平成16年度「第10回分譲マンション管理セミナー&相談会」報告

第10回分譲マンション管理セミナー&相談会
快適なマンションライフのためには円滑な管理組合運営を行う必要があります。今回は、セミナーと個別相談会が開催されました。
セミナーの様子 セミナーでは、(社)日本建築家協会・メンテナンス部会の星川晃二郎元部会長に、マンションを良好に維持管理するための大規模修繕の進め方のポイントと、改修によるグレードアップの事例紹介を、(社)大阪府不動産鑑定士協会の八杉茂樹副会長に、マンションの資産価値を高める管理の重要性について、分かりやすく解説していただきました。

大規模修繕のポイントとグレードアップ
●大規模修繕のポイント (1)大規模修繕委員会の発足
 理事会は1、2年でメンバーが替わります。大規模修繕は継続性が必要です。そのために修繕委員会を発足させます。管理規約になければ、管理規約の中に委員会の項目を作って発足させます。いつ発足させるかということですが、遅くとも工事の3年ぐらい前で、早ければ早いほど良いです。委員会のメンバー構成は、理事の経験者、内部の専門家や技術者などです。

(2)パートナーの選定
 設計監理方式の場合、費用の多寡よりも信頼できるところが良いです。設計監理費は、工事費と比べれば絶対額としては少なく、決める際には信頼できる、ここぞと思うところに決めて頂きたいと思います。それから責任施工方式の場合、チェック機能は必要です。監修方式は、施工会社や管理会社が責任施工で工事を行うが、設計事務所が、管理組合の立場に立って重点的にチェックしていく方式です。小規模マンションでは有力な方法です。

(3)調査診断時点でのポイント
 調査診断で大事なのは、経年劣化か工事の不備かということです。工事の不備は、瑕疵の問題に該当します。原因究明と瑕疵対策ということで、10年目までにめどをつけます。また、調査診断した時点で、大規模修繕の内容と時期を決めなければなりません。足場をかけて一斉に良い性能と状態に戻すのが大規模修繕です。だから、まとめていつ行うのかを決めます。さらに改良・改善提案すべきところを診断の中に織り込みます。光ケーブルやセキュリティをどうするか。そのあたりがポイントになるかと思います。

(4)修繕設計時点でのポイント
 調査診断が終わりますと、修繕の設計をしなければなりません。材料・工法・性能の保証をどうするか、というのが非常に大事です。何年を目標とするのか。例えば屋上防水や外壁塗装の保証を何年にするか、この対応年数が決まれば、それにあった材料や工法を選ぶことになります。また、メリハリのきいた修繕やカラースキームで、グレードアップやイメージアップを図ります。カラースキームとは、外壁の色を変えてイメージを変えることです。それから工事予算との関係ですね。優先順位をつけてやらなくてはいけません。足場がなければできない工事が第一優先です。外まわり、建物周りは、足場が無くてもいつでもできるので後回しになります。

(5)施工会社選定時点のポイント
 施工会社選定時のポイントとして、最近は、透明性、公正さが言われます。ですからマンションの中に掲示したり、業界紙に出して公募します。募集要項をみながら見積もり業者を決めていきます。施工会社の決定は、施工会社の改修実績、技術力、ソフト力、保証能力、現場の所長の人間性などで選びます。

(6)合意形成のポイント
 合意形成のポイントで一番大事なのは、情報をたくさん流すことです。区分所有者へのPRすなわち広報やアンケートですね。あとは、団地型になりますと、棟委員会や階段委員会があります。いろいろ連絡をとりながらできるだけ理解を深めてもらいます。あと、居住者説明会をやります。大規模修繕の時には、調査診断が終わった時点や、修繕設計が終わった時点などでやります。資金計画のポイントでは、不足時の対応として、一時金にするのか、借り入れにするのか、返済をどうするのか、きっちり対応を考えておかないといけません。また、予備費がないと、基本的には満足のいく工事はできません。例えば外壁等の改修工事だと、実際に足場をかけてやってみないとわからないことや、確定できないことが多々あります。それに対応するために10%ぐらいはみておくと良いでしょう。

(7)工事施工時点でのポイント
 工事施工時点でのポイントは、管理組合と居住者と施工者と監理者、この4社が力を合わせてやること。密な連絡、打ち合わせ、工事報告会をしながらやることが一番大事です。それから施工確認・検査も、当然、施工者、工事監理者、居住者、管理組合の4段階で行います。追加・変更・工事費の増減に対しては、実費清算方式で行います。例えば、外壁タイルの改修は外から見ただけでは、剥がれそうかどうか分かりませんし、補修枚数も決められません。最初予想もつかなかったことも出てきます。臨機応変の処置も必要になってきます。また、早めの変更協議が大事です。全部終わった後から、これを承認してくださいといっても、管理組合も大変です。工事報告会や協議会で、早めに出して対応していきます。

(8)竣工、アフターケア
 検査も済んで、竣工ということになりますと、竣工図書を引き渡します。竣工図書は、工事の記録、工事の保証書、アフターケア体制等です。アフターケアは、請負者が、どういうことを今後してくれるのか、定期点検内容や問題が起きた時の対応もこの中に書いて入れていく。非常に大事なものですから、きっちり保管をしておきます。

●グレードアップの対象部位と項目例  グレードアップの対象部位としては、屋根の防水、外壁塗装、床防水、鉄部の塗装、建具、金物。あと、玄関ホールだとか、共用室の内装だとか、床の貼り替えなどもこの中に入ります。項目例として、耐震性能、バリアフリー、エコロジー、省エネルギー、防犯性、機能性・利便性、耐久性・維持管理性、快適性・美装性などがあげられます。
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第9回マンション管理セミナー&管理組合交流会報告

管理組合交流会は、セミナーに参加された方のうち36管理組合の方が参加され、管理組合活動での悩みや取り組み事例などについて、意見交換がなされました。  今回の管理組合交流会は、自主管理をしている管理組合の方を集めたグループのほか、課題毎([1]管理組合運営、[2]修繕関係、[3]住まい方)のグループ等、6名ずつ6グループに分かれ、事務局スタッフが進行役となりました。参加者の自己紹介につづき、各管理組合の日常活動での悩みを中心に意見交換が行われました。
意見交換された内容の一部をご紹介いたします。

意見交換の概要

  • 再開発のマンションであるが、元地権者と後からの入居者で意見がかみ合わないことがある。
  • 新潟地震もあったので、災害時の対策として、保存食料を管理組合で準備したい。
  • 現在、規約改正を進めており、役員で標準管理規約との読み合わせを行っている。
  • 今年、管理会社を変えたが、管理の質が悪くなったような気がする。
  • 町会と管理組合の役員の交流は大切である。
  • 役員には若い人たちを参加させないと、管理組合が活性化しない。
  • 管理員は居住者をよく知っているので、役員に適した人の情報を管理員に聞くのもいいかも。
  • 駐車場料金は周辺の駐車場料金を調査して、適正価格を設定すべきである。
  • 修繕に一番大切なことは、広報活動と契約書をよく見ることである。
  • いくら正しいことをやっても、一人でやれば周りから反発を招くこともある。
  • 補修を行う際に、管理会社の技術部から担当者を呼んで補修方法などについて説明してもらっている。
  • 自主管理をしているが、役員の高齢化で、今後の組合運営が不安である。

交流会の最後に、グループ毎でどのような話がされて、どのように感じたか発表してもらいました。発表された意見の一部をご紹介いたします。

参加者による発表

  • 管理員がしっかりしていれば、マンションは良くなる。
  • マンションの資産価値は管理が重要であるため、住民のコミュニケーションがマンションを良くする。
  • 他のマンションの管理組合でも色々な悩みがあることがわかり安心した。
  • 他の参加者と話ができたことが、一番勉強になった。
  • 色々な問題がおこっても、乗り越えられるという勇気をもらえた。
  • 一番参加して良かったのは、自分だけではなく皆さん悩んでいるということが分かった。解決するためには、皆で頑張らないといけないんだなと感じた。

また、交流会には法律や建築技術問題でアドバイスが必要な場合は、別途待機しているアドバイザー(弁護士、建築士)によるアドバイスがなされました。交流会の最後にアドバイザーによるコメントが行われました。
アドバイザー(弁護士)によるコメント
 マンションの問題の場合、法律的な割り切った結論はあると思いますが、今後も同じマンションで生活していくことを考えて、もっと温かみのある解決策を考えることが必要であると思います。
アドバイザー(建築士)によるコメント
 計画修繕において、建物調査では発見できない箇所があるため、管理組合によるアンケートが重要です。計画修繕では色々な補修項目がありますが、防水・外壁・廊下・バルコニーの四つの要素が重要で、予算に余裕がなければ優先順位をつけてやればよいと思います。

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平成16年度「第9回マンション管理セミナー&管理組合   交流会」報告

第9回マンション管理セミナー&管理組合交流会報告
マンション管理組合の円滑な運営には、他の管理組合との情報交換がとても大切です。今回は、セミナーに続いて、支援機構として3回目の管理組合交流会が開催されました。
セミナーの様子 セミナーでは、財団法人マンション管理センターに寄せられた相談事例の中から、とくに多い相談内容の上位5項目を中心に、財団法人マンション管理センター大阪支部・宇都宮忠支部長に講演していただきました。


マンションの相談事例から
 管理組合の日常運営について
 マンション管理センターでは、皆様方からいろんな質問や相談を受けていますが、今日は、その中から具体的なお話をさせていただき、マンション管理に役立てていただきたいと思っています。
 一番多い相談は、管理組合の日常運営のことで、役員の資格あるいは選任、解任、任期の相談です。役員の資格については、管理規約に「誰が役員になれるのか」ということが書かれています。一般的には、現にそのマンションに居住する区分所有者、となっています。ところが、いつの間にか賃借人が役員になっているケースがあります。賃借人は、基本的に区分所有権がありませんから役員になる資格がない。けれど、何年かたってきますと、「公平にということで、賃借人に役員になってもらってもいいじゃないか」という考え方も出てきます。賃借人が役員になるには規約の改正が必要です。
 ただ私どもがよく申し上げるのは、賃借人を仮に役員にしようということであれば、役割分担の中で、ある程度の制限をしていただいた方がいいだろう。一般的には3役ぐらい、理事長、副理事長、会計担当の理事は、やはり賃借人からははずしていただきたい、と申し上げています。
 区分所有法・管理規約について
 区分所有法・管理規約について相談が多いのは、所有区分です。どこまでが共用部分でどこからが専有部分なんですか、という相談が結構たくさんあります。確かにこれは悩ましいところがありまして、法律上でも、ここからここまでということはうたってない。法律でうたっているのは、専有部分以外は全部共用部分、あるいは共有地という言い方をしているんですね。そうすると専有部分以外というのはどこまでか、というのが法律上はどこにも書いていない。これは結局規約で決めるしかない、ということになります。難しいのは配管とか配線です。この配管や配線については、ある管理組合は絵にしています。絵にすることによって、一般の組合員はよくわかる、ということがあると思います。
 総会について
 総会について相談があるのは、委任状とか議決権行使書ですね。おそらく規約には、議決権行使については、規約で代理人による議決権行使と、書面による議決権行使とがある、と書いてるのではないかと思います。そうすると代理人による議決権行使が、いわゆる委任状であり、書面による議決権行使というのは少し違う。書面による議決権行使の、この書面を委任状と勘違いされている方が結構いらっしゃるので、違うということをご理解いただけたらと思います。
 それから、総会運営ですが、総会の議事録作成は、法律上きちっと決められてます。この総会の議事録作成を、管理会社に委託されている場合は、管理会社が総会の議事録(案)を作ってこられる。その場合、管理会社に都合の悪いことは書いてこないことがあるため、原案を作るのは管理会社でもいいですが、少なくとも役員はそれをチェックして修正をしていただく必要があると思います。
 管理組合と管理会社について
 それから最近多いのは、管理会社についての相談が多いです。管理会社を「けしからんから変えたい」とか、「変えるにはどうするか」という相談も結構あります。でも管理会社を変える、ということは大変なことなんです。そう簡単にできるものではないんですね。「やってくれない」といわれるが、それが、ちゃんと契約書や仕様書に書いてあるのかどうかです。書いてあるのに、やっていなければ、「やれ」と言えますが、「管理会社にお任せしているので、何でも全部やってくれるはず」というわけではありません。少なくとも管理会社も営利会社ですから、契約書、それから仕様書に書いていないことは基本的にはしない、と考えてもらわないといけません。ですから、一番大事なのは、仕様書の中に書いてあることはやりますが、それ以外はしませんよ、というのが基本ですから、管理会社ときちんと確認しておくことが大切です。
 管理費の滞納について
 管理費の滞納はご承知のとおり、最近多いです。滞納されている方もどんどん出てくる。場合によっては破産をしてしまうこともある。それともう一つは、時効の問題があります。管理費の滞納も2004年4月の最高裁の判例で、5年になってしまいました。今までは10年という説もあったんですが、5年になりましたので、できるだけ早め早めに滞納督促をしていかないと時効になってしまいます。ですから、時効にならないうちに何とか処置をしていく。そこで、できるだけ時効の中断を図って時効を伸ばすことを考える。一番簡単なのは、相手に滞納しているということを認めさせる、ということですね。「あなたこれだけ溜まってますね。すみませんが、認めたんだったら一筆ください」ということで一筆取っておく。一筆取れば、取った日から5年となりますから、時効が延びるんですね。ですから一番簡単なのはそういう方法です。
 課題解決のために
 管理組合の運営には、情報の収集が非常に大事になってきます。セミナーに参加したり、情報誌や書籍から情報を取ってください。それから困った時に相談できる専門家の窓口を調べておくことも大事かと思います。
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マンションらいふあっぷ基礎講座

【第3場面】議案(第1号〜第3号)事業報告、決算報告、監査報告
 (未収金の扱い、財産目録の作成、ペイオフ対策)
ポイント5
収支決算報告における、管理費等の未収金の扱いについて
解説5 花田
  収支計算書の収入の部にあげる金額については、入金がされた段階であげるのではなくて、収入すべき金額を計上します。これは発生主義といいます。何故そう経理するかというと、発生主義で経理をしないと、予算との対比ができにくいということと、この管理組合でもありましたように、3カ月の滞納者ですね、これが決算書に現れてこないわけです。未収金を管理しておかないと、滞納者が出て、それを払わないとなると、他の区分所有者が損をすることになります。管理においても、修繕積立においても、そういうことがないためにも、発生主義によって未収金計上をすることが求められています。 (写真)
ポイント6
財産目録の作成とペイオフ対策について
解説6 花田
 財産目録は、管理組合法人では作成が義務づけられていますが、一般の管理組合では義務づけられてはおりません。ただ今後、管理組合の会計基準を作ることも視野にはいっております。そうなると、一般の管理組合でも作成が義務づけられることになりますので、今の段階でも作っていかれた方がベターかと思われます。
 ペイオフ対策につきましては、2005年4月より、利息の付かない決済性の預金以外は、すべて解禁となります。金融機関が管理組合法人を権利能力なき社団とみなしていれば、一金融機関について1000万まで保護されるので、多くの銀行に分散するとか、確実なところに預金するとか、他は金融機関への預金だけでなくて、満期になれば解約金が戻ってくる積立マンション保険等にするのもひとつの手ではないかと思われます。 【第4場面】議案(第4号〜第6号)大規模修繕工事の実施について
 (普通決議・特別決議、管理組合の法人化)
ポイント7
大規模修繕工事の採決は、普通決議か特別決議かについて
解説7 伊藤
 改正後の区分所有法では、形状または効用の著しい変更を伴う場合に限り特別決議が必要で、多額の費用を要する場合でも、問題なく、過半数決議で議決可能、普通決議で議決可能、というふうに改正されました。しかし、大多数の管理規約はそれに伴って変更されたということは、多分ないと思います。ですから以前のように特別決議で4分の3が必要という規約になっています。ただ、この部分については、過渡期的な部分もありますし、一時的な規約と法律との間の齟齬であると考えて、解釈上、過半数決議、普通決議でいいと考えるのが一般的だと思います。ですから現状であれば、法改正に伴って普通決議でOKというふうに考えていただいたらいいと思います。ただし、そのままの状態でおいていると齟齬がずっと続きますので、規約を改正していただくのが筋だと思います。 (写真)
ポイント8
管理組合の不動産の取得と法人化について
解説8 花田
 不動産の購入を決議した場合、以前は、区分所有者全員の方か、理事長さんの名前で登記をしていましたが、それでは、異動があるたびに不動産の名義を変更しなければならないし、経費が諸々かかってきます。そこで区分所有法が昭和58年に改正されまして、管理組合の法人化という制度が設けられました。
 法人を作るには、集会において、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で、法人になること、そして「○○管理組合法人」、この例でいいますと、「ライフあっぷコーポ管理組合法人」というような形で法人の名前を決めていただいて、理事さん、監事さんを決めて法務局において登記をすることになります。法務局において、登記をしますと、当然、その法人名義で不動産を取得した場合は、登記ができることになります。 【第5場面】議案(第7号)新役員選任と閉会
 (終了後の議事録作成) (写真)
ポイント9
総会終了後の議事録の作成について
解説9 伊藤
 最後の作業としまして、議事録の作成があり、きちんと作らないといけません。これは区分所有法42条に、「議長が作成しなければならない」という規定があります。実はこれ、作らなければ罰則があります。何を書くかということですが、逐一、全部会話を記録する必要はありません。議事の経過の要領ですね。開会、議題、議案、討議の内容、それから評決の方法、閉会。だいたいの中身がわかるような形で要約したものと、その結果を記載します。もちろん、組合員数、議決権数、議案ごとの賛成組合員数、議決権数をきちんと記録に残しておきます。
 作成義務者は議長さんになっていますが、書記の方が作って、議長さんが最終的に目を通して、署名押印するという形になります。さらに冒頭で決められた議事録の署名者がいますので、その方も確認した上で署名押印していただくことになります。
 議事録については、実際に出席されなかった方についても閲覧をしていただく必要がありますので、できるだけ速やかに、1カ月以内には作っていただく必要があろうかと思います。
 あと、もう一つ。ここの管理規約では決まっていませんが、今回法律改正があり、今のIT化ということで、フロッピーディスクやCO-ROMで議事録を作ることもできます。ただ、これは管理規約に決めておかないと駄目なので、このライフあっぷコーポの場合は規約の変更が必要になっています。
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マンションらいふあっぷ基礎講座

7月11日
マンション維持管理における資金サポートや、失敗しないための大規模修繕などをテーマに開催しました。 講座1 マンションの適正な維持管理に向けて
 今日お集まりいただいている皆様方が一番ご苦労されていることだと思いますが、マンションは、住んだ後の維持管理が一番の問題になってきます。そこで公庫では、マンションの適正な維持管理に向けて、次のような取り組みを行っています。
●公庫マンション登録情報制度
 マンションの管理規約や長期修繕計画など共用部分の維持管理内容が、公庫の定めている維持管理要件に適合していることを、公庫が認定した機関に登録しておく制度です。登録することによって、登録機関のホームページで、維持管理が良好なマンションであることをアピールしていただくことができます。その他にもいくつかメリットがあります。
●公庫マンション維持管理ガイドブック
 マンションの維持・管理体制をチェック項目に従って確認することができます。また、保守・点検の履歴の記録、修繕の記録にご活用いただけます。こうした維持管理のためのチェックシートが世の中にあまりないものですから、私どもから提案させていただいております。日頃の管理組合活動のお役にたてれば幸いです。
●マンションすまい・る債
 皆様方が集める修繕積立金を、どういう形で確保・運用していこうかということも、非常に心配な点だと思いますが、これに対して公庫の方では「マンションすまい・る債」をご用意しています。これは公庫が発行する1口50万円の債権(利付10年債)を管理組合さんが修繕積立金により、毎年1回ずつ継続的(最高10回)購入していただき、利息を付けて公庫が買い戻す制度です。
一番大きな特徴としては、元本を確実に保証させていただく点です。その他にも国債並の利回り(年平均利率1.537%)や、修繕計画に応じて手数料なしで中途換金も可能など、さまざまなメリットがあります。将来、必ず生じる大規模修繕に備えてご利用されることをおすすめ致します。
●マンション共用部分リフォーム融資
 工事に当たって、万が一、資金が不足するような場合、公庫では「マンション共用部分リフォーム融資」をご用意し、資金的な面でサポートさせていただいております。最長10年間の固定金利ローンで、工事費の8割まで融資可能です。 講座2 こうすれば防げる「長期修繕計画・大規模修繕」の失敗
  住宅金融公庫が作った「大規模修繕マニュアル」にそって、失敗をしないためのポイントをご紹介したいと思います。
  1. 大規模修繕の体制づくりとパートナー選び…成功しておられるところは、ほとんど修繕委員会を作られています。パートナー選びの条件としては、大規模修繕に関する実績があるかどうか、分かりやすく説明できるか、などがポイントです。
  2. 建物を見る、知る…建物の傷み具合などを把握するため、専門家等に診断してもらいます。また総会で理事長さんが変わったとき、一緒にマンションを見て回ることも大切です。
  3. みんなに知らせる…建物の状況を皆さんに知っていただき、共通の理解をすることが大切です。また、広報で周知した内容は整理・保管しておくこと。
  4. どのような修繕をするか…パートナーに原案を作成してもらい、十分説明を受けて、修繕委員会で検討します。また、追加工事は付き物。当初から予備費を計上しておいた方がいいでしょう。
  5. 修繕を決定・合意する…総会の決議を必要とすることもあります。管理規約の改正の必要がないかどうかもチェック。
  6. 詳細な設計図をつくる…経験のある設計事務所に実施設計を発注します。図面や仕様書をチェックし、十分に話し合うこと。
  7. 施工会社を選ぶ…よい会社を選ぶことも大切ですが、皆が納得する方法、公正で透明なやりかたで選ぶことが重要です。
  8. 工事を発注する…もしトラブルが起きて裁判になったときに備えて、親会社の住所もチェックしておきましょう。
  9. 工事のお知らせと準備…工事期間中は生活に不便が生じます。期間の告知、安全対策、避難通路など、きめ細かな対策が必要です。
  10. 工事をはじめる…設計図通りに工事が進められているかどうを確認し、手直しの指示や報告を求めます。任せっぱなしは駄目です。
  11. 工事が完了したら…竣工検査を行います。管理組合も自ら検査をします。パーティを開いてコミュニティ形成を図ることもOK。
  12. 新たな維持管理へ…終わった後、建物はすぐに劣化が始まります。次の修繕を視野に入れておく必要があります。
芝田 ミニ講座1 共用部変更をともなう給湯設備改善による快適性の向上
給湯設備は、毎日使うもの。グレードを上げて快適な生活を
講師 芝田 三義(しばた みよし)
大阪ガス(株)大阪リビング営業部 販売第2チーム
 マンションでの快適な生活を送るために、給湯は欠かすことのできない設備です。給湯設備もマンションが建築された時期や、建築構造等により、様々な種類のものが設置されていますが、ライフスタイルの変化等により、建築当時の設備では給湯能力が不足してくるケースもあります。その場合、給湯設備の改善を検討しますが、給湯器自体はマンション居住者様の専有物でも、燃焼排気の関係で共用部を変更しないと改善できないケースが多くあります。そんな時は、管理組合でご検討していただく必要が出てきます。
今回、管理組合で共用部変更を検討された結果、給湯設備を改善された事例をいくつかご紹介させていただきました。また、最新設備の導入によるさらなる快適性の向上の提案もさせていただきました。さらに共用部分に関しては、集会室の冷暖房の設備の改修のお手伝いもやっております。集会室に床暖房を導入して、温かいフローリングにしたことで、集会に集まる方が多くなったという話しも聞いております。私ども大阪ガスでは、皆さまのマンションライフがより快適になりますように、管理組合さんに対しても、さまざまなご提案をさせていただいております。給湯関係でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。  ※(注)講座1〜5&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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マンションらいふあっぷ基礎講座

7月25日
資産価値を下げない管理方法や、改正された標準管理規約のポイントなどをテーマに開催しました。
講座3 管理次第で大きく変わるマンションの資産価値
 皆さん方のマンションと競合関係にある新築マンションが大量供給される昨今、いかにして資産価値の目減りを防ぐかが今日のテーマです。マンションの価格形成要因は、接近性、緑被率、建物のグレード、設備機能、地域の知名度、希少性、これに中古マンション特有の価格形成要因として、築年数、管理の2点が加えられます。資産価値の目減りを防ぐためには、競合関係にある他のマンションに打ち勝たねばなりません。少なくとも負けない程度にもっていかねばなりません。それはひとえに管理組合の皆さんの双肩にかかっています。
 どういう管理がいいのかということで、ハード面からみてみましょう。総戸数に対して、駐車スペースは十分でしょうか。皆さん方のマンションに不法駐車はありませんか。玄関アプローチは、バリアフリーの配慮がされていますか。それとセキュリティ対策をしておられますか。こうした点を十分考えて対策を講じていただきたいと思います。
 次にソフト面ですが、住民の方に「ローンと管理費さえ払えば、あとは理事の皆さんがきちんとやってくれるから、それでいい」という依存心はありませんか。この意識改革をしないといけません。また、車検代は「かかる」と考えているのに、修繕費に対して「取られる」という言い方をする。皆さんの財産ですから、経費として「かかる」という意識をもたねばなりません。
 また、管理費を安くするために、管理会社を変える、あるいは自主管理をする。これらも一つの方法ですが、管理水準とかボランティアの問題を含めてよく考える必要があります。
 また、皆さんのマンションには、いろいろな方が住んでおられます。そこで理事経験者の方の懇談会や、建築士など在住専門家の委員会を組織することも考えられます。さらに、修繕計画の開示やペット飼育のルールの明確化なども大切な要素です。
 中古マンションの購入者の選択は、今後より一層厳しいものになります。単に購入住戸のみならず、マンション全体がきちんと維持管理され、その管理情報が確実に手にはいるかどうかが重要になることは間違いありません。中古購入者だけでなく、継続居住者も含めて安心して住めるマンションであることが、資産価値の目減りを防ぐ基本だと思います。

講座4 マンション標準管理規約改正とその対応方法について
 管理規約は、管理組合の最も根本的なルールを定めたものとして大変重要です。国で言えば「憲法」のようなものです。平成16年1月、国土交通省が、従来の「中高層共同住宅標準管理規約」を改正し、「マンション標準管理規約」を公表しました。これは、マンション管理に関する新しい法律や法改正が行われたこと、さらにマンションを取り巻く情勢が様々な面で変化したことをうけて改正されたものです。
●専門知識を有する者の活用
 適正化法の規定を踏まえ、「管理組合は、マンション管理士その他、マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対して、管理組合の運営その他マンション管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる」とし、従来より専門家の活用をしやすくしました。
●建替えに関する規定の整備
 より建替え決議を行いやすいように、区分所有法の改正(「過分の費用」要件の削除)が行われたことを受け、建替えに係る合意形成に必要な調査を管理組合の業務に加え、その費用を修繕積立金から取り崩すことができることとしました。
●決議要件や電子化に関する規定の整備
 共用部分の変更について、その形状または効用の著しい変更を伴わないものは、普通決議(出席組合員の議決権の過半数)で足りるとされました。また、電磁的記録による議事録作成や電磁的方法による決議も可能になりました。
●新しい管理組合業務の追加
 修繕等の履歴情報の整理及び管理や、地域コミュニティに配慮した居住者間コミュニティ形成も、管理組合の業務として規定されました。
●未納管理費の請求に関する規定の充実
 滞納問題に適時適切に対応できるように、未納の管理費等の請求に関しては、理事会決議により、理事長が、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる旨などを規定しました。
この他も、環境問題、防犯問題への対応の充実を図るための改正など、多くの改正がなされています。ぜひ一度目を通してください。
今回の改正に対する対応方法としては、まず自分たちの管理規約と標準管理規約を読み比べ、どこがどう違うかを認識してもらうこと。その上で、自分たちの管理規約の中で改正すべき点があれば、皆さんで相談していただく、ということになろうかと思います。

ミニ講座2 マンションの防犯対策について 安全なまちづくり条例を制定。コミュニティによる防犯を! 講師 大阪府警察本部
   生活安全総務課
 全国の過去58年間の犯罪発生の推移をみれば、平成14年が過去最悪です。大阪は平成13年が過去最悪で、刑法犯認知件数が全国ワースト1。また、マンションへの侵入盗の発生が平成8年ぐらいから急増しています。こうした犯罪情勢を受けまして、安全なまちづくりに向けた動きが始まり、平成14年4月に大阪府に「安全なまちづくり条例」ができました。大きな柱が5つありますが、その中のひとつが、犯罪の防止に配慮した共同住宅等の普及です。侵入盗の発生が、一戸建てに比べてマンションで多くなっています。ですからマンションを作る段階から、泥棒に強い、犯罪に配慮した建物にすることが大切です。
 同時に、管理対策もしっかりやっていただきたい。侵入盗の防犯対策としては、見通しを確保することが基本です。そして見えないところも防犯カメラや人感センサーライトなどを設置します。その他にさまざまな防犯性能の高い建物部品が開発されていますが、実は一番簡単にできる防犯は、コミュニティによる防犯です。挨拶に勝るものはありません。住まわれる方の心がけで犯罪は減っていきます。ニューヨークがいい例で、犯罪が減少しました。大阪でも犯罪を減らしていきたいものです。  ※(注)講座1〜5&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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マンションらいふあっぷ基礎講座

8月7日
マンション会計における適正な会計管理とペイオフ対策などをテーマに開催しました。
講座5 マンションの会計について 適正な会計管理とペイオフ対策

 マンションの管理組合は、年に1度の定期総会で、事業報告と決算報告ですね、それと次期事業計画と予算を承認してもらわなければなりません。そのためには、事業報告、事業計画とともに、決算書の作成が必要になってきます。決算書の作成は、多くの管理組合では、管理会社の方がしてくれると思うのですが、自主管理の組合ですと、自分たちで作っていかねばなりません。そこで会計担当理事になるのは、会社で経理をやっている方が多いため、一般的な企業の会計を使うことが多いようなんですね。また、管理組合の会計基準というのが定めがありません。ですので管理会社の方でもさまざまな様式で作成されていまして、問題点も出てきております。
 マンションの管理組合会計については、マンションの管理の適正化に関する指針が出ているのですが、公益法人であるとか、NPO法人であるとかは、法律で会計基準が決まっていますが、管理組合の会計にはそういう決まりがありません。単に管理費と特別修繕費を明確に区分経理して、適正に管理する必要がありますよ、ということが言われています。
 また、管理組合会計の特長としまして、企業会計は利益を出すことを目的として会計を行っているのですけど、組合会計は、共用部分の維持管理を適切に実施するために、予算と実績を適正に管理していくというのが目的です。ですから修繕費をけちって、きちんと維持できなかった、管理できなかったというのは、ちょっと問題です。そのために、予算を決めて、予算準拠主義で会計をやっていきます。あと、大規模修繕工事に備えて修繕積立金会計を区分して管理していく。これが一番大事ですよね。すごいお金がかかりますので、それに備えてちゃんと毎月、積立金会計を区分して管理していかなければなりません。
 ペイオフ対策なんですけど、一金融機関、一預金者あたりということになっていますので、まず分散ですよね。国内の都銀すべてに1行ずつ1000万ずつ預けるとか。あとは都銀と地銀と信金と郵貯と、それぞれに1000万ずつ預けるとかですね。
 あと、つぶれない金融機関の選択なんですけど、大きいから安全とは言い切れません。予想できませんので、ニュースや経済新聞、あるいはディスクロージャー誌をチェックされたり、格付け評価機関の評価だとか、株価などを参考にされたらどうでしょうか。

ミニ講座3 より安全で快適な環境をめざして バリアフリー化や防犯対策等に積極的に取り組む 講師 藤田 三郎(ふじた さぶろう)
日商岩井阿波座マンション管理組合 理事長
 安全、安心、快適性を求めて管理組合として取り組んできた事例を平成12年から時系列的に主なものをご紹介します。
 平成12年にゴミステーションを使わなくなりましたので、管理組合の倉庫、備品だとか書類などを入れる倉庫にし、残った分を自転車、バイク置き場としました。
 平成13年に、次に防犯対策ということで、ピッキングに強いディンプルキーに替えるように推奨致し、監視カメラも各要所に取り付けました。また、給水システムにおいて、受水槽、高架水槽を撤去し、増圧直結給水方式のポンプに切り替えました。多少お金がかかりましたが、新鮮な水道が供給できました。なおかつ、受水槽室を改造して、集会室に有効利用しました。
 平成14年には、玄関アプローチで、通路と玄関テラスが2段の階段と、一部が狭く傾斜のきついスロープだったのを、防滑を兼ねたインターロッキングで段差をなくして、緩斜面のバリアフリー通路に改造致しました。
 また、ここのマンションは、もともとペットが禁止されていたんですけど、飼っていた方がおられます。そうかといってあまり表立って言いますと角が立ちますので、平成15年に、ペット禁止のステッカーを掲示しました。そして平成16年には設計図面のCD化を行いました。
管理組合運営のポイントは、管理会社任せにしないことや、専門家を活用することだと思います。 ※(注)講座1〜5&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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平成16年度「マンションらいふあっぷ基礎講座&相談会」 報告

マンションらいふあっぷ基礎講座&相談会

●大規模修繕から標準管理規約、マンション会計まで理解を深める●

(写真) 快適で安心なマンション生活を送るには、適正にマンションの維持管理を行う必要があります。その維持管理の主人公は、居住者であり、管理組合です。
 今回の基礎講座では、新しく管理組合の役員になられた方などを対象として、適正な維持管理を進めていく上で必要な基礎知識をテーマごとに説明。計3日間にわたり合計9講座を開催し、3日目には、管理組合の最高の意志決定の場である総会の進め方のポイントを「模擬総会形式」で再現し、解説しました。また別途、個別相談会も実施しました。

出演者

■大塚 哲雄 大阪土地家屋調査士会
■八杉 茂樹 (社)大阪府不動産鑑定士協会
■川畑 雅一 (社)大阪府建築士会
■杉原 滋 大阪市住宅供給公社
■大西 崇浩 大阪市住宅局

解説者

伊藤 ■伊藤 寛 
 大阪弁護士会
花田 ■花田 園子 
 近畿税理士会
北田 ■北田 五十一 
 大阪司法書士会

マンションの概要

  • マンション名/「ライフあっぷコーポ」
  • 建築概要/鉄筋コンクリート10階建・総戸数120戸・築14年・エレベーター1基・駐車場40区画・駐輪場(自転車120台・バイク12台)
  • 管理形態/全面委託で、管理会社から管理員1名が常駐
  • 管理規約/平成9年に同年改正の標準管理規約に準拠して改正
  • 議決権/1住戸につき1議決権
  • 管理組合役員/理事10名、監事1名で任期は各1年
  • 管理費等/管理費1住戸月額7,000円、積立金1住戸月額5,000円、駐車料1区画月額10,000円
  • 長期修繕計画/あり
  • 管理組合成立経緯/分譲当初は管理組合がなく、2年後の92年5月に区分所有者有志が管理会社のサポートで設立総会を開催。管理組合が発足した。

【第1場面】受付対応での問題
 (賃借人の扱い、組合員以外の者の出席) (写真)


ポイント1


総会議案の大規模修繕について意見を述べたいという、委任状を持たない賃貸居住者の総会への出席について


解説1 伊藤


 賃貸居住者の総会への出席については、区分所有法と管理規約に書かれています。法律には「区分所有者から承諾を得て、専有部分を借りている人は、その会議について利害関係があれば、集会に出席する権利もあるし、意見を述べる権利がある」となっています。要件としては、「利害関係を有する場合」という点がポイントになります。その議題に関係がなければ、出席できません。
 では大規模修繕の議案について利害関係があるかという問題ですが、基本的には貸し主の家主さんの方に利害関係があります。借り主としては別に大規模修繕の費用負担をすることもありません。実際上は、工事に入るとうるさいという問題も出てきますが、法律的にどこまで利害関係があるかといえば疑問です。
ただ、最終的に「駄目ですよ」と断ってしまうかどうかはまた別の話です。実際にお住まいになっている賃借人の意見を聞くというのも望ましいことです。結論的にいうと、厳密には法律上の利害はなくても、委任状を持たない賃貸居住者も入って頂いて、議論に参加して頂ければいいんじゃないかと思います。


ポイント2


組合員が、大規模修繕について詳しい知り合いの建築士さんを出席させたいという。組合員以外の者の出席について


解説2  伊藤


 法律上にとくに規定はありません。では管理規約でどういうふうに書いてあるかといえば、コーポの規約43条には「組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、総会に出席することができる」となっています。そうすると、理事会の判断で決めればいい、ということになります。
 しかし、区分所有者の知り合いの建築士さんには、総会に出席する権利も、意見陳述権も、議決権もありません。総会は、本来第3者の方に入って聞いていただくという性質のものではありませんので、原則はお断りしても問題はないかと思います。理事会側がお願いして、建築士さんに来ていただくというケースはよくあると思いますが、まったく予測しない方に来ていただくというのは難しいのではないかと思います。 【第2場面】開会と議長、書記、議事録署名人選出
 (議長選出、議事録署名人の選出、議決権数) (写真)


ポイント3


総会における議長選任及び議事録署名人の選任について


解説3 伊藤


 議長の選出は、区分所有法41条で「規約に別段の定めのある場合、および別段の決議がある場合を除いて、管理者または集会を招集した区分所有者の一人がなる」と決まっています。そしてコーポの規約の40条の5項には「総会の議長は、理事長が務める」と書いてあります。この場面では円滑に進めるために「よろしいですか」と聞いて、承認という形で進めましたが、「40条第5項に基づき、総会の議長は理事長が務めさせていただきます」と言い切っても構いません。仮に、いまのところで「異議あり」という話しになったとしても、規約上は理事長がやるということになっていますので、異議は却下されることになります。
 議事録については議長が作成義務を負います。法律の42条、規約でも48条で書いてあります。議長さんが議事録を作るということですけれども、便宜上、書記という形でやっていただく方を決めておきます。議事の経過とか結果については正確に残さないと、後を継がれる方にも決議の内容については拘束がありますので、きちんと残しておかないといけません。そういう主旨から議長さんが署名押印するのに加え出席した区分所有者2名が署名押印します。


ポイント4


総会成立に必要な組合員数や議決権数の考え方


解説4 伊藤


 区分所有法上の決議の要件は、「区分所有者および議決権の各過半数で決する」と決まっています。ただし、これについては規約で別に決めることができます。実際上、標準管理規約では47条に「総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する」と書いています。実はその前にもひとつ要件を作っています。これは、議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければなりません。ですから、標準管理規約ではまずは総議決権の半数以上が出席した上で、その中で議決権の過半数で可決ということになります。これは管理規約上の問題なので各々の管理規約を確認していただきたいと思います。
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第8回マンション管理セミナー&管理組合交流会報告

管理組合交流会は、セミナーに参加された方のうち40管理組合の方が参加され、 管理組合活動での悩みや取り組み事例などについて意見交換がなされました。 今回の管理組合交流会は、マンションの規模(総戸数)別に6グループに分かれ、事務局スタッフが進行役となり、参加者の自己紹介やマンションプロフィールの紹介につづき、各管理組合の日常活動での悩みを中心に意見交換が行われました。
また話の内容によって法律や建築技術問題で、アドバイスが必要な場合は、別途待機している専門家スタッフによるアドバイスがなされました。
次に、意見交換された内容の一部をご紹介いたします。
意見交換の概要

管理組合運営

  • 管理組合の業務を、議事録の作成手順やまとめ方までマニュアル化しています。会議では資料を配布しても読んでくれる人が少ないため、パワーポイント等を活用しています。
  • 管理組合役員は半数ごとの改選が望ましいと思います。理事長経験者は顧問としてバックアップするのがよいのでは。
  • 管理組合活動に対する区分所有者の関心が低く、役員のなり手がないなど役員の選考方法が課題です。
  • 役員を長期間固定しているとなかなか引継ぎがうまくいかないので、役員の引継ぎの仕方について定めておく必要があります。
  • エレベーターのメンテナンスや設備保全等の業務を管理会社との委託業務内容からはずし、部分委託とすることで合理化を図りました。
  • 管理組合運営に居住者名簿が重要ですが、正確なものが無いのが課題です。
  • 管理会社には、管理人に対するさらなる研修を要望します。管理人によって、管理の状況が変わる場合もあるからです。
  • 管理組合運営には、管理人との連携が重要であり、上手に付き合っていく必要があります。
  • 管理組合の役員に女性の占める割合が非常に高くなっています。意見集約など、女性のネットワークで進めた方がうまくいく場合も多いです。
  • 役員の選出は、向き不向きがあるため、入居者で理事を推薦して前役員がお願いしています。
  • 総会の議事録内容の確認を役員全員で行い、共通の認識をもつ必要があると思います。
  • 住民間のコミュニケーションは重要ですが管理組合と親睦会は別であるため、予算面でも混同しないように注意が必要です。

修繕関係

  • 大規模修繕工事の成功の秘訣は、管理組合の役員が積極的に情報収集することです。
  • 外壁塗装工事をゴンドラを使用して行いました。足場・養生シート等の必要がなく、パーティションを外してベランダを工事作業場所として使用することにより、各フロアを1週間で工事を終えることができました。

住まい方

  • 自転車駐輪装置は上下2段式であるが、下段は子供用、上段は大人用として利用しうまくいっています。
  • 4年前にペット検討委員会を設置し、2年前にペットクラブを立ち上げました。会費制で自己完結しており、ペットの登録・苦情窓口を設置しています。
  • セキュリティについては、住民それぞれの意識の持ち方が基本であり、みんなで監視するという姿勢が大切です。
  • 夏祭り、地蔵盆、バザーなどを開催し、コミュニケーションをとっています。また、町会に入って行事にも参加しています。
  • 居住ルールの確立については、文書等で分かりやすく説明し、モラル向上のための広報活動を根気良く行う必要があります。
交流会の様子 交流会の最後に、全体の前で、グループ毎でどのような話がされて、どのように感じたか、参考になったこと等、発表してもらいました。
参加者アンケートでは、「他のマンションの実情がよくわかり、自分のマンションと比較できた。」「直面する問題の対応策について、よいアドバイスが受けられた。」と参加者のほとんどの方が参加してよかったと回答されています。
参加者の方のご協力によりまして、無事終了することができました。どうもありがとうございました。
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平成15年度「第8回マンション管理セミナー&管理組合   交流会」報告

第8回マンション管理セミナー&管理組合交流会報告
マンション管理組合の円滑な運営には、情報交換がとても大切です。今回は、セミナーに続いて、支援機構として2回目の管理組合交流会が開催されました。
セミナーの様子 セミナーでは、大阪弁護士会の金本弁護士に、住まい情報センターにも相談が多く寄せられている管理費等の滞納問題の対応策について、そして住宅金融公庫大阪支店まちづくり融資課の矢野課長に、皆さんの大切な資産であるマンションの維持管理に向けた公庫の支援について講演していただきました。

管理費等滞納への対策について
管理費には「先取特権」が与えられている
 「管理費」には、大別して毎月集金される「共益費」「組合費」「大規模修繕積立金」と一時金として集金される「大規模修繕負担金」の2つあり、マンションの管理に要する費用を総称して、「管理費等」と呼ばれています。
 では、建物の区分所有に関する法律(以下、区分所有法)の7条において「管理費等」はどういう扱いを受けているか。[1] 共用部分、建物の敷地もしくは共用部分以外の建物の附属施設につき、他の区分所有者に対して有する債権、[2] 規約もしくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権、[3] 管理者または管理組合法人がその職務または業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権、これらの債権については「先取特権」という特別の権利が発生します。これは質権や抵当権等の担保物権と同じで、一定の債権を実現するために債務者の財産を強制的に売買してお金に換えたりして満足することができます。そういう意味では、債権者である管理組合側を保護しています。
 従って、管理費等を滞納したまま部屋を売って出ていった区分所有者がおられる場合、滞納した債務が、上記の[1][2][3]に該当すれば、新しい区分所有者から徴収できます。
滞納を防ぐ予防策、初期段階の対応策
「滞納を防ぐ予防策」がとても大事です。滞納が発生してから、対応するよりも、まず滞納自体を発生させないことです。最初に「徴収方法」を工夫します。滞納にはいろいろ理由があります。区分所有者が支払いを忘れていたり、一部だけ選り分けて支払うことができないように、規約上、自動振替による支払いを明記しておいて回収していきます。
 次に「遅延損害金の定め」をしておきます。規約上、何の定めがなくても年5%の遅延損害金は、当然に回収できますが、このパーセンテージを高めに設定しておけば、遅れないように頑張らせる効果があります。
滞納発生時の初期段階での対応策
 滞納が発生した場合の初期段階での対応には、まず「氏名公表」が考えられます。事実として滞納があるならプライバシィ侵害にあたらないとみられていますが、「私はこの部分に債務は発生しないと考える。だから支払わないんだ」という方には、逆にプライバシィの侵害で、組合側が訴えられるというリスクもあります。氏名公表は、感情的対立を招く恐れがあるので、各種督促が功を奏さない場合や、所在不明者や連絡不能者の関係者に対する告知を目的とする場合に限定すべきです。
 「水道・電気等の供給を停止」はどうでしょうか。各戸より子メーターで集金している場合、滞納者に対し水道・電気等の供給を停止するケースもあるとよく聞きますが、実際にこれを行うと権利濫用として損害賠償を請求されかねません。水道や電気は生きていく上で不可欠なライフラインであり、これを止めるのは、報復的措置としてやりすぎじゃないかという意味になります。
 おすすめしたいのは、「滞納への対応マニュアルの作成・告知」です。管理費等を自治会費程度に安易に捉えて、滞納してしまう方も時々おられますが、住民の方の意識を高揚させ、また、滞納が焦げ付くことがないようにする効果があります。 トラブルが発生した場合の解決策
 いろいろな予防策や初期段階での対応をやってきても、不幸にして「トラブルが発生した場合の解決策」としては、まず「滞納理由を把握」します。できるだけ早期に滞納者に連絡を取り、滞納理由を確認します。金員不足(お金がない)、失念(忘れている)というケースが多いと思われますが、理由があって払わない人は、焦げ付くことが予測される場合が多く、早期に弁護士等に相談されるのが良いでしょう。
 それから、滞納理由を聞いた時に、「口頭による請求」を普通やります。それでも応じないとき、「文書による督促」を行います。通常は、[1] ポストへの投函で、[2] 配達証明付郵便、[3] 配達証明付内容証明郵便、といった段階を踏むことになると思われます。もし滞納理由が、自分に支払い義務がないという場合は、いきなり[3]にいった方がいいでしょう。
 上記の[1]〜[3]の措置をとった結果、相手方が折れてきて、話をしようという段階になった時には、「合意書」「念書」という形で文書化しておく必要があります。金銭の支払いに関する合意ですので、公正証書にして「執行受諾文言」を設けておけば、約束を反故にされた場合でも確定判決がなくても強制執行を行うことができます。
 「訴訟手続等」は最終手段です。実は、確定判決を得なくとも、先取特権に基づいて、当該区分所有権自体及び建物に備え付けた動産に対して、強制執行を行うことができるし、すでに競売が開始している場合も、競落人に対し、特定承継人として責任を追及できます。それなのに、なぜ訴訟をやらないといけないのかといえば、訴訟を提起し勝訴判決が確定すれば、先取特権の保護が及ばない水道光熱費等についても強制執行できますし、また、給与債権の差し押さえもできます。その他、訴訟の場を利用した和解を期待できますし、判決をもらうことによって法律関係を明確にできます。また、滞納者に対する毅然とした態度を示すことなどの効果があります。
マンション維持・管理適正化に向けた公庫の支援について
 マンションの年数が経つに従って当然必要になる修繕をどうしていくか、修繕積立金をどのように運用していくかが、大きな問題になろうかと思います。
 マンション管理適正化に向けた取り組みとして、「マンション情報登録制度」を用意しています。これは皆様方のマンションの管理規約や長期修繕計画が公庫が定める基準に適合していることを事前に第三者機関に登録します。それから「マンションすまい・る債」で、皆さまの修繕積立金の確保と安全確実な運用を図っていただければと考えております。
また、修繕積立金が積み上がらない時は、積立金の範囲内で工事をしたり、修繕を先送りするではなくて、必要な時期に必要な工事を行うことにより、マンションの資産価値を劣化させないために、「マンション共用部分リフォームローン」を用意しています。
昨年6月に私どもの根拠法が一部改正されて、公庫は平成18年度末(19年3月31日)までに独立行政法人という公的な機関に生まれ変わります。今の住宅金融公庫が皆様方に約束していることは、その独立行政法人に引き継がれることになっております。ご安心して公庫のご活用をお考えください。
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マンションらいふあっぷ基礎講座


マンション管理組合会計に関する管理組合と税金や管理組合の法人化をテーマとした講座を開催しました。

 マンション管理組合は、人格のない社団等(法人として登記していない)と、公益法人等(管理組合法人として登記したもの)2つが考えられますが、ほとんどの管理組合は登記されていないので前者に該当します。ただ税務上では、法人格がなくとも収益事業に該当すれば課税対象になるという解釈です。以下、具体的事例で説明します。

  1. 管理組合の会費と駐車場収入
    非課税。居住者以外に貸した駐車場収入でも経費(減価償却費) を引いてゼロになれば、税金を払う必要はない。
  2. 管理費等の余剰金の運用利益 非課税。
  3. 会議室、集会室の貸付
    一時貸付は非課税。組合員以外の人に時間貸ししたり、時間を限って組合員外の人や会社等に継続して貸した場合は、席貸業、不動産貸付業として収益事業に該当。その利益には課税される。
  4. カルチャー教室の運営
    法律で指定している技芸教授業(22事業)以外なら非課税。パソコン教室は法律にないので非課税。また俳句や短歌、川柳教室なども非課税。
  5. バザー等の物品販売
    年に1〜2回程度開催するものは非課税だが、洋裁や和裁など技芸教授に伴った作品の販売は収益事業とし、課税対象に。
  6. コンサート等の開催
    チャリティコンサート以外は、入場料を取って利益を出した場合は課税される。事前に税務署長の承認を受ければ、わずかな入場料であれば収益事業としないものとして取り扱われる。

 この他に、レクリエーション開催や出店による収入も組合員を対象にし、継続性がなければ非課税ですが、自動販売機の設置による収入や携帯電話の中継基地用のアンテナ設置料による収入は収益事業と見なされ、課税されます。 要は、収益事業に該当しないポイントは、@組合員のみを対象にしているA会費やお金を徴収しても利益が発生しないことB催しものは継続的でないこと  などです。ただ、収益事業か否かの判断がしにくい場合は、あらかじめ税務署の法人課税第一部門に聞いておくことです。 最後に、マンション管理会計のポイントは、@通帳の残高証明を取り、実際の残高と帳簿の残高を必ず複数の役員で確認しておくA大規模修繕等は数社から合見積もりを取るB資金の運用は、リスクの少ないもの、元本の保証のあるものにする。例えば国債や定期預金などに分散化してペイオフに備える−の3点で、これさえクリアーしておけば安心です。


ミニ講座3 管理組合の法人化について
法人登記をすることで社会的信用が増し
建替え事業も円滑に運ぶメリットが

講師 永野 倫子(ながの みちこ)
大阪司法書士会 常任理事
 管理組合は、法的には“権利能力なき社団法人”です。つまり、団体組織であること、多数決で決定、構成員の変更に関わらず団体が存続、代表者や組合運営、財産管理等、団体としての主要な点が確定−の4つの要件を備えています。ただ債務に関しては、一般的に社団は有限責任(組織の資産を限度とし、構成員にかからない)ですが、管理組合では敷地権の割合に基づく組合員各自の無限責任になります。
 法人化した管理組合と、していない管理組合との大きな相違点は、前者は法的な登記がなされ、社会的な信用が得られることです。その最大のメリットは、大規模修繕工事等の資金の調達が必要な場合、一般的には、法人であれば金融機関からの融資が受けやすくなります。もう一つのメリットとして、法人として不動産の登記ができるということがあります。
 次に、法人化のデメリットがあるかというと、特にないと思います。法人化の手続きについては、主務官庁の認可、許可がいらず集会の決議で行います。登記も簡単にできます。理事の変更があった時に登記の変更が必要ですがデメリットというほどのものではないと思います。
 平成14年の区分所有法の改正により法人化の人数要件が撤廃されました。
 最後に、今後、増えてくると思われるマンションの建替えでも、法人格を持つ建替え組合が事業主体になることができるというマンション建替え円滑化法が平成14年6月にできています。事業の円滑化には重要なことです。 ※(注)講座1〜5&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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マンションらいふあっぷ基礎講座


マンションリフォーム、IT化、大規模修繕の進め方など建物の維持管理に関してのポイントをテーマとした講座を開催しました。
 私は業界団体の事務局長をやっていますが、自分が住んでいるマンションでは建設問題委員会の委員長を務め、大規模改修工事について検討してきましたので実際の体験から具体的な話をしたいと思います。
 まず、調査、診断が一番大切だと思いますので、各委員の調査診断に対する認識を同じにすることに努力しました。当初、建設問題委員会には技術系の方がほとんどでした。その後、自治会長や専門分野ではない方にも入ってもらって、一般の社会通念で判断してもらうようにしました。具体的には2年目からで、スケジュールを立て、調査診断会社を選ぶところからスタートしました。調査診断会社を選定するに当たって、居住者に逐一広報するために「大規模改修便り」を発行。そして平成14年の12月25日に、マスタープランを作り、大規模改修便りの4号に掲載しました。マスタープランは、工事完了までのスケジュールを全て落とし込んだものです。平成15年1〜3月まで調査診断会社を募集、4月に定時総会を開き、調査診断会社を決定しました。5〜8月で調査を行い、9月の臨時総会で改修工事の項目と金額を承認してもらいました。10〜12月にかけて施工会社を選定し、平成16年1月に工事説明会を開いて着工し、6月には工事がほぼ完了する予定です。われわれが用意した過去の工事資料を活用してくれた調査診断会社に対して調査診断業務の他、コンサルも含め発注し、非常に安く収まったと感じています。施工会社からは20社ほど応募が来ていますが、このうち6社くらいから見積もりをお願いしようと思っています。
 次に専有部分のリフォームについて注意する点をお話しします。まず依頼したいリフォームの内容と業者の能力が合うかどうか、規模が小さな業者なら「どんな工事が得意か」を聞く必要があります。2番目は、その会社がどんな資格を持っているか、どんな団体に所属しているかです。また建設業者登録をしているか、会社案内が依頼者からみて分かりやすく作られているかどうかも見ればいいと思います。そして施工実績、経験年数、どんな資格者がいるかも確かめる必要があります。そして信頼できる営業担当かどうかも大きな要素です。こういう要素を考えて、少なくとも2、3社を決めて、1社1社呼び、「あなたのところだけではないよ」とはっきり言ってください。リフォームの規模、目的をはっきり伝えます。重要なことは「安いから良い」ということではありません。高い値段を出してきた業者の中には、提案が入っているものがあるかもしれません。また契約を強要したり、その場でローン契約まで持っていくような契約は絶対にしないでください。工事には、変更が出たり、予測しない下地まで直さなければならない部分が出てきます。そのときには、途中で確認し、できればお金の精査までしておくことが必要です。またリフォームの前には管理規約を必ず確認してください。基本的にリフォームは管理組合理事長の承認を取ることになっています。禁止事項、注意事項がありますので注意してリフォームに取り掛かってください。
 長期修繕計画は、管理組合の理事会や総会などで問題提起されて始まるのが一般的です。総会で長期修繕計画の実施の合意を得るのが一番目の問題点です。まず修繕委員会を設けます。理事会の役員が1年で交代するのに対し、修繕委員会の委員は2、3年のスパンで役をやるのが一番やりやすい方法だといわれています。
 その次は、マンションがどのように劣化しているかを専門家に調査してもらう必要があります。調査は施工会社より設計事務所の分野です。見積もりを立てて入札し、専門の事務所に調査、修繕プラン作りをお願いすることになります。調査が終われば、調査結果をフィードバックして工事の仕様書を作ります。どういう工事をするか、材料、工法を決めていきます。仕様書には「特記仕様書」と「標準仕様書」の2種類があります。特記仕様書には、材料や工法が書いてあります。標準仕様書は、官公庁や民間で使われている共通仕様書です。仕様書が作成されると、施工業者から見積もりを徴収しますが、4、5社は集めて、調査会社にチェックしてもらい、妥当な施工会社を提示してもらうことになります。重要な事は見積もり項目を共通にしておくことで、こうすれば比較対照がしやすくなります。業者選定が終わると、工事工程を決めなければなりません。マンションは居住者が生活しながら工事を進めるので、住戸内で工事することもあり、入居者との工事工程上の取り決めが重要です。これは業者任せではなく、管理組合、とくに修繕委員会には工事をスムーズに進めるための潤滑剤の役割が大きくなります。着工すれば、入居者の見学会を開きます。工事についての理解が得られ、工事がスムーズに進んで行きます。竣工したら、竣工検査を行い、設計事務所の監理者、修繕委員会、管理組合が立会い、一つ一つ説明を受けながら引渡しを受けます。
 具体的な修繕計画を立てる時には、共用部分、専有部分に分けて入居者にアンケートに答えてもらい、それを長期修繕計画のベースにすることが重要です。工事は仕上げに関するものと構造体に関するものと大きく分けます。マンションの長期修繕計画でポイントになるのが躯体部分、構造体の劣化です。昭和56年、建築基準法に耐震構造の考え方を盛り込んだ新耐震基準が取り入れられました。それ以前に作られたマンションは、耐震診断をされたほうがいいと思います。
ミニ講座2 マンションにおけるインターネット活用術〜管理組合活動に役立つ使い方〜
VDSL方式で手軽にブロードバンド化、マンション専用ホームページも活用できます
講師 芳野 昌(よしの まさる)
関西電力(株)大阪北支店 グループ総合提案チーム
第一営業部長代理
 ブロードバンドを前提としたインターネットのマンションにおける活用例は、マンション専用ホームページです。ごみの収集日や、管理組合の集会、総会議事録、管理会社からのお知らせ、「宅配便が届いていますよ」といったお知らせ、集会室や来客用駐車場の予約状況、マンション内コミュニケーションなどの活用が考えられます。(ホームページの開設・運営費用が必要となる場合があります)
 マンションにおけるブロードバンドのインターネット設備には、ADSL、同軸ケーブル、光ファイバーによる方法がありますが、光ファイバーが技術的に最も優れており、今後、需要が高くなると思います。光ファイバーをマンションに導入するにはマンション内に通信装置を置くことになります。通信設備から各戸に配線する方法として最近電話線を活用した方法が開発され、棟内の配線工事が不必要になりました。その方式がVDSL方式で、配線工事費が不要ということから既設マンションで最も一般的に採用されています。  ※(注)講座1〜5&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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マンションらいふあっぷ基礎講座

【第3場面】議案(第1号〜第3号)事業報告、決算報告、監査報告
 (未収金の扱い、滞納問題、駐車場収入を管理費に充当する問題) (写真)
ポイント
収支決算報告における未収金の扱いについて
解説
 賃借対照表の「未収金」は、管理費や水道・光熱費、修繕積立金、駐車場使用料など本来3月末日の決算時期までに収入すべきものが入金できなかった場合に貸借対照表に計上されます。一方、管理費や修繕積立金会計の「収入の部」には、実際に入金があった金額を記載するのではなく、入金すべき金額を記載します。
 その理由は、管理組合の決算報告の目的は、1年間の活動の結果としての収支報告と、来年度以降へ繰り越す財産を区分所有者の皆さんに報告することにあります。つまり、皆さんから支払われた管理費や修繕積立金がどのように使用されたのか、また残っている金額はいくらなのか、その金額はどのように管理運用されているのかを報告することにあります。
 なお、大規模修繕工事がある場合は、一度にお金を支払うことはありませんので、工事が全部終わるまでは、着手金や中間金は前払金として賃借対照表に表示することになります。
 長期滞納の問題ですが、管理費や修繕積立金は、区分所有法で「特定承継人の責任」という項目があり、そのマンション購入者が滞納分を引き継ぐことになりますが、水道代は管理組合の立替金で、特定承継人へ請求できませんので、回収は立替金から優先する必要があります。
ポイント
駐車場使用料の管理費会計への繰り入れについて
解説
 管理規約に「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等にかかる使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる」と規定されています。
 駐車場の管理費が多額で、具体的な金額が分かるなら、そのかかる費用分は、管理費会計の支出の部に入れ、それに相当する部分を収入の部に入れて、総会での承認をもらっておけばいいでしょう。 【第4場面】議案(第4号〜第6号)大規模修繕計画について
 (修繕委員会の組織、同委員会運営細則の設置、専門家<パートナー>の協力)
ポイント
大規模修繕工事の進め方について
解説
 従前の区分所有法では、著しく多額の費用を要する共用部分の変更は、特別決議(4分の3以上の賛成)が必要とされていましたが、改正された区分所有法では、形状または効用の著しい変更を伴わないなら普通決議で可能となりました。ただし階段室をエレベータに変更したり(形状の著しい変更)、集会室を賃貸店舗にする(効用の著しい変更)などは、4分の3以上の特別決議が必要です。
(写真) いずれにしても大規模修繕は、皆さんの合意をもらってからも数年はかかるタイムスパンの長い事業です。ですからその間に、委員会を開いたら委員会の内容、理事会の内容などをこまめに皆さん方に公開していくことが大事です。後でクレーム等を出さないためにも、ぜひこれは実行してください。それと、建築士、弁護士、税理士その他さまざまな専門家をパートナーとして活用しながら、色々なシミュレーション、事例見学、資料の取り寄せを行ってください。
 また、修繕だけで終わらせずに、バリアフリーや宅配ロッカー、セキュリティ、IT化なども一緒に行えば付加価値が高まり、利便性や快適性が高まります。 【第5場面】議案第7号の新役員選任と閉会
 (終了後の議事録作成、広報紙等による総会報告)
ポイント
議事録の作成内容について
解説
 開会、議題、議案、それと討議の内容、評決の方法、最終的に閉会に至ったことを要領よくまとめます。つまり、それが後々にその経過が分かる程度に記載すればよいのです。もう一つ、各々の議案について成立したのか否かを記載する必要があります。まず総会当時の組合員の数と議決権の数を明記し、出席人数とその議決権の数、代理人等によって議決権を行使した組合員の数とその議決権数など、いわゆる総会の成立要件を満たしているかどうかが分かるような事項、それから各議案ごとに賛成組合数がこれだけあって成立したということを記載します。少なくとも普通決議の場合でもどういうような形で成立したかと後で分かるようなことは書いておく必要があります。そしてこの記事録の内容を、広報紙や掲示板で広報することも重要です。
ポイント
議事録の作成手段について (写真)
解説
 平成15年6月1日から施行された区分所有法の改正によって、議事録を例えばフロッピーディスクやCD-ROMで保管できるようになりました。その場合、議事録署名はデジタル署名を用います。
 また規約を改正したり、集会で決議をすれば、電子メールで議決権を行使したり、管理組合の方が参加できるホームページの中で議決権の行使をすることが可能になりました。
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マンションらいふあっぷ基礎講座


融資、法律、管理会社との関係などマンションの管理組合運営に関してのポイントをテーマとした講座を開催しました。 講座1 マンションの適正な維持管理について
 住宅金融公庫は「公庫融資マンションの維持管理基準」を定め、「公庫マンション維持管理ガイドブック」を作っています。管理規約が基準に適合しているかを判断するものです。チェック項目には、「敷地、建物、付属施設及び共用部分の範囲が定められているか」などがあります。例えば問題になるのは、管理人室が共用部分なのか、規約に定められていないケースなどです。
 「管理費や修繕積立金を管理組合に納入するように定められているか」という項目もあります。中には「理事長に収める」という管理組合もあります。
 これらのチェック項目は、最低限の基準です。このチェックで「待てよ」ということがあるようなら管理規約を見直す必要があります。
 「修繕積立金の1戸当たりの平均月額が、築年数に応じて、築5年未満6,000円以上、築5〜10年7,000円以上、築10〜17年9,000円以上、築17年以上10,000円以上あるか、という項目もあります。これくらいないと長期的な修繕は難しいという最低基準です。
 ガイドブックの後半は、「共用部分維持管理履歴簿編」になっています。日常点検は管理組合が自主的に実施する必要があります。点検箇所は「自主点検調査票」を参照してください。
 「法定点検に関する記録シート」は、ずっと付けていくと車の修繕記録表のようになって、大切に管理されてきたことを示す記録となり、マンションの資産価値の維持に役立ちます。
 マンションの長期修繕積立金を、公庫の債券という形で積み立てていただく「マンションすまい・る債」は、10年間積み立てができます。1年以上経てば、自由に換金することができ、元金が保証されるのが大きな特徴です。銀行のペイオフ対策として活用されている管理組合が多いようです。
 また、大規模修繕の進め方や、ポイントを詳しく説明した、「大規模修繕マニュアル」も、じっくりお読みください。 講座2 マンション生活における法律の基礎知識
 マンションに関わる法律というのは主に「建物の区分所有等に関する法律」、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」、その他に「民法」などがあります。また、法律以外で重要なのが個々のマンション毎に定める「管理規約」です。
 「区分所有法」の基礎になる考え方は、マンションは自分一人のものではない、共有物であるというところからスタートしています。区分所有法というのは民法の特別法です。マンションは共有物ではありますから、全体の変更は4分の3以上の多数決で決めるということになります。複数の住人が一つのものを利用するために、一人でできることとできないことが出てくるわけです。一人でできる範囲というのが専有部分であり、できない範囲が共用部分ということになります。共用部分には「法定共用部分」と「規約共用部分」があります。「廊下」などは当然に法定共用部分です。「規約共用部分」とうのは、本来なら独立性があって専有部分としての要件を備えているが、みんなで話し合って共用部分にしたものです。集会室や管理人室などがこの部分に当たります。
 また、バルコニーやベランダは、共用部分ですが、個人が専ら使用する「専用使用権」が認められています。
 次に区分所有法で「管理組合」は、「建物ならびにその敷地及び付属施設の管理を行う団体」ということになっています。「管理者」は通常理事長と考えればいいと思います。管理組合の役員については法人化されない場合、法律上の定めはありません。役員の業務については管理規約に書かれています。理事と区分所有者との間は委任契約があり、契約責任が生じます。総会についての手続きは、管理組合は年に1回定時総会を開かなければなりません。そして組合員に1週間前に審議事項とともに通知しなければなりません。定時総会以外に区分所有者の5分の1で、議決権の5分の1の賛成があれば、臨時総会を開くことが可能です。決議には普通決議と特別決議があります。特別決議は4分の3以上、または5分の4以上の賛成が必要という決議です。貸借人には決議権はありませんが、総会に出て意見を言うことは認められています。
 管理組合の法人化という問題がありますが、以前は30戸以上の管理組合だけが認められていましたが、現在は全ての管理組合に法人化が認められています。
 管理規約で何を決めるかというと、主なものとして区分所有者の基礎的な法律関係に関する事項、区分所有者間の意思決定の方法や管理組合の組織に関する事項、専有部分を含む部分の使用方法や区分所有者間の利害関係の調整、そして義務違反者に対する措置に関する事項の4つくらいが挙げられます。
 建替えの問題については大きく変わりました。従来は費用の過分性といって、修繕するために費用がたくさんかかる場合には建替えを認めましょうということだったのが、今回の改正で5分の4の賛成を得られれば建て替えられるということになりました。建替え円滑化法ができたことによって、建替えがかなりやりやすくなったといえます。
ミニ講座1 管理会社との良好な関係をめざして
粘り強く交渉して管理会社との契約内容、管理委託費を大幅に改善
講師 今西 正晃(いまにし まさあき)
中津パークマンション管理組合 前理事長
 管理組合理事長になって最初に手がけたのは管理委託契約書の見直しでした。管理委託契約書を見直してみると、「管理委託料金の前払い」や「会計報告は常勤の管理員がいるところでないと出せない」といった不合理な箇所がたくさん見つかったのです。最優先課題として委託契約書の条文と委託料の是正を行うことにしました。主な改正点を紹介すると、法に基づいて基幹業務の外注禁止を定め、委託料の前払いを改めました。月次報告書についても提出してもらうことになりました。「管理組合と管理会社は運命共同体という強い結びつきがある」という信念で交渉しました。
 今後の管理のあり方ですが、管理は区分所有者が自主的にやらねばならないと法律に書かれていますが、マンション管理士を雇ったりすることも考えてはどうかと思います。    ※(注)講座1〜5&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
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