいらっしゃる。ですから執行部としましては、飽きずに繰り返して情報公開していく。これが大事じゃないかなと思ってやっております。
藤本●共に生きる、助け合う、という気持ちでマンションの管理を行うことが大切ではないかと思います。本日は貴重なお話し、ありがとうございました。
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「マンション管理フェスタ2007」開催速報

「マンション管理フェスタ2007」開催速報
多彩な内容でお役立ち情報を提供。おかげさまで大盛況でした。

ご案内
9月2日(日)開催「マンション管理フェスタ2007」のビデオ視聴をしていただけます。
<場所> 大阪市立住まい情報センター4階 住情報プラザ内
<お問い合わせ>TEL:06-4801-8232
*詳しくはこちらをご覧ください。
  [ セミナービデオ視聴のご案内] ※Acrobat Readerが必要です。


さる9月2日、「マンション管理フェスタ2007」が開催されました。分譲マンションの管理組合の活動の中で、大切なひとつが、住民同士の円滑なコミュニケーションです。そこで当日はマンション内のサークル活動の発表や、「マンション管理とコミュニティ活動」をテーマにした講演会、協力団体によるマンション管理に役立つ情報提供など、多彩な内容で実施され、200名以上の来場者で大いに賑わいました。
 支援団体、協力団体が一堂に会した、これだけ大規模なイベントは初の試み。「マンション管理に関する専門家の方に様々なことを聞くことができて、大変役立ちました」と大好評。参加された多くの方が、快適な住まい作りを行うためのヒントや智恵、工夫を見つけられたようです。

≪発表≫13:00〜13:30 フェスタで発表会!

踊りの披露など、サークル活動を発表 オープニングはマンション内のグループのサークル活動の発表です。民謡のお好きな方々が集まった「ますみ会」(エバーグリーン淀川)の皆様による踊りが披露されました。熱心な踊りに、会場内からは惜しみない拍手が贈られました。

≪講演≫13:30〜15:00
マンション管理とコミュニティ活動
3つの管理組合のコミュニティ活動を紹介

マンション学をテーマに研究されている藤本佳子教授(千里金蘭大学)がミニ講演としてコミュニティづくりの大切さを講演された後、大阪市内の3つのマンションの管理組合(エバーグリーン淀川、勝山東ガーデンハイツ、ベイシティ大阪)のコミュニティ活動を紹介。マンション管理組合活動の参考にしてもらいました。

※講演内容については「らいふあっぷvol.23」でご報告、このホームページでは、2008年2月に紹介します。


専門家とお話してみませんか?! 悩み解決のために専門家がアドバイス!

大阪市マンション管理支援機構の専門家6団体(大阪弁護士会、大阪司法書士会、大阪土地家屋調査士会、(社)大阪府不動産鑑定士協会、近畿税理士会、(社)大阪府建築士会)の専門家と自由におしゃべりできるコーナーを設置。当日は、多くの方が熱心に相談される姿が目立ちました。相談内容は、管理運営の問題、管理会社とのつきあい方、修繕によるトラブルなど実に様々でした。

わたしたちのマンション自慢! 役立つ実例を多数紹介しました

マンション管理組合のいろんな活動情報を見て、コミュニティ活動の参考になるように、広報誌をはじめ、役立つ実例を多数ご覧いただきました。
 

マンション管理組合ミニ交流コーナー 自由なミニ交流会を開催!

毎年の「管理組合交流会」では、ほかのマンション管理組合役員との情報交換が好評。フェスタではコミュニティ作りのコツを、ほかのマンション管理組合さんから聞いたり、成功事例や経験を伝え合うなど、自由なミニ交流会を4階の住情報プラザで開催しました。
大規模修繕工事の問題や管理会社との関係などについて、活発な意見交換が行われました。
マンション管理組合に役立つ情報コーナーを設置! 情報提供コーナー1

大阪市、大阪市住まい公社、(独)住宅金融支援機構 近畿支店から、住まいに関すること、関連資金のことなどの役立つ情報を提供。さらに、大阪ガス(株)、(社)不動産協会、(社)宅地建物取引業協会、関西電力(株)など大阪市マンション管理支援機構の賛助団体の活動を紹介。(社)高層住宅管理業協会は相談をお受けしました。

情報提供コーナー2

協力団体により、デジタル放送、光インターネット、防犯モデルマンション、マンションみらいネットなどマンション管理に役立つ情報を提供しました。
 

情報提供コーナー3

大阪市消防局から防災関連の情報、総務省から地上デジタル放送など情報を提供しました。

映像で見る、管理組合応援コーナー

大規模修繕工事・建替え事例・超高層住宅など、マンションに関する様々なビデオをご覧いただきました。
(これらのビデオは大阪市立住まい情報センター4階「住情報プラザ」で視聴できます。)

平成19年度「連続セミナー」報告

マンション設備の維持管理について
マンションライフを安全かつ快適に過ごすためには、設備の維持管理は欠かせません。管理組合の役員になられた方などを対象に、専門家が様々な角度からマンション設備を取り上げ、わかりやすく説明しました。 7月8日(日)
給排水設備配管の知識、給排水方式など、自分が住んでいるマンション設備について知ることの大切さ、そして、マンション管理のマニュアル化、自主点検などをテーマに開催しました。 講座1 マンション設備の維持管理

●築20〜30年を超えるマンションの急増
 築20年、30年を超えたマンションが増えています。お住まいのマンションがどういう設備を採用しているかを知るだけで、設備のことを気にしなくても大丈夫なのか、あるいは、しばらく先に何らかの手に打つべきか、そういう目安が立ちます。
●給排水設備配管の知識
(a)主な給水管と特徴
 給水配管で一番多いのが鉄管の内部にビニル管を挿入したVLPですが、20年から30年くらいで問題が出てきます。耐衝撃性ビニル管HIVPは、衝撃に強く、VLPの半分以下の値段ですが、強くて長持ちします。最近出た高性能ポリエチレン管は、今後VLPやHIVPから高性能ポリエチレン管に入れ替わるでしょう。架橋ポリエチレン管やポリブデン管は、柔軟性があって非常に強い管です。新築マンション専有部分ではほとんどこのどちらかが使われています。鉛管は、規制で10年くらい前から使えません。鋳鉄管は、一番強いと言われていますが、30年くらいで腐食します。
(b)主な排水管と特徴
 ビニル管VPは安っぽいイメージがありますが、強くて長持ちする管です。耐火2層管はVPのパイプのまわりにモルタルが巻いてあり、耐久性も耐火性もいい管です。SGPは、一番寿命の短い管で現在は殆ど使われません。鋳鉄管は、汚水管や屋外の排水に使われます。銅管は錆びずに、耐菌性があり、中身がヌルヌルになりにくい管です。
●給水設備
 高置水槽方式は、受水槽から揚水ポンプで屋上に上げて、いったん貯めて、自然流下で各戸に給水する方式です。一番シンプルな方式ですが、衛生面や上部の階は水圧が低いなどの問題点があります。それを改良したのがポンプ圧送方式です。高置水槽をなくして、ポンプで直接圧送して供給されます。ポンプシステムの進化で、ポンプ圧送方式が増えています。自治体により制約がありますが最近、直結増圧給水方式に変わってきています。ポンプ圧送方式との違いは受水槽がないことです。
 直結増圧給水方式のメリットは、水の安全性が高い、省エネ、メンテナンスがらく、上階の水圧の低さを解決できる、受水槽ポンプ跡地が有効利用できる、ポンプの耐用年数が向上する、などが挙げられます。詳しくは水道局に問い合わせてください。増圧給水方式への改修費用は、戸数やマンションの状況にもよりますが400万から900万円くらいです。
●排水方式
 排水方式の一般的な系統は、トイレだけ単独で集めて縦管で降り、トイレ以外の台所、お風呂、洗面所、洗濯を4つまとめて一つの管で縦で降りているもので、汚水と雑排水の分流方式と呼びます。もう一つが、集合管というシステムです。配管は一回り太いのが1本だけ。ここにトイレの水も、お風呂、台所、洗面、洗濯、すべての水を1本に入れてストンと落とします。いま、超高層の場合はほとんどこのシステムです。
●給水管、排水管の更新と更生
 配管の内部を掃除して、コーティングすることを管更生といい、配管を取り替えることを更新といいます。
 給水管改修の場合、専有部分、共用部分、まとめて工事をするというのが、正しいスタンスです。まず配管の取り替えができるかどうか検討します。どうしても無理な場合は、共用部分は取り替え、専有部分の内部はライニングでいく方法が妥当かなと思います。
 排水管の場合、最近はライニングが主流です。各社しのぎを削って、いろいろな工法で実績をつくり、信頼性が上がってきています。一番のメリットは、1系統1日でできるということ。それに材質的な安全性を確かめる必要もなく手軽にできるので、排水のライニングがここ4、5年くらい脚光を浴びています。

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ミニ講座1 管理組合活動報告「自主点検から中・大規模修繕へ」 自主点検でデータを集積。その上で修繕をすればいい 講師 平松 英伸(ひらまつ ひでのぶ)
グレーシィ天神橋 管理組合 監事
私らの管理組合には、維持管理取扱説明書があり、維持管理の方法をマニュアル化すれば管理組合主体の維持管理はそう難しいものではありません。
 例えば、マンションの点検には日常点検、定期(自主含)点検、臨時点検があり、自主点検は管理組合主体で、時期は総会の約3ケ月前に行い、今どのような状態にあるかを総会に報告します。また点検目的は補修、修繕、改修と長寿化対策です。判断のもとは点検結果や情報収集で、管理組合が主体で、その補佐として管理会社、コンサルタントが居り、修繕工事内容と時期を計画することです。
  自主点検もせず、いきなり中・大規模修繕を計画するのは不可解です。  ※(注)講座1〜3&ミニ講座1〜2の講師の役職、部署等は講演時のものです。

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平成18年度「管理組合交流会&相談会」報告

「管理組合交流会&相談会」報告
管理組合運営を円滑に行うために、管理組合の皆さんが日頃どのような活動をされているのか情報を交換し、今後 の参考にしてもらえるよう交流会を開催しました。 「管理組合交流会&相談会」報告
 当日は28名の方が5組のグループに分かれてテーマ別に意見交換。様々なマンションの管理組合役員の皆さんが、各自の問題や苦労を共有しあい、大阪市マンション管理支援機構のコメンテーター(弁護士・建築士)からアドバイスを受け、解決のヒントを得て有意義な時間を持つことができました。
 指定された席につくと、初対面の管理組合役員の皆さんは、交流会が開始される前から仲良くおしゃべりを始められ、日頃からマンション居住者のコミュニケーションに気を配っておられるお人柄が出ていました。
 支援機構の常任委員が司会をつとめるなか、各マンションのプロフィール紹介、話し合いたい内容を説明し、交流が始まりました。
 話し合われた内容の一例を紹介します。

テーマ「管理組合運営」

  • 理事をどうやって決定しているか
  • 理事長の組合運営のやり方が強引
  • 規約改正
  • 管理会社が動かない
  • 町会費の事
  • 管理組合の理事に報酬
  • 管理費の滞納問題
  • 運営は、頻繁に皆で話し合う事が大事
  • 理事の判断が大切
  • 自主管理のメリット・デメリット

テーマ「修繕」

  • ブースターポンプのメリット、デメリット
  • 修繕積立金問題
  • 給排水管の取替工事
  • 瑕疵の疑いのある部分の修繕
  • 修繕履歴の残し方
  • 大規模修繕の意思決定のプロセス
  • 修繕委員の選出
  • 業者選定
  • 建築士の費用等
  • シックハウスの問題

テーマ「住まい方・防犯」

  • 防犯カメラの設置と規則・細則
  • ペット問題、マナー問題
  • 自転車置場問題
  • 維持管理、掃除や植栽の手入れ
  • 植栽の管理はシルバー人材センターに

コメンテーターまとめ

【弁護士】 裁判よりも、できれば話し合いで 解決してください

 マンションの場合、通常、弁護士が関係する案件と違って、争った後も、争う前も、争っている最中も近くに住んでいないといけない。そういう関係があるので、どちらが正しいかという結論を突き詰めていって、最後には裁判にしましょうという解決の仕方は不毛な結論を導くことになります。
 そういう意味で、コミニケーションをどうとるか、要望があればそれを多数の要望としてどう出すか、そういった行動や話し合いで解決できる問題はなるべくその解決をして、どうしても必要なことだけ最小限、裁判をすること。

【建築士】 自分のマンションは自分で健康診断を してください

 お住みのマンションを身体に例えてください、とご説明しました。身体は見た目は若くても、実は年をとっている。皆さんも定期的に健康診断を受けられる。その時に悪い所は早く見つけて、早く手を打つ。これをするには、やっぱり専門家集団に意見を求められるのがいいじゃないですか、ということで、長期修繕計画の重要性をお話しました。
 皆さん、自分のマンションは自分で守ろうという気概に燃えていますので、自分のマンションは自分で健康診断をして、維持管理に努めて資産価値を保っていただくようにお願いします。
  コメンテーターのまとめを受け、会が終了しました。話が盛り上がったため、予定時間をオーバーしての閉会となりました。
  「他のマンションではどうしているんだろう?」といった疑問をお持ちの管理組合さんは、解決方法を見つけるためにも、次回の交流会にはぜひご参加ください。

<個別相談会>

 当日は専門家による個別相談会も実施。弁護士・建築士・マンション管理専門相談に6組の管理組合さんが問題解決のアドバイスを受けました。
  相談内容は、管理組合運営について、管理費や修繕積立金について、耐震診断、管理会社についてなど様々でした。

平成18年度「大規模修繕工事見学会」報告

大規模修繕工事見学会
コスト削減と説明責任を果たすため
コンサルタント2社を併用!

12月3日、大阪市マンション管理支援機構として第3回目の大規模修繕工事見学会を弁天第2コーポ管理組合のご協力により開催しました。弁天第2コーポは、地下鉄・JR弁天町駅から徒歩7分の場所に建ち、SRC造11階建(1〜3階が区民センター、4〜11階が住宅)・総戸数55戸のマンションです。築24年を経過し、今回が2回目の大規模修繕工事です。

<見学マンションと工事の概要>

弁天第2コーポ
(大阪市港区弁天1-2-27)
SRC造11階建(1〜3階は区民センター等、4〜11階住宅)
総戸数55戸/築24年
工事内容(1)下地補修 (2)壁面塗装 (3)鉄部塗装 (4)防水 (5)シーリング (6)各戸玄関扉取り替え修繕 (7)オートロック設備 (8)その他
工 期平成18年8月〜平成18年12月
施工業者選定(株)シーアイビー
設計・監理(株)スリーエース総合設計
施工アキツ工業(株)

● 効率的に、施設部と住宅部を一体工事

(写真) 昭和57年発足当初より自主管理で頑張っておられる弁天第2コーポ管理組合。大規模修繕工事着手までの経緯を、理事長さん、大規模修繕委員会の委員の方、そして同管理組合が顧問契約しているマンション管理士の杉田氏から説明がありました。
 同マンションの場合、3階までが区民センター(施設部)、4階以上がマンション(住宅部)となっているため、過去の大規模修繕では、施設部と住宅部がそれぞれ別個に実施していたが、合理性・経済性を考え、今回は一体として行えるように平成15年より両者で話しあいをもち、規約を改訂。そして現在、このように2者共同で大規模修繕することができました。

● 段階的に修繕積立金を値上げする

 資金計画においては、段階的に修繕積立金を値上げした他、機械式駐車場の運用を見直し、収入増加を見込んだこと。また、工事代金のうち、施設負担分は大阪市民の税金であることから、コスト削減とコストおよび費用対効果などの説明責任を十分に行う必要があることから、コスト削減と大規模修繕工事に実績のある2社にコンサルタント業務を委託しました。1社は建物診断調査と改修工事設計と監理を担当し、もう1社は、施工業者選定作業を担当しました。

● 工事費用削減方法に興味

(写真) 続いてコンサルタント2社がスライドを用いて具体的に説明。特に施工業者選定作業は、通常、元請施工業者3〜10社ほどの見積もりをとって進めるのに対して、まず孫請け、ひ孫請けを排除したうえで、元請施工業者21社、専門工事業者のべ80社から見積もりを取って絞り込み、交渉とヒアリングを重ねて元請業者を決定。そして元請業者と専門業者が見合いをして専門業者を決定する工事費用削減方式に、参加者は関心を寄せられていました。
 続いて狭き難関を勝ち抜いた元請業者が、掲示板や各戸へのチラシ配布などを通じて工事内容を丁寧に知らせるなど、工事で心がけている点などを述べられました。

● 質疑応答で活発に意見交換。そして現場見学へ

(写真) 質疑応答では、コンサルタントの採用と選定経過、業者決定のポイント、将来の建て替え計画の有無など多くの質問がありました。続いて行われた現場見学は4班に分かれて、施工会社とマンション管理士、設計士の引率により実施。参加者の皆さんは、施工状況を興味深そうな様子で見てまわられ、無事終了しました。
 実は、今回の工事見学会は、マンション管理士の方からのはたらきかけで実現したもの。「工事見学会を行うことで、見てもらって恥ずかしくない工事をしようという管理組合、各コンサルタント、施工業者のモチベーション向上に役立つと思い、管理組合の総会で見学会開催の決議を取ってもらいました」。
(写真) マンション管理士の役割等、専門家の活用と重要性もわかり、とても有意義な工事見学会でした。ご協力いただいた弁天第2コーポ管理組合の方々、および関係者の方々に心よりお礼を申し上げます。

平成18年度「らいふあっぷ基礎講座&相談会」報告

模擬総会〜総会を実演し、解説〜
模擬総会では、総会運営をスムーズに行うために標準的な進行と、注意するポイントを念頭に、5場面を設定。各場面で演技を行い、その後でポイントについて専門家の方に解説をしていただきました。第1場面から第5場面まで演じましたが、紙面の都合上、一部を割愛しています。
出演者

久保井

川島 裕理
大阪弁護士会

久保井

山田 由美子
近畿税理士会

久保井

川畑 雅一
(社)大阪府建築士会

【第1場面】受付対応での問題 (写真)


ポイント


賃貸居住者の問題と、議決権行使の届け出者以外の者の出席の取り扱いについて


解説:川島


 賃貸居住者が出席したいと言ってきた場合ですが、区分所有法44条1項に「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる」と定められています。賃貸居住者は議決権はありませんが、総会に出席して意見を陳述する権利が認められています。ただ、今回のような修繕工事に関する議案は、法律上の利害関係はないと考えられており、賃貸居住者に出席して意見を陳述する権利はありません。ただ、賃貸居住者に参加してもらって意見を聞くということには問題はないので、賃貸居住者にも参加してもらうことが組合のためにはいいのではないかと思います。
 次に、事前に共有者の一方を議決権行使者として届出をしていたのに、それとは異なる人が出席して議決権を行使したいと言ってきた場合です。区分所有法40条には「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない」と定められていますが、法律上、特に届出時期・届出方法に限定はありませんし、一度届け出た行使者を変更してはいけないといった定めもありません。また、管理規約46条3項には、「議決権を行使する者を1名選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない」と定められていますが、総会の開会までに理事長に申し出ています。そういうわけですので、具体的な状況下で、他の共有者も行使者を変更する意思があると判断できれば、行使者の変更を認めることができます。 【第2場面】開会と議長、書記、記事録署名人選出


ポイント


管理費等の未収金の会計処理の問題とペイオフ対策について。
そして自治会行事の参加費に関して


解説:川島


 議長の選出については、区分所有法41条に「集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる」と定められています。「規約に別段の定めがある場合」として、管理規約42条5項に、「総会の議長は、理事長が務める」と定められていますので、議長の選出について特に決議をとる必要はありません。ここで「異議あり」と仮に誰かが言っても、異議を却下することができます。
 管理組合で何か重要な事項を決定するときには総会決議が必要になります。総会決議の種類としては、普通決議と特別決議があります。区分所有法の39条に普通決議として「集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する」と定められています。特別決議事項として、過半数以上の決議をとることが定められていない限り「区分所有者及び議決権の過半数で決する」ということで、普通決議でよいことになります。 【第3場面】事業報告、決算報告、監査報告 (写真)


ポイント


管理費等の未収金の会計
処理の問題とペイオフ対策について。
そして自治会行事の参加費に関して


解説:山田


 まず滞納について、収支計算書の収入の部にあげる金額は、入金があった時点ではなく、未収が確定した時点で収入すべき金額を計上します。これを発生主義と言います。発生主義処理で計上しないと、予算と対比ができにくかったり、未収金が決算書に現れてきません。未収金を管理しておかないと、滞納者が出て管理費を支払っていなくてもその事が分かりにくくなります。そういう事がないためにも、発生主義によって未収金計上をすることが求められています。
 ペイオフ対策については、17年4月より当座預金や利息がつかない預金である決済性預金については全額保護されますが、一般預金等については、1金融機関について元本1,000万円と利息までしか保護されないようになりました。ですので、幾つかの金融機関に分散して預け入れるのも一つの方法です。あと、自治会行事参加費についてですが、マンション標準管理規約コメント第27条第2項を要約すると、管理組合の役員が町内会に出席するのは管理組合活動であると認め、管理費からの支出を認めると書いてあります。 【第4場面】修繕工事の実施について (写真)


ポイント


アスベストの除去と、修繕工事の採決を普通決議で行うことについて


解説:川畑


 アスベストの除去については「大阪市民間建物吹付けアスベスト除去等補助制度」があります。申込の対象条件は、大阪市内のマンションでの共用部で、申込者が管理組合の代表者であることです。アスベストの含有調査に対する補助金と、アスベストの除去工事等に対する補助金の2つの補助金制度があります。
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「マンションらいふあっぷ基礎講座」報告

11月26日
大規模修繕の進め方やガス設備の更新、そして管理組合の最高の意思決定の場である総会の進め方のポイントを「模擬総会形式」で再現し、解説しました。 大規模修繕の進め方(建替・修繕・耐震強度チェックポイント)

●工事の準備段階こそ重要な部分です
 大規模修繕工事の準備は、一般的に以下の順番で進められます。
 [1]アンケート→[2]現地調査→[3]修繕項目範囲の検討→[4]改修工事の検討→[5]仕様・工法・工期の検討→[6]概算予算の検討→[7]組合財政との調整→[8]修繕項目・範囲・改善・改造・仕様の決定→[9]工事中の生活への影響問題の検討→[10]仕様書の作成→[11]仕様書の最終確認→[12]見積参加会社の検討→[13]施工者決定のルール検討→[14]見積参加会社の決定→[15]現場説明→[16]質疑応答→[17]見積書徴収・検討・接渉・決定→[18]理事会又は総会の承認→[19]契約→[20]居住者への工事説明会→[21]着工前打合せ→[22]着工。
 準備段階から検討事項を経て、工事施工者を決め、工事にかかりますが、この一つ一つを確実にやっていけば大規模修繕工事は間違いなくできます。とくに工事の準備段階が非常に重要で、工事が始まった時点で、もう7割くらいプロジェクトとして経過しています。足場が立って一般の人が「うちのマンション、大規模修繕工事が始まったな」と思った時は、残りは3割ほどです。また、工事後の点検も重要です。1年点検は最近でよくやられていますが、3年点検、5年点検はあまりされていません。最初の契約時点で含めておいていただきたいと思います。
●修繕だけでなく、改修工事も必要に
マンションも20年30年たつと、修繕だけでは済まなくなります。修繕以外に、エントランスホールのグレードアップや自転車置き場、駐車場等の外構改修、バリアフリー工事など、マンション共用部分の改修工事を合わせて行うケースが増えています。なぜ改修工事が必要になるか。まず、高齢化と世帯数の減少という社会問題があります。世帯数が減ると住宅が余ってきます。でも不思議なことに、マンションは今もどんどん建ち続けています。そういう状況の中で、生き残っていくマンションは、常に住まい方を管理組合として考えて改修を加えているマンションです。居住者から何を不便と思っているか、何を足りないと思っているかなどを意見聴取します。そして「ずっと住もう」と思うマンションに変えていく。費用対効果もありますが、今私が幾つかやってきている中で、いいと思ってやった事で、後で費用についてのクレームが来たことはありません。必要なことをやるためには躊躇せずに決心をして進めていくことが必要です。

ミニ講座3 マンションのガス設備更新におけるお役立ちセミナー
16号から24号への変更で ガス給湯器の能力不足を解消
講師 岩崎 聡史(いわさき さとし)
大阪ガス(株)大阪リビング事業部

 給湯設備の種類は100以上あります。大きくは設置場所・能力・機能などで分類されます。たとえばマンションに設置するタイプなら、設置場所によりチャンバ式・PS(パイプシャフト)設置式・屋外式などがあります。ガス給湯器の能力で言えば、以前は代表的なものが16号、今出ている能力の大きいのは24号です。「号数」とは水温より25℃高いお湯を1分間に出せる湯量の数値です。16号はワンルームマンションや2カ所給湯に、24号はファミリータイプや3カ所給湯に付けています。ご家族が増えると24号の方がいいですね。お風呂のお湯を張る時間も24号なら10分程度です。給湯器は家の設備ですので、給湯器の取り替えでお金を払うのは区分所有者さんですが、設備更新の際に共用部の変更をともなうことがあります。共用部分の変更となると管理組合様で検討していただく必要があり、私どもでは工事仕様書を作成・検討することで、マンションの美観を保ちながらより快適な生活ができるようお手伝いさせていただいております。また、設置可能な給湯器の号数は私どもで調査をしていますので、気軽にお問い合わせください。

 ※(注)講座1〜6&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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「マンションらいふあっぷ基礎講座」報告

11月12日
多くの管理組合さんが悩んでおられる管理費等滞納への対策や、マンション共用部分 リフォーム融資、管理組合会計などをテーマに開催しました。 管理費等滞納への対策

●管理費等の滞納に対する予防策
 予防策としては、まず徴収方法を明記する。それも自動振替にしておくことが望ましいでしょう。次に、遅延損害金等の定めを管理規約にしておくこと。管理規約に定めがなくても、民法上5%の遅延損害金を請求できます。ただ高めの利率を設定すれば、滞納に対するプレッシャーになります。さらに弁護士費用・訴訟費用も、滞納者に負担してもらうことを管理規約に書いておくのも一定の意味があります。次に対応マニュアルを作り、周知徹底する。同時に滞納者リストの作成と滞納状況の不断のチェックが必要です。水道や電気等の滞納者に、水道や電気を止めることが許されるのか。駐車場使用契約を一方的に解除することが許されるのか。滞納者の氏名を公表してもいいのか等の問題がありますが、問題が大きくなる前の最大の予防策は、信頼関係を築くことではないかなと思います。
●管理費等の滞納が発生した場合の解決策
 管理費等の滞納が発生した場合の解決策として、まず滞納理由を聞くことです。意図的に悪意をもって払わない人と、経済的な理由から払えないという人と区別して対応する必要もあります。まず口頭によって請求。それでも払ってくれない場合は、文書による督促になります。(1)ポストに直接投函、(2)掲示板での通知、(3)配達証明付郵便の送付、(4)内容証明付内容証明郵便の送付の順になります。(4)は、消滅時効(消滅時効期間は5年)を中断する手段にもなります。これらの措置をとった結果、分割弁済などの合意を取り付けた場合は、合意書、念書を作成すること。でも確信犯的に「私は絶対払わない」と言っている人には、合意書や念書は作れない。その場合には裁判になります。5年経過する前に、最後は裁判をしないといけない。あるいは、区分所有法の競売申立が使えます。

わかりやすい管理組合会計

●収支予算表を作成し、総会で承認を受ける
 管理組合は予算会計でやります。一般の会社でも予算会計ですが、少し違うのは、管理組合は、各区分所有者からお金を供出していただいて、そのお金を管理組合の目的達成のために使う。それが管理組合の会計の目的です。管理組合の収入は、管理費と修繕積立金です。これは必ず払わないといけない。標準管理規約の第25条に「区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、管理費等を管理組合に納入しなければならない」と書いています。支出は、第27条に、管理組合は区分所有者から預かった大事なお金を、「通常の管理に要する経費に充当する」と書いてあります。それで収入と支出の予算表を作り、総会に提出して皆さんの承認をもらう。1年が終わると今度は実際に使った収入と支出を収支予算表に書いて、実際の出費と予算の差異を分析して、区分所有者の了解をもらう。これが予算会計と言われるものです。
●非営利会計だから損益計算書はなし
 管理組合会計の特色をいくつか紹介しましょう。管理組合会計の一番大きな考え方は、非営利会計ということです。一般の企業は営利企業ですから、お金もうけですね。また、会計処理は一般会計原則に基づいて処理します。真実性及び明瞭性の原則ですね。ですから収支計算書や貸借対照表などの財務諸表は真実でなくてはいけない。目的別会計とは、「修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない」とされています。管理費会計と修繕積立金会計は区分して管理しろという考え方です。一緒にすると必ず問題が起こります。また、一般企業会計は損益計算書ですが、管理組合会計は収支報告書です。というのは管理組合は基本的に損益がありません。ですから収支報告書でいいのです。

ミニ講座2 マンション共用部分リフォーム融資
1戸あたり150万円まで 無担保で融資が受けられます。
講師 工藤 俊則(くどう としのり)
住宅金融公庫大阪支店 まちづくり推進グループ長
 公庫の「マンション共用部分リフォーム融資」の特長はいくつかありますが、まず、管理組合名義で申込みができるため管理組合代表者の“個人名義”での借入とはならないことがあげられます。また、管理組合の法人格の有無も問いません。ご融資額は1戸あたり150万円以内で工事費の80%まで融資が受けられます。なおかつ、財団法人マンション管理センターが管理組合の保証をし、無担保での借入が可能ですので、理事長様個人の物件に抵当権を設定することもござませんので安心してご利用いただけます。返済期間は管理組合申込みの無担保コースの場合、最長10年の固定金利でのご利用となります。金利は申込み時点の金利が適用されますので、返済計画が立てやすいことも特長の一つです。また、耐震改修工事をされる場合は通常より0.3%金利が優遇されます。マンションの大規模修繕も築年数が経過し、2回目、3回目ともなると修繕積立金が不足する場合も出てきますので、そのような場合は是非公庫融資の活用をご検討ください。  ※(注)講座1〜6&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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平成18年度「らいふあっぷ基礎講座&相談会」報告

らいふあっぷ基礎講座&相談会
円滑な管理組合運営と適切な維持管理による快適なマンションライフをめざし
新しく管理組合の役員になられた方などを対象に、円滑な管理組合運営などに必要な基礎的な知識について専門家がわかりやすく説明。計3日間にわたり合計9講座を開催しました。別途、個人相談会も実施しました 10月29日
管理組合とは何をするのかという基礎的な知識から、実践的な防犯対策、マンション管理 標準指針の利用方法などをテーマに開催しました。 管理組合って何をするの!?(初めて役員になった1年間)

●管理の善し悪しは組合員が握っています
 マンションとは、2以上の区分所有者が存する建物で、人の居住の用に供する専有部分のあるもの、並びにその敷地及び附属施設のことです。そしてマンションの管理の主体は、区分所有者の団体である管理組合です。つまり、マンション管理の良し悪しは、組合員が握っています。スムーズな管理組合の運営は次のようなことを認識する必要があります。管理主体は管理組合であり、管理組合は自治組織であること。直接、総会で集まって議決します。管理会社との付き合い方は、管理会社はパートナーであるということ。全部お任せにしては駄目です。一緒に、快適なマンションライフができるように管理会社の管理業務をチェックします。それから専門家を利用する。それから管理組合の将来計画を立てます。
●共同で管理することの大切さ
 管理組合運営の具体的な方策は、まず具体的な「計画を立てる」。次に、管理規約や長期修繕計画を見直したり、きちんとした管理体制をつくるなど「実行する」。次に管理標準指針などを使って、管理組合がうまく運営されているかを「評価する」。次に、高齢者も住みやすい居住環境づくりや、民主的な管理組合の運営に「改善する」。そして。管理組合が自立的に継続的で、計画的で、連続的な運営ができるように「自立する」。その際、理事会、管理組合、専門委員会の情報を公開してください。いま議論していること、やっていることを掲示板に張るだけでもいいんです。そして住民の意見を反映できるようにする。それから健全な会計にする。管理組合同士の情報の交流も必要です。こうした形でマンション自身が自立することが重要です。つまりマンションは一戸建てと違って、顔を知る、助け合うだけではなくて、共同で管理することなのです。

マンション管理標準指針〜マンション管理の一層の適正化のために
●「標準的な対応」と「望ましい対応」を紹介
 「マンション管理標準指針」や「マンションみらいネット」がなぜ構築されたのかについてご説明いたします。平成13年8月にマンション管理適正化法が施行されて、マンション管理の主体は管理組合であることが謳われました。そして平成16年1月の標準管理規約の改正で、修繕履歴の整理、設計図書等の保管が組合の業務として新設されました。では我々管理組合の人間は、具体的に何を基準に管理したらいいのか知りたいというご要望等にお応えするために、昨年12月、国土交通省が「マンション管理標準指針」を策定して公表しました。本指針では重要性の高い項目を選定。管理組合の運営から管理業務の委託まで5分野、66項目書かれています。この指針は、管理組合の方が一般的にはこの程度の事はやってくださいよという「標準的な対応」と、次の目標としてやってほしい「望ましい対応」、そしてなぜそうなるのかというコメントが付いています。皆様方は、マンション管理を見直されるときに、これを参考にしてください。
●マンションみらいネットも上手に活用
 でも役員が、毎日管理事務所に詰めて事務をやっているわけではありません。そこでうまくシステム化するために、国の補助事業として「マンションみらいネット」が誕生しました。例えば、理事会や管理組合の活動状況、修繕履歴、設計図書等の保管場所などをセンターのコンピュータに登録することで、インターネットでいつでも見ることができます。さらに中古マンションを買おうと思っておられる一般の方も閲覧検索できます。現在、このみらいネットに、全国で約330件の管理組合が登録しています。大阪府下では26管理組合です。7月からインターネットで見ることができますので、ぜひ一度、他のマンションも見ていただきたいと思います。
ミニ講座1 管理組合活動報告 防犯モデルマンションの紹介
防犯に強いマンションづくりに 皆様方も取り組んで下さい。
講師 池田 正隆(いけだ まさたか)
ルモン・夕陽丘学園坂 管理組合 副理事長


 私どもは平成17年8月に申請して、防犯モデルマンションに認定されました。防犯モデルマンションとは、各都道府県警察の外郭団体で防犯協会連合会が認定を行う、犯罪に遭いにくいマンションのことです。基準は、外部から侵入しにくい構造。共用部分の見通しを確保した構造。エレベータ内に防犯カメラ、非常通報装置を付けておくこと。駐車場、駐輪場等の明るさの確保。ピッキング困難な鍵と補助錠の設置です。詳しい内容や、申請から認定までの手順についても、「大阪府防犯協会連合会」のホームページで内容が公開されていますので、ご覧ください。
  泥棒の侵入経路ですが、建物内・共用部分へは玄関オートロック、外壁、屋上、この3つをきちんと押さえておけば建物内に侵入することを抑えることができます。住戸内への侵入経路としては、玄関ドアと、バルコニー、窓の部分になります。防犯対策をするにあたって、業者のいいなりにならず、ぜひ皆さんで調べて相場等を認識し、対策してほしいと思います。  ※(注)講座1〜6&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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